基本妖怪のせいにできる世界に転生したちょっと癖強いサラリーマン(現小学5年生)   作:暇なグリッチ

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16話にして未だにストーリーとしては3章…?


善業はやればやるほど返ってくるはず

「ねえ聞いた? どんこ池の噂」

 

「あぁ、光る物をエサにすると食いついてくるってやつだね」

 

「ふーん…」

 

とある日、学校に集まって木霊、今田と少し話をしていた。内容はどんこ池の噂。俺はそういうのは基本的に信じない…つもりだったのだが、この世界では正直何が起きても大体妖怪のせいにできるから、それも妖怪絡みなんだろうなぁと思いながら聞き流している。

 

「こういうのはクマが詳しいんだけど、今日は来てないし…あれ?」

 

「…あ、熊島」

 

後ろを振り向くと、門の前で俯いているクマこと熊島がいた。今日はやけに雰囲気が暗いな…あいつらしくない

 

「噂をすればなんとやら、ちょうどいい所に来てくれたね」

 

「クマくん!」

 

「…どうした。今日のお前、らしくないぞ?」

 

「…」

 

熊島はトボトボこちらに歩いてきて、こちらに顔だけゆっくり向けた。この様子じゃ…説教でも食らったか?母親には勝てないどうこう言ってたし、でも説教1回食らっただけでここまでになるかと言われると…

 

「…なんか用か?」

 

「クマくん…何かあったの?」

 

「妙にテンション低いけど。悪い物でも食べた?」

 

少し黙ってからこちらに向き直り、ゆっくり口を開く。

 

「オレ…オレ…母ちゃんの指輪を…うわーん!!」

 

「…まさか落としたのか?!」

 

あぁ、そりゃあ謝って早々許して貰えるもんじゃあないな…だからそんなに落ち込んでいたのか…

 

「オレ、どんこ池の主を釣るために母ちゃんの指輪を持ち出したんだ。そしたら母ちゃんの指輪落としちゃって…」

 

…若気の至りとは言え、親の指輪を、それも結婚指輪を持ち出してそんなことに使うのは流石に…

と言うかあの池結構汚かったよな?最悪じゃあないか…

 

「父ちゃんが言うには、その指輪は父ちゃんが母ちゃんに贈ったものだって…」

 

「そんなもの持ち出すなんて、クマが悪いね。うん。」

 

「悪いが俺も擁護できないな…流石にそれはヤバいぞ」

 

「確かに指輪は光るけど…」

 

「オレだってわかってらい!だからなんべんも謝ったさ。でもな、昨日の夜…母ちゃんが話してるのを聞いちまってよ…『残念だけど指輪は諦める。私がいなくなってもクマうまくやれ』って…」

 

「母ちゃん、オレが指輪をなくしたから怒って遠くに行っちまうつもりなんだ」

 

「それって本当なの…?」

 

「うっ…うっ…悪いな、お前ら。オレ、もう行くから…」

 

そう言うと、クマはまたトボトボと何処かへ去ってしまった。

参ったな、かなり大きい話になってるらしいぞ…

 

「なんだかクマくん、可哀想…」

 

「流石に反省したらしいね…でも僕達にできることは何もないよ。しょうがない」

 

それから2人が去ったのを確認したあと、俺は木に体を預けた。

 

「それにしても、凄い落ち込みようでしたね」

 

「あぁまで落ち込んでいると、こちらの調子が狂うな…家庭崩壊、とまで行っているのかはわからんが、黙って見ているのは夢見が悪くなりそうだ。指輪を探そう」

 

「その通りですケイジ君!普段はあんなに強気なクマくんが弱っている今こそ恩を売るチャンス!」

 

「いやそんなつもりなかったんだが…」

 

ドヤ顔でそう言うウィスパー。がめついなこいつ…雰囲気台無しだよ

 

「幸いケイジ君には友達を作る力があります。…まさかとは思いますけど、自分で潜って取りに行くなんて言いませんよね?」

 

「…………………あー、うん」

 

「さては考えてましたね?!相変わらず無茶がお好きなんですから…ともかく、泳ぐのが得意な妖怪を友達にして探し物を手伝って貰えばいいのです!」

 

「泳ぐのが得意な妖怪…河童とかか」

 

「そうと決まればカッパを探しに行きましょう!」

 

そう言って、意気揚々と探しに行こうとしたため、思わず慌ててウィスパーを止める

 

「待て待て、適当に言ったがいるのか?河童」

 

「えぇ勿論。彼らは川に住んでいるようですね」

 

何処からともなくパッドのようなものを取り出し、それを見ながらそう言うウィスパー。河童…やっぱり頭の上に皿があるんだろうか

 

「川といえば河川敷です。行ってみましょう!」

 

「あぁ」

 

――――――――――――――――――

 

河川敷に着いた。が…ウォッチに特別反応もない。ま、いきなり当たりなんてないか

 

「やっぱり見間違いだったんじゃない?お皿が飛ぶなんてありえないよ」

 

「…?」

 

他の場所も探してみようと離れようとした時、たまたま女性の話が耳に入ってきた。皿が飛ぶ…これは何かありそうだ。悪いが聞き耳を立たせてもらおう

 

「そんなことないって!本当に見たんだから」

 

「だって、お皿がフラフラ飛ぶなんて、宇宙人の仕業じゃあるまいし」

 

「もう!信じてよ〜」

 

「ただの見間違いでしょ。それより昨日のテレビ見た?」

 

なるほど、確かに宇宙人の仕業じゃあないだろうが、恐らく…

 

「妖怪の仕業…まさか河童か?」

 

「そのまさかですよケイジ君。妖怪も弱っているときは姿をうまく消せませんからね。人間に目撃されてしまったので慌ててお皿を消したのでしょう。まだその辺りにいるかもしれません、探してみましょう!」

 

「あぁ、そうだな」

 

とりあえず河川敷沿いを歩いて探してみる。だが、正直簡単に見つかるようじゃあ…

 

「…」

 

「…多分あれ、ですかね」

 

眼の前にはやけに荒ぶっているひまわり。風が吹いてるとかじゃ考えられないくらい荒ぶっているのだ。てか花びら開きすぎだろ、ほぼ平面じゃあないか

 

「ほら、早く早く!」

 

「わかってるよ」

 

ウォッチでそれを照らすと、案の定妖怪が現れた。頭の上に皿がある…恐らく大当たり(ビンゴ)だな。

 

「この妖怪はノガッパ!カッパの妖怪です!うぃす!」

 

「あまり元気がないようだが…」

 

「あんたたち俺が見えるっすか?いったい何者っす?!」

 

「天野ケイジ、齢十歳の小学5年生だ。随分疲れてるらしいが…大丈夫か?」

 

「よ、齢…渋いっすね。 実は今度のカッパ水泳大会に向けてこの川で猛特訓してたっす!」

 

「ほーん、そんなものがあるのか」

 

「そうっす。そしたら夢中になりすぎてご飯を食べるのを忘れてたっす! あーあ、お腹すいたなー。魚とか食べたいっすねー」

 

そう言いながら寝そべり、俺に期待の眼差しを向けてきた。

 

「…」

 

「魚とか食べたいっすねー。でもオレ腹ペコで動けないっすー 誰かが釣ってきてくれたら何でも言うこと聞いてあげるのになー」

 

「…わかりやすいほどの要求ですね。ケイジ君、どうします?」

 

「やるしかない…と言いたいところだが、俺には釣竿がな…」

 

俺がそう言うと、ノガッパが生き生きとした様子で立ち上がった。

 

「釣竿があれば、釣ってきてくれるんすか?!」

 

「あぁ、まぁな?」

 

「じゃあ話は決まったっす。この釣り竿をあげるからフナを3匹ほど釣ってきてほしいっす」

 

そう言うと何処からともなく釣り竿を取り出し、俺に手渡してくれた。…結構立派だな、これ

 

「レアものはいらないっすよ。普通のフナ3匹でいいっす フナはこの河川敷で釣れるっすよ。よろしく頼むっす〜!」

 

「…頼み事をするつもりが、頼まれてしまいましたね」

 

「構わん、こちらが頼むなら俺たちも何か返さなければいけないからな。それにフナ3匹で済むなら安いものだ。だろ?」

 

「えぇ。早い所フナを釣って戻ってきましょう」

 

ちなみに、俺が釣るの下手すぎてだいぶ苦戦したということを残しておく。




釣りかぁ…長らくやってないなぁ…

コメント、評価、お気に入りのほどよろしくお願いします!皆さんのおかげで頑張れる!!
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