基本妖怪のせいにできる世界に転生したちょっと癖強いサラリーマン(現小学5年生) 作:暇なグリッチ
「はー美味しかった!本当は寿司とかのほうが好きっすけど…」
なんとか釣ってきたフナ3匹を手渡し、食べた後ノガッパがそう満足そうな顔をする。
こいつ…多分無意識でやってるんだろうが、腹立つな…結構苦労したんだぞッ!!オイッ?!
「人間にも親切なヤツがいるなんて知らなかったっす。おかげさまで元気いっぱいっす!何かお礼するっす!カッパの恩返しっす」
「そいつはどうも…俺は泳ぎが得意な妖怪を探しに来てな、どんこ池で探し物してほしいんだが…手伝ってくれるか?」
「なーんだ、そんなことっすか!それくらいなら朝飯前っす!困ったことがあったら遠慮なく呼んでほしいっす」
そしてお互い手を突き出すと、光が放たれ中からメダルが現れた。この工程ももはや慣れたものだ
「頼もしい味方ができましたね、ケイジ君」
「これで熊島の探し物が見つかればいいんだが…」
「さぁ、それじゃあ早速どんこ池に出発っす!」
――――――――――――――――――
そろそろ日も暮れてきた頃、どんこ池に向かうとまだ熊島はどんこ池で指輪を探していた。
「熊島、まだいたのか…」
「ケイジ…お前何しに来たんだよ…」
「一人で指輪を探すのは骨が折れるだろ。手伝いに来たんだ、大切なものだろ?」
「え…?」
そう話していると、紫の煙とともにノガッパが現れた。
「話は聞かせてもらったっすよ!指輪を見つければいいんすね、ちょっと待っててほしいっす!」
そう言うとノガッパが勢いよくどんこ池の中に飛び込み、泳ぎながら指輪を探し始めた。
「な、なんだ今の水しぶき?!」
「ちょっと待ってろ、今俺の友達が探してくれてるから」
「な、なんだ?!何が起こってるんだ?!」
そんなに飛び跳ね回る必要あるんだろうか…あまり暴れると魚たちが驚いて逃げるぞ。と思っていると、手を掲げて飛び出してきた。どうやら見つかったらしい
「見つけたっすー!」
「さっきから池で暴れておるのはお前らかぁああああああ!!」
そんな声が聞こえると、ノガッパの背後から巨大な妖怪が現れた。
あぁクソッ、大物釣り上げやがって…!
「うわああああああ!? 今すっげえ水しぶきだったぞ!」
「マナーのない者にこの池で泳ぐ資格はない!!このワシが直々に成敗してくれるわ!!」
そしてようやく気づいたのか、ノガッパがゆっくり後ろを振り向き、事態の重さを知った途端潜って逃げてしまった。
「あっ!逃げましたよ!」
「あのバカ…ッ!仕方ない、来るぞ!!おい熊島!お前は一旦向こう行ってろ!!」
「え?な、なんで
「逃げろと言ってるんだ、逃げろッ!!」
わ、わかったよ?!」
熊島を一旦向こうに逃がした。よし、これでやりやすくなる。
懐からメダルを取り出し、妖怪ウォッチにセットする。
ブキミー!召喚!
「私の初陣というわけじゃな!任せよ!!」
意気揚々と杖をヤツに突きつけ、高らかにそう宣言するヨガミことふじみ御前。Sランクの実力、とくと見せてもらおう
「Sランク…こいつは本気でやったほうが良さそうだな!!」
「悪いがこちらも今回は『はいそうですか』と引き下がるわけにはいかない。今回は"マジ"だ」
「でもそれならなぜ私だけなんじゃ?ホルもユキもおるじゃろうに」
不思議そうに俺にそういうヨガミ。うん。至って当たり前の疑問だ。
「あぁ、本来ならそれがいいんだろうが…今回は俺の切り札を試す。あまり制御ができてないから、人が多いと巻き込んでしまいそうでな…」
「なるほど…わかったのじゃ!無理だけはせんようにの」
「……………わかった」
「沈黙が長いですよ、ケイジ君…」
あまり断言はできないが、善処する。うん。
「何をゴチャゴチャ言っとるんじゃ!お前の友達が起こしたことなら責任を持たんとなぁ!!」
「ッ!!」
「おっと!」
そう言い、頭の釣り針をこちらにぶん回してくる。咄嗟に避けるが、釣り針が当たったところは地面が軽く抉れていた、とんでもないな…やはりこういうボス妖怪はまた格が違うらしい。
「私が援護するから、ケイジは遠慮なく戦え!」
「あぁ、助かる。背中は頼むぞ!!」
「…! もっちろんなのじゃ!!任せたもー!!」
ヨガミがテンションを上げながら、紫色の霊魂を複数放つと、ヤツは大きく後ろに仰け反った。さすがSランク、火力が違うらしい。
「ぬぅっ?!」
「そこだッ!!」
「うぉっ!!お前もなかなかやるらしいなぁ!!」
俺の鋭い拳がヤツに当たるが、今度は腕を交差し塞がれて弾かれてしまった。かなり速く動いたつもりだが反応してきた…やはりちんたらしていられないな。
「お前らが二人で来るなら…こっちも仲間を増やさんとな!!」
「ッ、そう来るか…」
ヤツが頭の釣り針を水に付けると、2匹のナマズのような妖怪を釣り上げた。どうやら仲間を呼んだらしい、そんなこともできるのか…!
「「ギョッ!!」」
「おぉっと!ケイジ!こいつは私に任せよ!!」
「すまん、任せた!!」
「何処を見ている!足元掬われるぞぉっ!!」
ヤツが腕を振り上げ、こちらに拳を叩き込んでくるが、咄嗟に腕を交差し防ぐ。
「何…!?」
「ただの子供じゃない…ってことくらいはもういい加減わかってるよな?」
「…なるほど、お前が巷で噂の『さくらニュータウンのロードキラー』か!!」
「…は?」
ちょ、おい。待て待て待て。まさか俺の二つ名?通り名ってやつか? いや、確かに噂になってるのは前々からわかってたが…もっとこう、なかったか?!
「ここまで荒らしに来たか…相手にとって不足なし!!全力で叩きのめしてやるわい!!」
「こっちのセリフだ。地べたを舐めるのはどっちか決めようか!!」
ヤツの釣り針がまたこちらに飛んでくる。だが今度は避けても避けても再び釣り針が襲ってきて、キリがない。
「どうした!!こんなものかさくらニュータウンのロードキラー!!」
「その名で呼ぶんじゃあない…!」
クソッ、どうすれば…考えろ、いつもこういう時は思考を巡らせ切り抜いてきた。ミツマタノヅチの時もそうだ。何か方法を…!
「…よし、悪いヨガミ。約束は破るが許してくれ」
「それっ!一丁上がり…け、ケイジ?!お主何を!?」
丁度あのナマズを倒したらしいヨガミが俺を止めようとする。が、もう既に釣り針はこちらに迫ってきている。やるしかない…!
「これで終わりじゃあ!!」
「一か八か…やるしか、ないっ!!」
俺は釣り針に自ら走り出し、そのまま釣り針に捕まった。凄い勢いでふっ飛ばされそうになるが決して掴んで放さない。これを放せば終わりだ…!
「なんだとぉ!?」
「フンッ!!」
そして俺は全力で踏ん張りながら地面を抉り、着地した。
「と、止まったのじゃ?!」
「な、なんだぁ…この力は…!?」
「ふッ…おぉぉぉぉぉっ…!!!」
そして先程までの勢いを利用し、今度は俺がヤツをぶん回し始める。腕がちぎれそうだ…!耐えろ、耐えろ俺…!!
「なっ?!う、うぉおおおおおおおおお?!」
「オォォォォラァァァァァァァァァァッ!!!!」
ヤツの体が浮き、回転がドンドン勢いを増していく。
「や、やめろぉおおおおおおおおお?!」
「やめろと言ってッ!!やめるやつがいるか阿呆がぁーッ!!!」
「ぐぉああああああああああ?!」
そしてその勢いを利用し、地面に思い切り叩きつけた。辺りに土ぼこりが舞い、凄まじい衝撃が伴う。
「はぁっ…はぁっ…」
「いくらなんでも無茶し過ぎじゃ!!バカッ!!」
「すまん…」
うん、俺もだいぶとんでもないことしたと思う。しかし安心している暇はない。土ぼこりの中からヤツが現れた。
「よくもやってくれたなぁ…! 今度はワシの番じゃ!!」
「か、かなり怒っている様子です!来ますよケイジ君!!」
「あぁ、こっちもそろそろ使う時だな…」
俺は拳を引き、目を閉じて集中する。
「これで今度こそ終わりじゃあ!!
―――どっこい大漁節!!」
ヤツが一際巨大なナマズを釣り上げると、ナマズが巨大な水鉄砲を放ってきた。
「ケイジ!!
「来るなッ!!俺が迎え撃つ!!」
?!」
後少し…来たッ!!感じたぞ、俺の拳に迸る妖気!!
「ようやくお披露目だ、見せてやる。俺の"切り札ッ!!」
―――
なんでただの小学生が必殺技持ってるの???
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この作品を観てくださっている全ての方に感謝を!!