基本妖怪のせいにできる世界に転生したちょっと癖強いサラリーマン(現小学5年生) 作:暇なグリッチ
「ひ、必殺技を使ってみたいニャン?」
「あぁ…」
ある日、俺はジバニャンに頼み込んでいた、必殺技を会得したいと。
「いや、なくても十分ケイジは強いニャ。むしろ過剰戦力って奴じゃ…」
「駄目なんだ、今のままじゃ俺は皆に置いていかれる。守れなくなってしまうんだ…それは俺が許さない」
「面倒くさいニャンねぇ…まぁ、ちょっとくらい考えてやってもいいニャン」
「本当か!?ありがとう、感謝する」
それからしばらくの間、ジバニャンと修行してみることにした。様々な格闘技を見て色々技を開発してはコレは駄目、アレは良いかもしれない、ソレは無理がある…とか、ひたすらに研究を続けた。
「ニャー!!全然駄目ニャン…」
「どうも決まらないな…」
しかし中々しっくり来るものはできず、かれこれ2週間は経っていた。流石のジバニャンも飽きてきたらしく、事態はすっかり低迷してしまっていた。
それならば、と今度はウィスパーを訪ねてみた。
「必殺技ですか?!」
「あぁ、今後のためにも必要だと思って」
「必殺技ですかぁ…難しい話をしますねぇ…」
そう言って頭を悩ませるウィスパー。そんな時、ふと思いついて尋ねてみた。
「なぁ、俺に妖術は使えないのか?」
「妖術ですか。…おそらく厳しいでしょう。妖怪ならほとんどは使えますが、人間となると限られた血筋しか使えなかったりすることが多いので…」
なら駄目か…と思った。が、その時、一つ思いついた。
「そうか…いや、待て」
「うぃす?」
「妖術が使えないのは分かった。だが…妖力ならどうだ?」
「妖力なら…頑張れば多少は操れるようになるんじゃないでしょうか?」
「…よし、わかった。ちょっとで良い、修行に付き合ってくれないか?」
「えぇ勿論!できることがあるのであれば!」
――――――――――――――――――
「ぬ、ぐぉぉぉぉぉぉぉ…っ?!」
やった、完成したぞ…俺の必殺技…!!
「な、なんじゃ今の?!」
「見てわかるだろ、必殺技だ」
「必殺技?!に、人間のお主がか?!」
「おぉっ!!!完成させていたんですね!!私感動で涙が止まらないですぅぅぅぅぅ!!!」
ハンカチ片手に大号泣しているウィスパーを見て、思わず吹きそうになった。でもウィスパーは俺が中々妖力の扱いが上手くいってないのを心配してくれていたからな。途中から驚かせるために…と一人で修行していたから、成長した俺を見て安心したらしい。
「こ、これがさくらニュータウンのロードキラーの実力かぁ…!!」
「いい加減それやめないか?」
普通に長いしダサいし恥ずかしいしでやめてほしい…まぁいい、何はともあれ成功したんだ。戦況は大きく変わったぞ。
「さぁ最後の踏ん張りだ!行くぞヨガミ!!」
「任せたもう!!」
「ケイジ君にふじみ御前さん!ファイトー!!」
俺がすかさず殴りかかり、その後ろからヨガミが紫の霊魂を放って援護する。
「ぐぉぉぉぉぉっ!!ワシはまだ負けとらん!!ここからじゃあ!!」
俺の拳を受け止め、さらにその間に部下のナマズを釣り上げるとナマズたちの水鉄砲による集中砲火で霊魂が相殺されてしまった。
「俺の必殺技を食らってそんなに動けるのか…!俺もまだまだってわけだな!!」
「その割には嬉しそうじゃないか!!こうなったら最後まで付き合ってくれる!!」
「最後に笑うのはこの俺だッ!!」
霊魂と水鉄砲が飛び交い、奴と俺の拳がぶつかり合う。そんな激しい戦いを繰り広げていたが、流石にお互い限界が近づいてきていた。
「ッ…はぁ…はぁ…!!」
「どうした!ワシはまだやれるぞぉぉぉぉ!!」
奴はそう言い、腕を振り上げる。対して俺はすでに膝をつき、呼吸も荒い。このままでは、駄目だ。負けてしまう。
「大丈夫かケイジ?!」
「ちょっと…厳しいかもな?」
霊魂を飛ばしながら俺に手を差し伸べるヨガミ、その手を取ってなんとか立ち上がる。
「…もう一発だけ、もう一発だけ撃てそうか?」
「ふじみ御前さん!?貴方何を…!
「…必殺技をか」
ケイジ君?!」
そう問いかけてくるヨガミ。ウィスパーはそれを見て慌てて止めようとするが俺が手を前に出し、止める。
「私が必殺技を撃って隙を作ろう、その隙にあと一発だけ、思いっきりぶつけて欲しいんじゃ」
「…いけるんだな?」
「勿論じゃ」
そう力強く頷くヨガミ。俺はその本気の目を見て、覚悟を決めた。
「分かった。俺は力を溜めるのに専念する。頼めるな?」
「あぁ、任せてくれなのじゃ!」
「どこを見ている!!早くワシと戦わんか!!」
「言われずともじゃ!!」
奴とヨガミが激しく交戦し始めたのを見て、俺は拳を静かに引く。
「け、ケイジ君…!」
「一発、一発だ。ただそれだけをぶつければ俺の仕事は終わり…なんて楽なんだとは思わないか?」
正直、自分でも情けないと思うくらいハッタリだ。だがそれくらい男は堂々しておくべきなんだと思う。
気持ちがあれば、きっとそのうち肉体も追いつく。負けてたまるか、やられてたまるかと体を動くんだ。
「お主にこれ以上ケイジは傷つけさせんぞ…!
不死不死ドレイン!!」
「小賢しいわ!!
どっこい大漁節!!」
奴がまた必殺技を撃ってくるが、ヨガミがなんとか耐えている。
「ヨガミッ…!」
「私のことは大丈夫じゃ!!早く!!」
あと少し、少しだ…!!次の一撃絶対に決めてみせる!!
「これで終わりじゃぁぁぁぁぁ!!!」
「ッ…ケイジ!!」
来たッ!!それを察したのか、ヨガミも咄嗟に俺の目の前から退き、凄まじい勢いの水流が目の前に映る。
「これで終わりだ!!
奴の水流と、放たれた俺の漆黒の妖力がぶつかり合う。
「す、凄いぶつかり合いですぅぅぅ?!」
「ケイジ…!」
一瞬だったのかもしれない、だが俺にとっては永遠にも思えるくらいの押し合いが繰り広げられた
そして、そして、そして…
「トドメだ!喰らいやがれェーッ!!!」
「ぬぐぅぉぁぁぁぁぁぁぁ?!」
俺の
「やった!やったのじゃ!」
「し、死ぬかと思いました…」
「…っはは…」
一気に疲れがきて、思わず倒れ込んだところをヨガミに支えてもらう。
「だ、大丈夫か?!私が無理させてしまったばかりに…!」
「あぁ、大丈夫だ。帰ろう…」
「お、おい!?何があったんだ?!」
そうしていると、流石に様子を見に来たらしい熊島が帰ってきた。
「いや、ちょっと色々あって…」
「色々で済ませていいもんじゃねぇだろ!?家来い!絆創膏とか貼ってやっから!」
「すまん…」
だが完全に油断していたからだろうか、これだけ暴れていたら当然、壊れるものもある。
「…危ないです!!ケイジ君?!」
「…え?」
こちらに倒れて来ていた木に気づかず、俺の意識は暗闇に沈んだ。
こ、これは一体、どうなっちゃうんだー?!
コメント、評価、お気に入りの程よろしくお願いします!
久しぶりすぎて見てもらえるか心配…