基本妖怪のせいにできる世界に転生したちょっと癖強いサラリーマン(現小学5年生) 作:暇なグリッチ
俺?たったの3週間だ!たわけッ!!
「じゃ〜ん!」
目の前の少年が、クワガタやカブトムシ、蝶が入った標本を見せる。彼の名は今田干治。まぁ、性格がいいス○夫、みたいな認識でいいだろう。
「すご〜い!きれ〜い!」
そして俺の隣にいる彼女は木霊文花。まぁ、前回を見てくれたなら説明は必要ない。
「…標本か。自分で作ったのか?」
「へっへ〜、まぁね? ボクんちの別荘の近くに森があってさ。そこには珍しい昆虫、つまりレアものがいるんだよね〜」
そう自慢げに語る今田。まぁ、この程度の自慢など可愛いものだ。子供なら誰だってそんなもの、自慢したいに決まってる。ごくたまに行く羽目になっていた飲み会での上司の武勇伝を聞かされるよりかは1000倍はマシだ。
「ま、捕まえたのは全部オレだけどな!」
そしてその横で豪快に笑っているのは熊島五郎太。…悪い、お前の本名、この世界に来て初めて知ったかも知れない。
「ケイジも夏休みの自由研究、昆虫採集じゃなかったっけ?」
「あぁ、確かそうだったな」
ちなみに選んだ理由は特にない、そういえば今度みんなで虫を取りに行く約束だったな。と思い出してそこから昆虫採集にしようと決めただけだ
「どーせまだ一匹も捕まえてないんだろ! ま、庭の石めくってダンゴムシでも集めてればいいんじゃない?」
「「ギャハハハ!」」
今田と熊島がそう、一緒に笑う
…あぁ、わかってる。わかってるさ
「もう!やめなさいよ!」
こんなことで感情的になるなんて、大人としてありえない
「…ふふっ、ふふふふふっ…」
「ん?どうしたケイジ」
だが、今は大人じゃあない。俺は小学生…ならキレていいだろう。
コケにしたなッ!このジェネリックジャ○アンとス○夫!!
「あぁそうだ。一匹もいないさ。…
「け、ケイジ?ど、どうしたのさ急に…」
天野ケイジの嫌いなこと、その2。勝負する前から、敗北と決めつけられることッ!
「あぁ良いだろう!!その発言を後悔するくらい立派な虫を取ってやるッ!」
「…やっぱり」
「ケイジって…」
「負けず嫌い、だよね…」
――――――――――――――――――
「公園なんて探しても無駄。絶対に珍しい虫がいるのは…」
そう、このおおもり山。山ならカブトムシだって期待できる。本当は夜に来たほうが良いんだろうが…夜更かしは好きじゃないからそれはやめた。
「どうせ時間はある。焦らずじっくり探すか…」
にしても長いな、この階段…さっき見た立て札には94段あると書いてあった。しかし今の俺は小学5年生。正しくエネルギーが有り余っている時期
「足取りがこんなに楽とはな…」
まるで自分が自分でないような感覚だ。それにこれもいい運動、汗を流すにはちょうどいいだろう。ただ、虫も探しながら上に上る必要があるから少し時間がかかるのが、面倒な所だ。
「…だが、やっぱりいないな、カブトムシ」
いくら探してもいるのはセミや蝶、カナブンなどばかり。まぁこの時間帯にいるのは中々ないだろう。やはり夜に行ったほうがいいだろうが…それは最終手段に置いておこう。
「…あぁ、もうここまで来たか」
気づけばもう階段を登りきり、おおもり神社にたどり着いていた。ゲームではおなじみな場所だった記憶だ。
あ、そうだ。確かここには…
「ん、ここだここ」
俺は神社の右を抜けた鳥居の先にある、御神木を見つける。
確かあそこにガシャみたいなのがあったはずだ。
「…でも、明らかに入っちゃダメそうだな」
だが、鳥居には柵が置かれており、明らかに入れるような様子じゃない。それに、ガシャがなくともあの先に行けばもうちょっとレアな虫もいそうな気がするが…
「…え?」
そんなふうに考え込んでいたら、気づいたら柵が消えていた。
もう一度言おう、
「…この先に、来いってことか?」
俺は原作をほとんど覚えていない。当然だ、まともにやったのはもう20年以上も前…覚えてるはずもない
罠なのかも知れない。しかし自分に行かないと言う選択肢はなかった
「…行くか」
俺は何の迷いもなく、鳥居をくぐった
その先にあったのは巨大な御神木と…
「…ガシャ」
当たりだ。大当たり。もしかしてこの世界は妖怪ウォッチによく似ただけの、いたって普通の世界かもしれないと思っていた。
だが、もしこれが…
いれろ…いれろ…
「ッ!」
咄嗟に後ろを振り向く、誰もいない。辺りを見回す。誰もいない。木の上を見る。…誰もいない。
いれろ…いれろ…いれろ!いれれば…いれずんば!
間違いなく、誘われている。この中にいるナニカに
「…小学生の百円は、そこそこ重いぞ」
そう悪態をつきながら、百円を入れ、ガシャを回した。
するとカプセルがガコン!と中から出てくる。
「…」
この世界がもし、本当に妖怪ウォッチなんだとしたら。ここから出てくるのは
一瞬、深呼吸をしたのち…カプセルを開けた
「…っ!」
すると眩い光と共に中から何かが出てくる。少しして目を開けると、そこには…
「私の名前はウィスパー。妖怪です、ウィス!」
…ソフトクリームみたいな奴が、いた
――――――――――――――――――
「…おや、あまり驚かないんでウィスね」
「あぁ、なんとなく…な」
まぁ、こうなるのはなんとなくわかっていた。しかしこれで完全にわかった。
紛れもなく、この世界は妖怪ウォッチだ
「それで、妖怪ってのは?」
「なんだかリアクションが面白くありませんねぇ…まぁいいでしょう!時をさかのぼること190年前…あるお坊さんが私を悪霊だと決めつけ、石に封印したのです!」
へぇ、そんな話だったのか。と静かに話を聞く。当時小さかったからストーリーとか全く気にしてなかったからな。
「なんということでしょう!190年ですよ190年…長い!長過ぎます!うぃ〜〜す!!」
「まぁ、190年は長いな。そこは同情しよう」
「ですよねぇ?! そりゃ妖怪は年取りませんし?190年など一眠り程度ですが…」
「それで、俺はそろそろ虫取りに戻りたいんだが…」
「あぁお待ちを! フッフッフ、虫取りだけで満足ですか?もっと面白いものを見つけませんか?」
いや、別にいい…と言いかけたが、一旦抑える。これはおそらく…
「…もっと面白いもの?」
「そう、妖怪探しなんていかがですかな? うぃす!」
「…なるほど。でも、どうやって?」
「フフ、貴方にこれを差し上げましょう!」
すると腕が一瞬光ったと思うと、腕には時計が付けられていた。間違いない、これが…
「それは妖怪ウォッチ!それを身につければアンビリーバボー! なななんと!妖怪の姿を見ることができるのです!」
妖怪ウォッチ、この世界のタイトルにもなっている目玉要素だ。
「なるほど、確かに面白いな」
「そうでしょう?!それでは早速…」
そんな会話をしていると、突然妖怪ウォッチが音を上げて反応し始めた
「…これは?」
「ややっ!妖怪ウォッチに反応が!どうやら近くに妖怪がいるようですね! あちらにある木が怪しいようです!調べてみましょう!」
ウィスパーは横にある木を指し、そう言った。
…なるほど、とても懐かしい気分だ。当時もこんな感じだったのを覚えている。
「…あぁ、そうだな」
思ったよりこの世界、楽しくなりそうだ
導入で虫取りすんの、2からだったんだね…ま、まぁこれは夏休み入ってから少しした後ってことで…
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