基本妖怪のせいにできる世界に転生したちょっと癖強いサラリーマン(現小学5年生)   作:暇なグリッチ

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やっぱ初代と今とじゃ、全然性格とか違うなって

追記:表記を間違えてたみたいなので変更しました


おキツネさまのタタリ

「そのつもりはないと言ってるでしょう」

 

あれから試しに自転車に乗って、おつかい横丁のフラワーロードまでやってきた。

ユキが「私も連れて行って!」と言うもんだから、せっかくだしということで一緒にどっこい書店までやってきたんだが…何やら、レジの方でトラブルが起こってるらしい。

 

「あれ、どうしたんだろう…?」

 

「さぁな」

 

俺達は、何となくその様子が気になったので覗いて見ることにした。

 

「とにかく、他のお客様のご迷惑になりますから、お帰りください」

 

レジの前で話してるのは、いつもレジに立っている人と、スーツを着た男だった。珍しくあの人が少し苛立ってる様子だ、あの男が中々にしつこいんだろうか。

 

「…では、また伺います」

 

スーツの男はそう言うと、さっさと店の外に出ていってしまった。

 

「…どうしたんだろうね?」

 

「何かトラブルのようですね。店員さんに話を聞いてみましょう」

 

「あぁ、そうするか」

 

ウィスパーにそう言われ、早速レジに向かい、店員さんに声をかけた。

 

「すいません、さっきの…」

 

「あ、やあ、ケイジ君。変なところ見せちゃったね…隣の子は友達かな?」

 

「あ、はい。ユキって言います!」

 

ちなみに今はユキも人間に化けているため、店員さんにもしっかり見えている。…ちょっと?なんだその温かい目は。いや、まだ違うぞ?!

 

「ンンッ…で、今のは?」

 

俺は軽く咳払いし、さっきの件について聞いてみた。

 

「あぁ、建設会社の人だよ。この間から立ち退けってしつこいんだ。なんでもこの辺りにショッピングモールを作りたいらしいんだけど…」

 

「えっ?!じゃあ、このフラワーロード…潰れちゃうの!?」

 

「そりゃあ断るに決まってるじゃないか。でも、困ってることは別にあってね」

 

「別に…?」

 

「立ち退きの話が出てからっていうもの、おかしなことが起きてばかりなんだ。みんなは"おキツネさまが怒ってるんじゃないか"って言ってるよ」

 

おキツネさま、おかしなこと、妖怪の匂いがプンプンするな。あ、ゲロ以下の匂いじゃないぞ。なんて話をしてる場合じゃないか…

 

「おキツネさま、か」

 

「そう。この桜町フラワーロードの守り神であるキツネの神様だよ。ここが潰されちゃったら、神様も住むところがなくなっちゃうからなぁ。 そんなの迷信だって言いたいところだけど、俺もこの前、変なもの見ちゃって…」

 

「変なもの?何々?」

 

「それは…おっと、話し込んじゃったな。あんまり話すと、お客様の迷惑にもなるから、詳しい話は君の学校の理科の先生に聞くといいよ」

 

「俺の?」

 

「あぁ、あの先生、妙にこの事件について詳しいみたいだったからね。さっきうちに来たばっかりだから、まだその辺にいるんじゃないかな」

 

「わかりました、聞いてみます」

 

「ありがとうございました!」

 

「あぁ、またいつでも来てくれよ」

 

俺達は店員さんに軽く手を振り、店の外に出た。

 

「おキツネさま…」

 

「どう考えても妖怪の仕業っぽいですね〜」

 

「しかも、結構強そうだよ?おキツネさまなんて どうするの、ケイジ」

 

「そうだとしても、皆の迷惑には代えられない。本当に怒ってるなら、どうにかして鎮めてもらわないとな」

 

「その通り、まずは話を聞きに行きましょう!」

 

「おー!」

 

――――――――――――――――――

 

それから、理科の先生に話を聞いた。曰く、

ここの立ち退きの話が出てからボヤが起きたり、事故が起きたりしており、どれもまだ大事にはなっていないが、このまま続くならどうなることやら、とのこと。

 

「で、日陰がボヤの現場にいたってことで、聞きに来たんだが…」

 

「なるほど、そういうことだったんだね…」

 

彼の名は日陰マオ、長い髪と眼鏡が特徴の大人しいやつだ。コンビニで買い物をしていたらしい。

 

「あれは僕の身間違いかもしれないけど、誰もいないところから火が出てきて… 建物が燃えたら大変だから、近くにいた大人の人を呼んだんだ。すぐに火は消えたんだけど、あれは何だったんだろう…」

 

「やはり、この裏には妖怪が絡んでそうですね。ケイジ君」

 

「誰もいなかったってところが証拠だな。妖怪は人間の目には見えない… 日陰がそれを見たのは、どこかわかるか?」

 

「えっと、かげむら医院の辺りだけど…」

 

かげむら医院、今は確か使われていない病院で、いかにもお化けが出てきそうな場所として、うちの学校でも噂の場所だ。

 

「なるほど、放ってはおけませんね。そこへ行ってみましょう!」

 

「あぁ、行くぞ。ユキ 日陰も、協力してくれてありがとう」

 

「行こう、ケイジ!」

 

「わかってるよ、急ぐな急ぐな…」

 

先に走って行ってしまったユキを、俺はすぐに追いかけた。にしてもやけにテンション高いな、まぁデートみたいなもんだからか。

 

――――――――――――――――――

 

「お、思ったより怖いね、ここ…」

 

「妖怪なのにビビるのか」

 

「妖怪だって怖いものは怖いもん!」

 

昼間だと言うのに、かげむら医院は如何にもなオーラを放っていた。そもそも、病院は生死の行き交う場所でもある、元々心霊スポットにもなりやすいんだ。

 

「ここが噂のかげむら医院ですね。確かに何かありそうな雰囲気です!」

 

「…!」

 

「うぃす?ケイジ君、どうし…む、むむむむっ!」

 

「…凄い妖気だ、まさか」

 

俺は何となくその気配がしたほうに、妖怪ウォッチの光を当てた。現れたのは…キツネの妖怪だった。黄色の毛並みに、9つの尾…やはりというべきか、"九尾の狐"。妖怪でも最上位の力を持つとされていたはずだ

 

「気に入らない…全く気に入らない。このキュウビ様の縄張りを荒らすなんて、アイツら許しておけないねェ。 僕がおしおきしてやってもいいけど、それじゃ面白くないし…」

 

「あれが、噂のおキツネさまみたいだな」

 

「やっぱり怒ってるんだ…」

 

「そのようですね。元は守り神と言われるだけあって、恐ろしいほどの妖気を感じます!」

 

「あぁ、俺でもすぐに気づけたからな…ッ!?」

 

そんな話をしていると、おキツネさまがこちらを向いた。マズい、隠れれば良かったか…!

 

「さっきからうるさい坊や達だねェ。僕は今虫の居所が悪いんだ、あんまりうるさいと叩き潰すよ。」

 

「ケイジにそんなことさせない…!」

 

「おいユキ、止せ! 力の差を考えろ…!」

 

ユキがいきなり俺を庇うように前に出たので、咄嗟に腕を前に出して止めた。

 

「へぇ、君も妖怪みたいだね。…ま、そう言いたいところなんだけど、今はそれどころじゃないんだ。 夜になったらさくら中央シティにある工場現場においで。遊んであげるよ。勿論、そこのお嬢さんともね それじゃ、バイバーイ!」

 

そう言うと、おキツネさまは紫煙と共にどこかに消えた。

 

「絶対に行こう、ケイジ。 あいつの舐め腐った態度、許せない!!」

 

「そんなに怒ることですか?」

 

「怒るよ!自分の好きな人にあんな態度取られて、怒らない人がどこにいるの! 今日だって、せっかくケイジとデートだったのに…」

 

「埋め合わせはまたするよ。ともかく…負けっぱなしは嫌だな」

 

「えーっと、ケイジ君…?」

 

俺は拳を鳴らしながら、かげむら医院を出た。

 

「まずはあの鼻を叩き折ってやるか。今日の夜出発だぞ、ユキ。しっかり準備しておけ!」

 

「わかった!!」

 

(あ、思ったより癪に障ってたんですね…)

 

この天野ケイジの嫌いなこと、その9。

 

舐めた態度を放っておく。

確かに舐められようが、そいつのことを無視すればいいのかもしれないが、実質負けたようで気に食わない。形がどうであれ、そいつに見直させないと気分が晴れないのだ。

 

どうやら、2度目の夜更かしが始まりそうだ。




天野ケイジ
キュウビが絶対に強いのは認めるけど、それはそれとして自分をあっさり倒せると思ってるのは気に食わない。絶対鼻を叩き折ってやろうと思ってる

ユキ
せっかくのデートを邪魔されてとっても不機嫌。この後なでなでされて事なきを得た。最近、ずっと綺麗なかみどめを持っているらしい。

キュウビ
面白そうだねェ、コイツら…
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