基本妖怪のせいにできる世界に転生したちょっと癖強いサラリーマン(現小学5年生) 作:暇なグリッチ
「よくもやりやがったなテメー!!」
もう立ち上がったのか、先ほど殴り飛ばしたリーゼント妖怪が立ち上がってこちらに襲いかかってきた。
「さっさと来い」
リーゼントによる頭突きを回避し、隙だらけの脇腹に強めの回し蹴りを叩き込む。
「ぐぅっ?!」
なんとか防いだか…さて、その防御もいつまで続くか「モチー!!」
「チッ、もう来たか」
今度は先ほどいなしたモチ妖怪が殴りかかってきた。受け止められなくはないが…こっちは中々の力自慢らしい。腕が少し痺れる。
「だ、大丈夫…?!」
「大丈夫だ。お前はお前のことに集中しろ」
頭巾を被った少女がこちらを心配するが、この程度で負けるなら真正面から殴り飛ばしたりしない。モチ妖怪の腕を掴み、背負い投げで勢いよく地面に叩きつける。
「モチィッ?!」
「どうした、人間の子供一人も倒せないようじゃあ…?!」
突然力が抜け、その場に膝を付く。初めての感覚で何とも言えないが、何者かに生気を吸われているような感覚というべきか。
気配を感じ、後ろを振り向くと先ほどの唇妖怪が膝をついている俺のことを笑っていた。なるほど、あいつか…
「ハハ〜!ちょっと強いだけで調子乗ってるのウケる〜
「ブルァッ!!!」
ほげぇっ?!」
無性に腹が立ったから思いっきり殴り飛ばしてやった。先ほどの倦怠感もない。あいつも完全に気絶しているようだ。
まず一人目。
「わらえ姉!テメー!もう許さねぇぞ!」
「2人でやれば余裕だモチー!!」
そう言うと、若干自棄気味に2人で同時に殴りかかってきた。
ドンドン近づいてくるが、まだ早い。 まだだ、まだ、まだ…
「…オラァッ!!」
「ぐげぇーっ?!/モチィィィィ?!」
そして近づいてきた途端、回し蹴りで2人を蹴り飛ばし、仲良く壁までぶっ飛ばす。…気絶したか。正直まだ殴り足りないが、ここまでにしておいてやろう。
「…強いんだね、貴方」
「まぁな、鍛えてますから」
そう言い手首を回して敬礼のような仕草をする。ちょっと例の仮面ライダー*1を真似してみた。あの他のライダーにないリアルなガチガチの鍛錬みたいな鍛え方しているのが好きなんだよな。不思議な力とかではなく、本当に鍛えたものだけが鬼になれると言う設定も好きだ。
「…ねぇっ、私と
「なぁ、俺と友達になってくれないか?」
えっ?!」
彼女がそんな素っ頓狂な声をあげて目を見開く。マズいな、何か話そうとしてたのに…
「あぁ悪い。俺の話はいいからそっちの話を続けてくれないか?」
「えっと、私も友達になろうって言うつもりだったんだけど…」
「…何?」
こいつは驚いた。今から説得するために30パターンくらい会話を用意していたんだが…どうやら無駄だったらしい。
「駄目だったかな…」
「あぁいや、勿論だ。友達になろう」
「…! うん!」
そしてお互いに腕を出し、光が放たれ妖怪メダルが現れた。
「私、ゆきおんな。よろしくね!」
「天野ケイジだ、よろしく頼む」
雪女、か…そういやそんな妖怪がいたな。妖怪ウォッチ内でも人気だったらしいが…
「?」
なるほど、と首を傾げる彼女を見てそう思う。確かにこれは人気が出る。この世界では真っ当すぎるくらいに"萌え"だ。シンプルに可愛い。
「ところでケイジって…何歳なの?」
「10だ」
「10?!も、もっと上だと思ってた…」
まぁその言い分もわかる。俺はクラスと言うか学年でも背は高い方だ。よく6年生とか中学生に間違われることがある。まぁ変に子供扱いされるよりかはいいが…
「それで、少し俺の話を聞いてほしいんだが。いいか?」
「うん!いいよ!」
かくかくしかじか…
「なるほど、その妖怪を追い払えばいいんだね」
「あぁ、なんならボッコボコにしてくれても構わん」
「それは酷くない…
「酷くない」
う、うん…」
俺のプライベートを邪魔したんだ。本来なら死あるのみなところをそれはそれは寛大な心で俺達が勝ったら出ていってくれで許してやってるのだ。感謝してほしい。
「…ところで、さっきの奴らになんでやり返さなかった?」
「っ…」
そう言うと彼女が目を逸らす。妖怪なら戦えないってわけではないだろう。普通に戦うのが嫌なのか、それとも他に何か理由があるんだろうか
「…怖いの。皆を見境なく凍らせちゃいそうで」
「…力が制御できないのか?」
「うん。なかなか上手く操れないの…」
なるほど、そういう事情だったか。別にあんなチンピラ共は凍らせれば良いだろと思うが、凍らせなかったあたり彼女は優しいのだろう。
「もしかしたら、その妖怪も凍らせちゃうかも
「あぁそれは喜んで」
結構酷いよねケイジって…」
なんだその目は。「妖怪よりも血も涙もないやつ」を見るような目は。
「…今は抑えられなくてもいいだろ」
「…?」
「俺がさっき戦ってたの、見ただろ?」
「うん、見てたよ。凄く強くてビックリしたけど」
「あれはな、俺が普段から毎日鍛えてるからあそこまで戦えてるんだ。数ヶ月前まで俺は腕立て伏せも十数回が限界のヒョロガリだった」
「そうなの?!」
そんなに驚くことだろうか。まぁ俺の鍛え方は実戦を考えてのことでやっているからそこら辺のとは訳が違うのは自覚しているが。
「あぁ、つまりな。努力すれば大抵のことはできるはずだ。俺ができたなら、人間よりももっといろんな事ができるお前みたいな妖怪のほうがよっぽど多くのことができるはずだ。 そう考えたら、妖術の制御程度、できそうだとは思わないか?」
「…」
「まぁ、次の戦いで使うかどうかはお前が決めろ。俺は無理強いはしない」
「…わかった。ちょっと考えてみるね」
「あぁ、楽しみにしているぞ」
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「全然駄目でしたでうぃす…」
「トホホ…ごめんなさい…」
「いや、大丈夫だ。よくやってくれた」
こっちはゆきおんなと友達になることができたが、どうやら二人は駄目だったらしい。中々説得に応じてくれる妖怪がいないんだとか。まぁ妖怪って気ままそうだしな。
「どうする?もう行くか?」
「うぅむ、後もう1人くらいは欲しいですが…おやっ?」
そんな事を話していると、妖怪ウォッチが反応し始めた。まぁまぁ強めの反応だ。
「むむっ!どうやら魚屋の方からの反応のようです!行ってみましょう!」
「らしいな。行くぞ。ホル、それと…あ、お前にもニックネームつけるか」
「いいの?!」
「いつまでもゆきおんな呼びではな」
さて、どうするか…ホルの時は凝ったから、今回はシンプルに行こう。
「ユキ、でどうだ?シンプルな感じで行ってみた」
「うん!ユキだね、わかった!」
「よし、じゃあ行くぞ。ホル。ユキ」
「う、うん…」
「はーい!」
そして俺達は、反応のある魚屋まで走り出した。
次回、地縛霊!
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みんなが思っている以上に元気もらってるぜ!こっちは!