東方骸骨録   作:饅頭こわよ

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モモンガの姿と声優をググるとより楽しめる⋯⋯かもしれない。




博麗霊夢との出会い

「ん?」

 

違和感に気づいたのはすぐだった。

ログアウトができない。運営のバグかと思ってメッセージを送ろうとコマンドを⋯⋯開けない。

サーバーエラー?よりによってこんな時に?舌打ちを一つ零して辺りを見渡し、あることに気づいた。

 

「あれ?ギルドの拠点から移転してる?グレーターテレポーテーションは使ってないはずだが⋯⋯」

 

さらに青臭い匂いに遅れて気づく。

 

「というか、ここって森だよな?このゲームに嗅覚を刺激するシステムはないぞ?」

 

分からない。何もかもが分からない。視覚に異常は無し。身体は骸骨のままだから、ユグドラシルにログインしている状態のはず。

 

「ゲームじゃないわよ」

「は?」

 

上空から声の少女がして、素っ頓狂な声をあげてしまう。ゲームじゃない?じゃあなぜ人間が空を飛んでいるんだ?最後の最後で隠しギミックに出会っちまったか?

 

「だから、ゲームじゃないって。もしかしてアンタ?博麗大結界をぶっ壊して現れた侵入者って」

 

はくれい、だい⋯⋯知らない単語だ。ユグドラシルにそれに関するような地名やNPCなんて居ないはず。

というか侵入者ってなんだよ、侵入者って。明らかに敵対視されている。プレイヤー?NPC?本当に人間?か分からないがとりあえず話し合ってみよう。

 

「待ってくれ。俺の名前は⋯⋯あー、うん。モモンガ。アインズ・ウール・ゴウンのギルドマスターだ。そこの君、まずは名前を聞きたい」

「モモンガぁ?あいんずうるごん?ぎる⋯⋯あぁもう!とりあえず、妖怪は黙って退治されなさい!」

 

お行儀悪くお祓い棒?で俺を指して、交渉決裂。自分で言うのもなんだが、俺の所属していたアインズ・ウール・ゴウンというギルドはユグドラシルで随一の悪名を誇っていた。それに反応しないということは、NPCか。

⋯⋯だが、どうにも彼女のどこまでも人間らしい動きに違和感を感じる。そして、なぜHPバーが表示されない?もしかすると⋯⋯

 

「霊符・夢想封印っ!!」

「悪いが抵抗するぞ!魔法三重最強化・魔法の矢!!」

 

多量の陰陽玉が俺を襲い、それを魔法で軽くいなす⋯⋯はずだったが、少女の外見からは予想を上回る威力の技であったため、全力で応戦することになってしまった。

⋯⋯強い。俺を舐めた、明らか手を抜いた技だった。そんな技だったが、それでも威力は申し分ない。まともに喰らえば属性関係も相まって大ダメージは免れない。

 

「きゃあっ!⋯⋯アンタ、何者!?いや妖怪なんだろうけど、大妖怪⋯⋯下手したら紫以上よ?」

 

そして向こうも俺の強さが測れたのだろう。先程の雰囲気とはうって変わって、獲物を本気で殺す鋭いものへと変貌している。

両者とも実力は分かっただろう。潮時だ。これ以上は争っても意味が無い。

 

「俺にこの場所を侵入する意図は無かった!もし癪に触れたのだとしたら申し訳ない!この通りだ!だから、君がNPCではないと言うのなら俺の謝罪を受け入れて欲しい!」

 

ようやく、彼女は俺に敵意が無いと言うことに気がついたようだ。お祓い棒を降ろすと、空から地上へと降りてくれた。

 

「さっきから私の知らない言葉ばっかり⋯⋯まあ、あんたに敵意がない乃ち幻想郷を侵略しないのならいいわ。私の名前は博麗霊夢。人間よ?」

「霊夢、か⋯⋯ふむ」

 

知らない名前だ。ユグドラシルに出てくるNPCの名前は大体覚えてその対処法まで把握しているが、暗記漏れか?

いいや、そんなことはない。受け入れ難いようだが、そろそろ受け止めなくてはならないようだ。

 

「霊夢⋯⋯。君は、ユグドラシルというゲームを知っているか?」

「はあ?何それ知らないわよ。ゲームなんてメンコとか鬼ごっことかじゃないの?」

「そうか、知らないか。⋯⋯どうやら俺は迷子になってしまったらしい。申し訳ないが、とりあえず君の家まで案内してくれないか?折角だし、この土地を探検してみたいんだ」

「探検⋯⋯って言えるほど面白いものはあまり無いわよ?まあいいわ。とりあえず私の神社に行くわよ。飛べる?」

「そのはずだ。飛行フライ

 

そう唱えると、身体が宙に浮いた。どうやら、魔法自体はユグドラシルから変わらないようだ。

未だに状況の整理がつかないが、今は情報収集に徹しよう。もしかしたら何か糸口が見つかるかもしれない。

回れ右をして進む彼女に着いていく。

 

⋯⋯なるほど。たしかにここはユグドラシルとは似て非なるフィールド、いや現実か。

自然の青臭い匂い、太陽のポカポカとした陽気、そして地上からねっとりと絡みつくような視線の数々。おそらく、あれらがこの世界の住人か。

 

「ここはどのような奴らが住んでいるんだ?」

「あー?まあ、色々いるわよ。私みたいな人間、魔法使い、妖精、カッパ、天狗、吸血鬼、神⋯⋯。あげればキリが無いわ」

「ふむ。なるほど。ちなみに聞くが、君⋯⋯霊夢はその中で自分はどのくらい強いと思っている?」

「⋯⋯そんなこと考えたことがないのだけれど。でも、それなりにやれると思うわ」

 

その強さでそれなりか。さっきの戦闘の感触だと、俺≦霊夢だったからあまりこの世界の住人を刺激しない方がいいのかもしれない。

⋯⋯いや、たしかにゲーム時代の俺も戦闘力自体は中の下くらいだったけどさ。

 

「ちなみに、先程の技の⋯⋯なんだったか。夢想封印?だったか。あれは何なんだ?」

「私のスペルカード。つまり、あなたの使った魔法みたいなものよ。ここではスペルカードと弾幕を用いて戦うのが普通よ」

 

ふむ、スペルカードと弾幕。興味深い。今度暇があればやり方を教えてもらおう。

 

「⋯⋯さて、博麗神社に着いたわ。そろそろ紫が来てもいい頃合なのだけれど、アンタ着替えたら?」

「え?ああ、そうか。この装備は少々文化的によろしくないとか?」

「そういうわけじゃないのだけれど⋯⋯あんまりここで目立ってもいいことは無いわよ。変に絡むやつが増えるし、鬱陶しいだけだし」

 

へー、だから飛んでいる時に注目されていたのか。それじゃあ初期装備にでもしておこうか。少々不用心な気もするが、今は霊夢に従っておくとしよう。

それに、お偉いさんと会う時に敵対する気は無いという意思表示にもなるしな。

 






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