電光丸を抜いて構えようとした刹那、強力な力で電光丸が弾かれ、四次元ポケットを飛び出して蛮竜が現れるも私は重さに耐えきれず、地面に前のめりにバランスを崩して転んでしまう。
「な、なんで蛮竜が?」
「命ッ、前を見ろ!!」
「ひゃあっ!?」
慌てて目の前に現れた漫画や童話に登場する古典的な中国人を模造した
───刹那、羽毛のように軽く蛮竜が浮いた。
使い方も戦い方も分かる。これなら何だって出来るという気持ちが汲み上げそうになり、蛮竜を振って動きを確かめていた瞬間、空気の掠れる音が聴こえて、大鉾を無造作に払い薙ぐ。
「中々、やるな」
「わ、私じゃないです!」
そう言って否定するも私の身体は蛮竜を自由に負担を掛けず、最適の動きを行い、自然と攻撃を繰り出しながら木々を伐採し、草を薙ぎ払ってしまった。
「流石は蛮竜だね。あたしも百年ぶりに見たがじゃじゃ馬なところは変わりもしていない」
「ひいっ、ひぃ、げほっ、ゔぇ…!」
感心するルシールおばあさんに何か言いたいのに、だんだんと息が乱れて、ものすごく喜んでいる以外に何も分からない蛮竜を地面に突き刺して押さえる。
こ、こんなものを叔母様は使っていたんですか?
「ご、ごりらさん…!」
「命、そのデカブツをぶん投げろ!」
「え、えぇ!?」
鳴海お兄さんの無茶苦茶な言葉に不安になりながらも蛮竜を身体を回転させて真上に放り投げた刹那、鳴海お兄さんも飛び上がって蛮竜の刀身に逆さまで着地し、蛮竜を足場に何かに蹴りを叩き込んだ。
「ば、ばかなァ……?!」
「馬鹿はテメェだぜ、
「鳴海、お前は…」
どこか悔しそうに鳴海お兄さんを見つめる王さんに小首を傾げながらルシールおばあさんと梁さんのほうに振り返ると「男にはプライドがある」と教えてくれた。
プライド。
私にもあるのでしょうか、プライド。
「……まあ、人形がどうのは見たら分かったわ」
「こんなのを見たら信じますね」
そう言って話す二人にほうっと安堵する。
しかし、このまま二人を連れて行って大丈夫なのだろうかと悩みつつ、私の足元にやって来たワンちゃんに袖を噛まれ、フラフラとしながら蛮竜を引きずって歩く。
「も、戻すから待って下さい」
「犬には敬語じゃなくても良いだろ」
「でも、しろがねなら年上ですし……」
私は蛮竜を四次元ポケットに戻しながら、そう鳴海お兄さんに伝える。