あの後、私達は鳴海お兄さんの先生を連れて帰ることが出来た。梁さんも王さんも嬉しそうに笑っていたけど、鳴海お兄さんの先生は「
自爆。自分の命と引き換えに「柔らかい石」を守ろうとしたけれど。私がパンタローネと戦って邪魔をしたから爆弾を拵えた意味がなくなったそうです。
「鳴海、善き兄をしているな」
「はっ、いや……」
「悩んだのならまた訪ねると良い、お前の味方だ」
そう言って先生は笑っていた。
なんだか嬉しそうに笑っている鳴海お兄さんを見ていると大事なお兄ちゃんを取られてしまったような気もします。でも、私は出来る女なので我慢できます!
フンスと胸を張って自分の事を褒めつつ、ルシールおばあさんに次の目的地を訪ねるも教えてくれず、私はワンちゃんの毛並みを整えていた。
ブラッシング用のブラシを買いたいんですが、どこに売っているのだろう?と小首を傾げつつ、グルメンを食べるワンちゃんの頭を撫でてあげる。
「ミコト、あまり食べさせるでないよ」
「?はい」
「元々は野生に生きていたんだ。そんなに大量の食事を取ったら、しろがねでも体調を崩すからね」
その言葉に納得しながら発明品を使ってノミや変な虫は一斉除去しているので何も問題ないですが、それもダメだったのかな?
「犬。パンタローネの腕を拾ったんだ、アンタなら匂いで追えるだろう」
「わあっ!すごいですよ、ワンちゃん!」
「……全くお前と居ると調子が狂うね」
「そうですか?私はルシールおばあさんの笑顔は綺麗でとっても大好きですよ?」
「あんたがウソを言えないのは知っているが、そうやって素直に言っていたら悪い男に唆されるよ?」
「大丈夫です♪︎私は阿紫花のお兄さんが好きなので」
そう言うと後ろの方でものすごく怖い気配を感じるものの、怖いので振り返らずにルシールおばあさんと一緒にワンちゃんの毛並みを整える。
「あんな薄情な男は止めとけ」
「むう、鳴海お兄さんも親しいのに」
「どこがだよ!?」
私の呟きに鳴海お兄さんはビックリしたように叫び、ルシールおばあさん達はそんな鳴海お兄さんの反応に笑っているけど。
阿紫花のお兄さんは私の全部を受け取ると言ってくれました。そんな人が簡単に諦めるとは思えませんし、なにか大変な事になっているはずです。
「まあ、なんでも良いさ。あたし達は人形を壊す、あんたは自分の信じた相手を待っておやり」
「はいっ」
やっぱり、ルシールおばあさんはいい人です。