【完結】からくりと踊り謡う薄命の花   作:SUN'S

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真夜中の天幕 急

薄暗い天幕の中を進む唐倶利武者の両目は暗所でも戦えるように特殊なレンズを使用しているため、彼の背中に乗っているは間、私は自動人形(オートマータ)の不意打ちに怯える必要も暗闇を怖がる必要もない。

 

「姫君、御下がりを」

 

「……いいえ、私も戦えます」

 

バショー扇を開いて電光丸を抜こうとした右手に別の柄、蛮竜の柄が当たり、また勝手に四次元ポケットの中で暴れたのかと溜め息を吐きつつ、ゆっくりと引き抜いて構えた瞬間、蛮竜の刀身が淡く光る。

 

私の視界を照らしてくれているのかな?と思いながら重さを感じない蛮竜を両手で握り、バショー扇と電光丸は帯に差しておき、いつでも使えるように準備だけ、絶対に無くさないようにしている。

 

「人間だ」「見覚えのある顔だ」「いとき、いとしきだ!」「人形の作り手だ」「ついに帰ってきたんだ」と私を眺めたまま喋っている。

 

人形の作り手。

 

───つまり、人形の製造法を知っている?

 

でも、大百科には自動人形(オートマータ)を製造する方法なんて載っていないし、彼らの言っている事も分からないまま通路を進んでいくと、広い場所に出た。

 

「アルレッキーノ…」

 

「改めて言おう。久しく思うぞ、糸色命」

 

「そうですか」

 

ぐるりと遠心力を利用して蛮竜を担ぎ上げる。重たいけど、私の力でも持てるぐらいにこの子も制御を手伝ってくれている。だったら、それに応えるのは私だ。

 

いつでも戦えるようにするけれど。アルレッキーノの視線は唐倶利武者に向かい、リュートを握り締める手の力が強まっている気がする。

 

「唐倶利武者、貴様との再戦だ」

 

「良かろう。姫君、此処は某に」

 

「……分かりました」

 

───二人の言葉に頷き、私は蛮竜を地面に突き立て、バショー扇を地面に並べ、電光丸を置き、ゆっくりと着物の裾を整えて、その場に正座して、完全に武器も持っていない姿になる。

 

「唐倶利武者、勝ちなさい。私の命を預けます」

 

「御意ッ!!」

 

「相も変わらず、お前達は猛るな…!」

 

その言葉を皮切りに唐倶利武者は刀を引き抜き、アルレッキーノは右手を突きだし、火炎を放つ。しかし、唐倶利武者のボディは車輪をひねり、丸を描く横一文字の回転斬りで火炎を切り裂く。

 

鋼鉄を溶かす火炎を振り払い、唐倶利武者の刀とリュートは衝突し、早く速く疾く迅く二人の攻防は続く。人形ゆえにスタミナは尽きること無く、有限の果てに辿り着ける速度ではない。

 

まるで、お互いの成長を確かめるように唐倶利武者もアルレッキーノも武器を交える。

 

 

 

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