私は発明品の『パラシュート傘』を使って、銀色の疑似体液やしろがね達の血の混ざった液体の滴り落ちる大きな穴に向かって飛び降りる。
ふわり、ふわり、と揺れて降りていく。
飛行機や車だと酔うけれど。乗っていないから酔わずに済んでいるのでしょうか?と疑問を抱きつつ、明るくなり始めた足元を見つめる。
千人か万人はいた「しろがね」達は鳴海お兄さんを含めて十数名程度しか居らず、まさか全滅したのかと不安に思いながら降りていたとき、鳴海お兄さんが私の気配を感じ取ったのか。
ふつうに見上げてきた。
「命ッ、無事だったのか!?」
「み、見上げないで下さい!」
ささっと足を畳んでお尻を隠すと慌てて視線を逸らして貰えたものの、鳴海お兄さんの声に釣られて何人かにお尻を見られました。着物越しでも女の子はお尻を見られるのは、恥ずかしいんですからね。
そう心の中で少しだけ不満を言いつつ、ゆっくりと地面に着地すると唐倶利武者に着いていく前に視線を向けてきた人ばかりだった。
「命、アルレッキーノはどうした?」
「アルレッキーノは、無事に唐倶利武者が倒してくれました。ただ、私を狙っていた理由は聞くことは出来ませんでしたけど」
「大方、フランシーヌ人形に捧げるためだろうぜ。日本人の血は美味いとか言っている
カランとグラスに入った氷を鳴らすと同時に聴こえてきた低く力強い声の方に視線を向けると、素敵なお髭のおじ様がカウンター席に座っていた。
「テメェ…!」
「大丈夫ですよ、鳴海お兄さん」
怒ろうとする鳴海お兄さんを静止して、カウンター席に腰掛けているお髭のおじ様の隣まで移動し、ストンと私の腰より高い椅子に座って彼を見据える。
「…………………………ッ、悪かったよ」
「はい、許します♪︎」
「ルシール、このガキなんなんだ?」
「才賀命、しろがねの人形を作っていた一族の末娘で、糸色景の曾孫か玄孫辺りの子だよ」
その言葉を聞いた全員の視線がまた集まり、私に怖いことを言っていたお髭のおじ様も何だか戸惑ったように私の事を見つめています。
「まさか糸色が俺達に付いたのか?」
「少なくともミコトは味方さね。だが、あまり無茶させるんじゃないよ、心臓が弱いからね」
ルシールおばあさんの言葉は私を気遣っての台詞なのでしょうが、梁さんには伝えていなかったからビックリしたよう目を見開く。
「えと、あはは……」
「アハハじゃねえよ。ったく、忘れてたろ」
「あ、すみません」
シャカシャカと吸入器を振って私の口許に差し出してくれた鳴海お兄さんにお礼を言いながら、噴き出すお薬を飲んでしまう。