「全く派手な登場をするのは構わないが、こちら側に立っている私達の事を気遣ってくれないかね?」
そう言うと外套の埃を払い落とすフェイスレスの傍に座っているワンちゃんを見つけ、グルメンを差し出してあげると美味しそうに食べ始める。
フフ、やっぱり動物は可愛いですね。
「フェイスレス司令、ご無事で!」
「嗚呼、リィナ達も無事だったようだね。私の方は彼らの一斉掃射を受ける前だったから助かった。流石に犬君とコーフを庇って戦うには骨が折れる」
サングラスを掛けたままニコニコと笑うフェイスレスの後ろには肩と足を撃ち抜かれたリィナさんと同じしろがねOの人が倒れ込んでいた。
「命、見てやってくれ」
「はい」
「ぐっ、オレはまだ戦える」
「えぇ、分かっています」
苦悶の表情を浮かべるコーフと呼ばれた彼の傷口に『癒やしの力』───ううん、『並行世界の転写』を行って傷付いてなかった状態に移し替える。しかし、私の力は弱くて瞬時に治す事は出来ない。
だから発明品『メカ救急箱』に納めているプラ軟膏とポリ包帯を巻き、痛みを和らげて回復を促す事に行為を変える私の事をフェイスレスが見つめていた。
「今の軟膏剤は金属分子を増殖させる効果があるようだね。しろがねOにとって最適の発明品と言える。コーフを助けてくれてありがとう」
「……いえ、大丈夫です」
「では、僕もミコトとナルミ君の疑う眼差しを払拭するために本気を出すとしよう」
緩やかに歩み出したかと思った次の瞬間、瞬きをする一瞬の間に二十体以上は存在していた銃と一体化した
これが、『分解』のフェイスレス……?
「────僕はしろがねOの生みの親で、現代の錬金術にして科学の練達者。
「今のが、分解のフェイスレスってやつか」
「おや?知っていたのかね」
工具を外套の中に戻すフェイスレスを見る。鳴海お兄さんや他の人は気付いていないのだろうか、この人は今人形を全て分解していたんですよ?
不意打ち以外の攻撃なら、このコーフという人が怪我をする前に確実に倒せていた筈なのに彼は鳴海お兄さんや私達の到着を待っているかのように────。
いえ、これは考えすぎですね。
「リィナ、コーフ、ロッケンフィールド、君達は先に行ってフランシーヌ人形を破壊するんだ。僕は少しナルミ君やミコト君とやることがあるからね」
思わず、その言葉に小首を傾げる。