ルシールおばあさんを看取る私達の悲しみや辛さなど微塵も配慮せずに攻撃を仕掛けてきた人形を鳴海お兄さん達が殴り、懸糸傀儡で破壊した。
アンジェリーナ人形の言葉に従わず、私達に襲い掛かってきた
しかし、ルシールおばあさんに『癒やしの力』を使い続けてしまったせいか。血を吐いて、ヒュウ、ヒュウ、と掠れた呼吸を繰り返す。
「命、雷撃を出せ」
「はいっ!」
私は巓ちゃんの言葉に従って、蛮竜を振りかぶるように構えて青白い雷撃を放つ。その雷撃を薙刀で受け止めた巓ちゃんの髪の毛が真っ白に染まる。
チリチリと腔内に青白い雷光を溜める。
そして、そのまま蓄えた雷光を撃った。
「昔には遠く及ばぬな……」
そう言って口許を袖で隠す巓ちゃんのカッコいいのに可愛い姿にドキドキしてしまいます。私も巓ちゃんみたいにしたいと思うものの、やり方が分からず、どうしたらいいのだろうかと悩む。
「お嬢さん、考え事は後でしましょうや」
「えぇ、そうします!」
次郎丸で私の事を守ってくれる阿紫花のお兄さんの言葉を肯定し、蛮竜の思うがままに攻撃を繰り返していたそのとき、ドクンッ…!とまた鼓動が聴こえてきた。
蛮竜の刀身が熱を帯びていく。
確か糸色家の血筋に使える伝統的な蛮竜の技があった筈ですが、ひょっとして蛮竜は本当に私の事を主と認めてくれているのでしょうか?
そう嬉しさと不安を抱きつつ、私は蛮竜を野球のバッターのように振りかぶるように構える。着物を着ているから素足が出てしまい、少し恥ずかしいけど。
「熱風ぅ…!!」
────熱くて苦しい暴風が吹き荒れ、私達に迫り来ていた
やっぱり、私の身体じゃ保てないッ…!
「全く、不甲斐なさすぎるぞ。糸色景の血を引いているのならこの程度の事で臆するな」
私の持つ蛮竜を掴んだ巓ちゃんは全身に青白い雷撃を纏い、雰囲気がいつもより鋭く変化し、髪の上にキツネの耳や、尾てい骨の辺りに尻尾が生える。
「風の傷」
事も無げに振るわれた大鉾が地面を抉り、部屋の一角を丸ごとくり貫き、全員の視線が巓ちゃんに集まっている。やっぱり、巓ちゃんは強くてカッコいいです。
「平助、呆けるなら後でだ」
「お、おう。マジもんの蛮竜だったのか」
まじもんとは?