【完結】からくりと踊り謡う薄命の花   作:SUN'S

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軋轢の生じる転送 破

暫くして連れてこられた才賀勝は「生命の水(アクア・ウイタエ)」という人間の老化を極限まで抑え込み、治癒能力を向上させる液体を無理やり飲まされた。

 

そこから語られたディーン・メーストルという男の一生。そして、才賀貞義という男の狂気じみた計画と妄執的な一直線の愛情の澱みに嫌悪を示す。

 

いや、白面の者(かつての私)は好んで利用していた手段の一つだ。他者を引き合わせて絶望を生み出し、その負の感情を喰らう。大妖怪たる我が好んでしていた食事の方法にもよく似ているものだった。

 

「(……?ディーン・メーストルと才賀貞義の話だと言うのに何処か違和感がある。いや、そもそも才賀の話す言葉が別の人間に変わっているのか)」

 

「待て、お前は誰だ?!」

 

白金(パイ ジン)

 

その言葉を才賀勝が発したその時、強烈な殺気と共に駆け出してきた茄子のように髪の毛を固めた男の抜き手を髪の毛で締め上げるも髪が溶ける痛みに素早く髪の溶解が拡がる前に切り落とす。

 

緩やかに妖気を吸い上げて髪の毛は伸びるが、霊気を込めたものを混ぜられていたのか。いつもより髪の毛の再生が遅く、白髪の部位も短い。

 

全く順番が狂うじゃないか(・・・・・・・・・・・・)

 

「おと、さん?」

 

「そうだよ。勝、お父さんだ♪︎」

 

ギイィィッ…!と皮膚が伸びて変形を繰り返す。

 

糸色家の諜報機関である御庭番衆の中に変装を得意とするヤツもいるが、むしろ此方は変装(・・)というよりも、どちらかといえば変身(・・)と言うべき変化だ。

 

「あるときは『しろがね』ディーン・メーストルとして、又あるときは才賀グループの社長『才賀貞義』として、そして、あるときは『しろがねO』のフェイスレス司令官として───」

 

コツリ、コツリ、と靴底を鳴らす。

 

「しかして、その正体は自動人形(オートマータ)の創造主にして現代科学の熟達者、白金(パイ ジン)その人である。さて、自己紹介は済んだことだ。僕の大事な身体を返してもらおうか?」

 

「生憎、お前に渡す身体は無い」

 

「糸色巓、天幕では予期せぬ登場だった。お前さえ来なければ楽に糸色家の命運を絶つことが出来たんだがな?尤も君はどちらかと言えば僕に近しいね」

 

「フン。矮小な人間が囀ずるな」

 

このまま噛み砕いてやろうか?と言葉を発そうとした刹那、銀色の煙が周囲を巻き込んできた。ゾナハ病の発生源なのは知っている。

 

しかし、私にゾナハ病は効かない。

 

「やっぱり効かないか」

 

それは、当然の結果だろうな。

 

「───だけど。髪は抑えた」

 

「なにっ?!」

 

迫り来る才賀貞義───いや、フェイスレスの攻撃を防ぐ盾を失った事実に僅かに焦りを感じる。だが、その焦りを黒い人形と、黒い男が打ち砕いた。

 

「悪い、遅くなった」

 

「全く安全運転を心掛けてほしいね」

 

黒賀平助と、男のしろがねだ。

 

 

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