【完結】からくりと踊り謡う薄命の花   作:SUN'S

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命ちゃん視点に戻ります。




二年間編
従姉妹の関係 序


巓ちゃんに励まして貰ったけれど。やっぱり私は不安に思うことばかりで、鳴海お兄さんを支えると決めたのにお父様とお母様の居る屋敷に戻って来ている。

 

私に出来ることは続ける。

 

しかし、私の気持ちでは鳴海お兄さんの感情を留めることは出来ない。しろがねさんじゃないと、鳴海お兄さんを人に留めるのは無理だ。

 

その事に巓ちゃんは気付いているから、私のところにやって来て色々と手伝ってくれる。シャカシャカと吸入器を軽く振って薬を吸い込み、マスクとゴーグルを身に付けて工作に戻る。

 

「忍者の技術など必要になるのか?」

 

自動人形(オートマータ)と違って、フェイスレスの率いるO達は完全機械化を遂げた人間です。彼らに『見る』という工程は存在しません」

 

「確かに、私の髪を見るものはいなかったか」

 

「この五トン忍シュリケンの開発は重要です。五行思想を利用した自然現象の再現化を落とし込めるプログラム。中々に興味深く、お母様にお仕えする伊賀崎流の方々の使用する忍法も此方です」

 

そう言って私は銀色のプログラムを入力したばかりで何も効果を発揮しない五トン忍シュリケンを見つめる。左手首に装着するブレスレット型の『チェンジャー』という変身忍具を媒介に発動する。

 

疾風流のジャイロ機構と組み合わせて使えば相応の変化を行えるでしょうけど。どちらにせよ、この力を悪用しようと考えは無いです。

 

「命、使えるのか?」

 

「一応、火トンと金トンは使えます」

 

「しかし、どう使うんだ」

 

ブレスレットは作っていないので使う場合は手で一つずつ回転させるのが手っ取り早いんですが、巓ちゃんはそんなことはしませんよね。

 

それに、フェイスレスは二年後に攻めると勝君に宣言したと聴いています。なら、せめて彼らの役に立つ発明品を少しでも多く作らないといけない。

 

「蛮竜を使えるようになれ」

 

「…………無理ですよ、アレを持ったときに分かったんです。アレを扱える資格は有していても私には使えない。あの子はほとんど力を抑え込んでいた」

 

私の呼び掛けに答えるし、使える。それでも私には蛮竜が本来のスペックを引き出したときに耐え得る肉体をしていない。例え使えても一度だけ……。

 

そのときは私が死ぬことになります。

 

「ねえ、巓ちゃんは勝てると思いますか?」

 

「十年以上前、日本は滅亡寸前まで追い詰められたことがある。そのときに最前線で戦っていたのは糸色妙と糸色類の二人だ」

 

「……じゃあ、私達と同じなんですね」

 

「そうだな」

 

フフ、なんだか大丈夫な気がして来ました。

 

 

 

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