無事?に私と英良さんの結婚は許して貰えましたけど。「プラトニックな清く正しい恋仲を続けるように」と英良さんのご家族は必死に言っていましたね。
とても不思議です。
そう思いながらシャカシャカと吸入器を振ってお薬を飲み、ほんのりと月明かりに照らされて見える夜の景色を眺めていると二つの人影を見つけました。
「(巓ちゃんと黒賀さんでしょうか?)」
暗くても見える発明品はあるけど。もしもデートだったら申し訳ないですし、ちょっぴり悪いことをしてしまっているという罪悪感もある。
そうっと視線を逸らした瞬間、私の手に白と黒の髪の毛が巻き付き、すぐに離れてしまった。やっぱり巓ちゃんだったようですね。
フフ、夜のデートなんてすごいなあ。
私ももう少しだけ大きくて大人びていたら英良さんと一緒に夜のデートを楽しめるのだろうか?と小首を傾げつつ、勝君と平馬君の騒ぐ声にビクリと身体を震わせる。
一体、何を言い争っているのかな?
「お嬢さん、行っちゃダメですぜ」
「ひゃあっ!?え、英良さん、脅かさないでください」
のっそりと窓枠を越えてお借りしている部屋に入ってきたスーツとロングコートを脱いだ英良さんにドキドキしながら、そう怒ってみるものの。
あまり効果は無いようです。
「えと、何かご用でしょうか?」
「ちょっとしたお話をしに来やした。お嬢さんはまだお酒が飲めませんで、お茶を持ってきたんで一緒に飲みやしょうか?」
「わあ、アップルティーですね♪︎」
でも、初めて見る銘柄です。
どこのものなんでしょうか?と聞けば「ははあ、流石はお嬢さんですね。まさか市販品も初見とは、社長さんは随分と過保護にしていたようで」
確かに、お父様はいつも私とお母様を大切に想ってくれる優しくて強くてカッコいい人です。たまにお母様に内緒で、こっそりとイチゴ狩りやイチゴゼリーを食べたりしますけど。
それにしても、どうしてお母様はお父様がイチゴを食べていると苦笑を浮かべているか未だに教えて貰えていません。とても気になります。
「…フフ、美味しいです」
「ソイツは良かった」
にこりと笑う英良さんと一緒に綺麗な夜空を眺めながら、のんびりとお話をする。現在、生き残ったしろがねと、裏切られたしろがねO達の連盟はフェイスレス打倒のために組織を再編成しているそうです。
そこに技術者として私の名前も加わり、団結力を高めることに今は方針を切り替えているらしく、ラローシュさん達もゾナハ病の研究施設の警備に当たっている。