勝君の使い魔として傍に居る幻獣「グリフォン」の事を模造して作った
「はい。もう大丈夫ですよ」
「ヘヘ、ありがとうな」
「良いんですよ、私が好きでやっているから」
嬉しそうに動かしやすくなった羽根を揺らして浮遊するグリュポン君の事を見つめる。彼の体格を考えると浮遊する際に掛かる負荷は相当な物なのでしょうけど。
しかし、その負荷はほぼ皆無に等しい。
彼の翼の付け根に付属している機械は大百科に載っていた「空中浮輪」と酷似していて、どこかで盗み見たか何かしら知る手段があったと考えるべきですね。
私も魔法使いみたいに使い魔を作ってみたいと思ったりするものの、いきなり機巧人形を増やして当たり前のように扱うには、時間を使ってしまう。
「グリポン君!」
「マスター、見てよ!羽根が綺麗になったんだぜ!」
「すごくカッコいいよ!」
そう言って笑う二人に微笑みを向け、この子達は大百科を見ている訳じゃないから問題ないですねと安心する。ただ、やはり何かしら覗いているのは事実です。
「アシハナさんは?」
「お義父様とお話しだそうです」
「そうなんだ。ねえ、ミコトさんはやることが増えたらどうするの?」
「やりたいことが増えたら……そうですね、どちらかを選ばずに誰かを頼ります。同じ目的のためなら、お友達や誰かに助けを求めるのもありです」
「そうなのかなあ…?」
「えぇ、誰かの助けがなければ生きていけない私が言うんですから、信頼していいですよ。それに勝君の成長した姿というのも気になりますから」
大百科の第三巻に載っていた発明品を使えば一時的に大人になることの出来る発明品は幾つか存在していたけれど。勝君はそんなものに頼りませんし。
やはり、何か別のものを作るべきか。
「オネーサン、ありがとうな!」
「フフ、怪我しないようにね」
ヒラヒラと懸糸傀儡の稽古に向かう勝君を見送り、こっそりと木々に隠れて私を見つめている
勝君と私、巓ちゃんの誰かを狙っているのは間違いないんでしょうけど。どこか私を見つめる視線に違和感を感じてしまうのは何故でしょうか。
品定め。
そうです。お父様のお仕事に付き添って見学していたとき、よくお父様のしていた目です。玩具の作りに拘る、カッコいいお父様にそっくりなんだ。
────だけど。その視線は悪いものです。