私は促されるがままに英良さんの隣に座り、人形相撲の開幕の祝詞と賛辞を聞きつつ、勝君と平馬君の二人を密かに応援する視線を向ける。
巓ちゃんは顔や身体が傷だらけの男の人達を正座させ、その上に用意された座椅子のような玉座に斜めに足を伸ばして、黒賀平助と一緒に観戦しています。
一体、何があったんでしょうか?
「アイツら、村の荒くれ者達ですさ。多分、お嬢さんのお姉さんにナンパしてボコボコに負けて、あんなことになったんでしょうや」
「なんぱ。本当に実在するんですね」
はえーっと気の抜けた声を出してしまった事に気づき、慌てて口許を押さえる。……それにしても、お父様やお母様に付き添ってパーティーに行ったことはありますけど。
こういう行事は始めてです。
ニュートンアップル女学院にも行事はありますが、よく体調を崩して参加した事はなかったので参加できるのは、とても嬉しく思います。
「お嬢さん、顔が少し赤いですぜ?」
「フフ、ちょっと寒いだけですよ。こうしていれば温かいですから♪︎」
コテンと胡座を掻いて座っている英良さんの身体に寄り添うように身体を当てる。やっぱり、好きな人の傍に居ると胸の奥がポカポカとしてきますね。
そろそろ村長のお話しも終わりそうなので姿勢を正して人形相撲に参加する男の子達を見る。みんな、とっても強そうな人形を持っていますね。
平馬君は御近づきの印にプレゼントした機巧人形を使ってくれるでしょうかと不安になりながらも味を薄めて貰った甘酒を飲む。
甘酒、子供でも飲めるお酒…!
お父様とお母様は大人になるまでダメだと言っていましたが、英良さんのお嫁さんになるのなら立派なレディとしてお酒は飲めるはずです!!
「………………ひっく」
「え?お、お嬢さん?」
「ひっく、なんれふか?」
ポワポワとします。ポカポカとします。
でも、なんだか気持ちいいです。
「ちょいと失礼しやす……薄いよな?」
「わらひのれふよ?」
「ああ、すいやせん。どうぞ」
むぅっと唸るように手を伸ばして英良さんにマグカップを返して貰い、チビチビと甘くて美味しいお酒を飲んでみる。ふふ、ふふふふふ♪︎
お酒って美味しいです♪︎
ふふふふふふふふふふっ♪︎
「お嬢さん、他のヤツに気づかれちゃダメですぜ」
「んふふふふふ♪︎わかりまひた♪︎」
コクコクと甘酒を飲みながら英良さんの言葉に頷く。ちゃんと分かっているから大丈夫ですよ。ほら、もう一杯目を飲んじゃいましたよぉ♪︎
ふふふふふふふふ♪︎