新年、フェイスレスとゲームに興じる才賀勝や入院した命の事、私の愛する
「あら、今日は一人なのね」
生徒会室のドアを開けて入ってきた金色の髪を何本も束ねた女に視線を向ける。百年前以上も前から変わることのない子供の身体をした
ヴィクトリア・パワード。
百年前、糸色景と交流していたホムンクルスの一体だが、羽虫のごとく糸色景に纏わりついていたアイツよりマシなヤツだ。
「何の様だ」
「何だ?
「今はお前が
「相変わらず、ホムンクルスを毛嫌いしているな」
カリカリと本来は教員の決めるべき部活動に関する金銭管理の集計を整理し、私の所属する薙刀部の合宿予算の見積もりを計算する。
当たり前だ。
お前達の事を作り出した錬金術師は私の事を二度も拐おうとした挙げ句、命に狙いを変更して病院に刺客を送り込んでいる。
非常に不愉快極まりない。
「お前の髪と私の力は相性最悪だと忘れたか?」
「死に損ないの力が何だと?」
「フフフ、この学院は全て私の
「フン。虫の羽音など聴こえんな」
そう言って私の髪をなぞるヴィクトリア・パワードの手を払い除けると同時に薙刀を突き出して睨み付ける。お前のやりたいことは分かっている。
私の血肉を求めているのだろう。
「羽虫と違ってお前は製造法が異なるからな」
「……知っているわよ。正直、普通の食事より人間を食べていた方が楽に思えるし、貴女みたいに強烈な食欲を唆られる相手を我慢するのはキツいわ」
「やはり、私の美しさに集る虫だな」
私の美しさは糸色景と愛する
そう納得する私にヴィクトリア・パワードは呆れたような視線を向けてくるが、こうなっているのは私の自慢故の自負だろう。
かつての私は卑屈になっていたからな。これぐらい許容範囲というやつだ。
「ところで、なんで指輪してるわけ?」
「結婚したからに決まっているだろう」
「はあ!?あなた、まだ17歳でしょう!?」
「そうだが?」
「ど、どうしてそうなったのよ?」
「ふむ、どう説明したものか」
いきなり妖気を封じ込めて、私の事を襲ったというべきなのか。それとも別の説明をするべきか?