【完結】からくりと踊り謡う薄命の花   作:SUN'S

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災厄の始まり 破

黒賀村に向かって蛮竜に乗って空を飛んでいる途中、巨大な飛行船を見つける。なんでこんなところに?と戸惑う私の頭上に剣士が降ってきた。

 

「我が名はカピタン・グランツィアーノ、500年繁栄を続ける名家の貴女(きじょ)に決闘を申し込みに参った。無論、受けるだろう!」

 

ツラツラと聴いてもいない名乗りを上げたカピタン・グランツィアーノは、スラリと剣身の幅広い直剣を構える大柄な騎士然とした自動人形(オートマータ)に驚きつつ、ゆっくりと蛮竜の柄を握る手を離して刀身の上に私も立つ。

 

この間合いでは槍は不利。電光丸を使う以外に手段は選べない。それに四次元ポケットに手を入れて構えるまでに剣を防ぐ手段も存在しない。

 

「糸色命、その決闘をお受けします」

 

「意良し!流石は伝統在りし名家の息女なり!」

 

ゆっくりと狭い蛮竜の上で電光丸を抜き、真っ直ぐ正眼に刀を構える。浮遊する剣士と斬り合える間合いは二歩か三歩だけ、無事に済むとは思えないですね。

 

「参る!!」

 

「速ッ、くうぅ!?」

 

ガギィンッ…!と辛うじて電光丸の自動迎撃(オートカウンター)機能によって攻撃を防ぎ、カピタンの鋭く速い剣戟は凌げるものの、反撃に転じる事は出来ず、四方八方から繰り出される正確無比な剣戟を受けるだけだ。

 

「フハハハハハ!!!我が剣『スペッツァ・フェッロ』の超速連続剣を良くぞ受けた者だ!!しかし、我が剣は破壊の(つるぎ)なりや!!」

 

「舞踊は、扇子だけじゃっ、ありません!」

 

「ヌゥッ!?甘いわッ、受けよ雷撃を!!」

 

鋭く真っ直ぐ正確無比に(・・・・・)繰り出される横薙ぎの首を斬り跳ねるために放たれた直剣を電光丸の刀身を握り、縦に構えたまま受け止める。

 

カピタンの身体は放電するように雷撃を放つ。

 

────けれど。その攻撃は悪手です。

 

「充電完了…!」

 

バチバチと放電する電光丸を円を描くように構える。ずっと昔にお婆様が教えてくれた技を、この場所なら自由に使える。

 

「おのれッ、我が剣の雷を奪ったか!」

 

「科学剣・稲妻重力落としいぃぃぃ!!」

 

「ぅおぉおのれええぇぇ!!!!」

 

タンと彼よりも高く飛び上がって、落下する重さを加えた剣戟を叩き込んでいく。高圧電流は普段の数十倍は高まり、彼の剣も身体も焼き焦がして切り裂く。

 

斜めに身体を切り裂かれたカピタンは恨み言を叫びながら落ちていき、私は『空中浮輪』で飛びながら飛来する蛮竜に受け止めて貰う。

 

「……けほっ、無理しないようにしないと……」

 

そう言って私は黒賀村を目指す。

 

 

 

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