私は無理して動ける手段を無くし、誰かを助ける力も失ってしまった。もう貞義のおじ様を……ううん、フェイスレスを止めることは出来ない。
「食事にしよう。ディアマンティーナ、僕と彼女の食事を用意してくれ。呉々も毒や塵を混ぜるなんていうイタズラはしちゃいけないよ」
「はぁい、フェイスレス様♪︎」
くるりとゴシックロリータ衣装を纏ったコロンビーヌとは対称的な妄信的な愛情が混ざって濁った目をフェイスレスに向けるヒト型の
嘲笑の目差し。
何も出来ない私を嘲笑う目を向けていた。
「まだ命は子供だからね、ワインの代わりにミネラルウォーターで乾杯しようじゃないか」
「貴方の勝利に、ですか?」
「その通りさ。いやはや君と出会った日の事は今でも覚えているよ、その顔は糸色景に瓜二つ。体躯や心臓疾患に至るまで全てが彼女にそっくりだった」
気が付けば目の前に居た筈のフェイスレスは私の真後ろに移動していて、機械の手が私の顔や身体に触れる。怖くて震える身体を撫でる手が止まり、サングラス越しに私を見つめる目が見える。
「
「え?」
「……いや、なんでもないさ」
僅かに気配は薄れる。
見える?なにが、と問う前にクマの縫いぐるみが運んできてくれた食事を見る。……ほとんど生のようなお肉ですが、これは食べても良いのでしょうか?
「ディアマンティーナ、イタズラはダメだと伝えただろう。それに命の身体はこんな脂っこいものは受け付けない。野菜をメインにするように伝えた筈だが?」
「あら、ごめんなさい。間違えちゃ」
ガシャンと音を立てて、「ディアマンティーナ」と呼ばれた
増える人形。
それが、新しい彼女達の存在価値だ。
「すまないね。命」
「……いえ、」
砂漠で出会ったとき、陽気な道化を演じていた。
私の叔父として会ったときは優しさを演じていた。
────けれど、今の貴方は別人すぎる。
不安を抱きながらも目の前のテーブルを挟んで椅子に腰掛けている顔の無い人に恐れを向ける。今まで会った人はウソか本当か簡単に分かっていたのに、今私の目の前にいる彼には感情が欠落している。
それが、とても恐ろしくて怖く感じます。
「そういえば秋葉巓が君を追ってきているよ」
「巓ちゃんが来てくれる…」
その言葉に安堵してしまった。