【完結】からくりと踊り謡う薄命の花   作:SUN'S

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運命は絶えず 序

アルレッキーノはツカツカと私としろがねさんの前を歩き、自分の仲間である筈の自動人形(オートマータ)を破壊し、私達に向かって襲い掛かってくる彼らを退ける。

 

このまま順調に進んでいけば緊急用の脱出機能や小型船を探す事も出来ると思っていた矢先、重苦しく何かの歩く靴音が響き、ゆっくりと聴こえる。

 

「止まれ」

 

「ミコト、私の後ろに下がって」

 

「二人とも相手は背後ですよ」

 

私はそう言いながら後ろに振り返って、ロングコートを揺らしてサングラスの汚れを拭き取っているフェイスレスの事を見つめる。

 

やっぱり、このフェイスレスは偽物です。

 

「いやー、参ったね。僕が準備に取りかかろうとしているときに逃げ出すなんて二人は悪い子だ。アルレッキーノ、君もどういうつもりだ。僕は傍に控えることは許したが出歩く許可は与えていない」

 

「私のお仕えする御方はフランシーヌ様ただ一人だと決めている。例え創造主であろうと二度も己を律する誓いを違えるつもりはない」

 

「どこか壊れたか?まあ、旧型の自動人形(オートマータ)なら歯車が壊れていてもおかしくないか。それとも、これも君の影響と考えるべきかな、命」

 

フェイスレスは私に視線を向ける。しろがねさんを求めている筈の彼が彼女よりも先に私を見た事で疑心は確信に変わりました。

 

この人は私のおじ様ではない。

 

「エレオノール、君もそうだ。人形の無い君と、発明品の無い命、自由に動けるからと勘違いさせてしまったのが悪かったんだろう。暫しの間、不自由かも知れないけれど。君達の手足の関節を外す」

 

その言葉に、カチンと来てしまいました。

 

「───糸色景様は言いました。人の物を盗む奴は、もっと大事な物を無くす。フェイスレス、貴方は誰かの宝物を自分の大切なモノだと勘違いしています」

 

コツリとアルレッキーノの真横を通り抜けて、フェイスレスの目の前まで移動し、彼の事を見上げる。どうせ、フェイスレスはこの人形越しに私達のやり取りを見ているのでしょう。

 

「僕が、勘違いだって?」

 

「本物を知る者は偽者には騙されない。これも糸色景様の残した糸色家の格言です、どんなに取り繕おうと貴方の愛は自己愛でしかありません」

 

「……フ、フフフ、随分と嘗めた口を聴くね。お前の発明品はこの中に仕舞っている事を忘れているのかい?砕いて破いてしまえば何もかも消えてしまうだろう?」

 

「堕ちましたね。それは二流三流の手口です」

 

私の言葉に怒ったのか。

 

フェイスレスは右手を振り下ろして、私の顔を叩いた。拳ではなくビンタを使った辺り、まだ私の言葉で完全に怒っているわけではない。

 

「もう良いさ。このポケットは溶かす」

 

そう宣言したフェイスレスは溶解液を噴射して、透明な球体に封印されていた私の四次元ポケットを完全に完璧に溶かしてしまった。

 

「これでもう君に武器は使えない」

 

「果たして、そうでしょうか?」

 

 

 

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