「パンタローネの攻撃は掌部に開く孔を利用した空気圧縮弾を放つ事だ。ナルミとミンシアは事前に体験しているだろう。ヘースケ、お前も行けるな?」
「おう!」
「ギイさん、いきなり仕切り出したわね」
ギイの言葉に答える加藤とミンシア、その二人と肩を並べて一緒に戦うために構える平助の事を見る。やはり意識が目の前の敵から逸れているな。
他の何かを警戒しているのか?と小首を傾げた刹那、私の髪の毛の結界をすり抜け、クマやネコなど動物の姿を模倣した縫いぐるみが現れた。
「巓、ソイツは爆弾だ!」
「そうか。なら潰すだけだ」
一塊に髪の毛でまとめ上げ、圧迫し潰す。
「……施設の外か。平助、私はそっちに行く」
「分かった。直ぐに行く」
「ゆっくりで構わないぞ。どうせ、塵だ」
そう言うと私は壁を薙刀で切り裂き、ザリッと渇いた地を踏み締める。ゾナハ病を振り撒く小型のガラクタが熱砂に負けて壊れているのか?
この場所を選んだヤツは賢いヤツだ。
またフリフリとしたドレスを身につけたヒト型のガラクタかと呆れながらも、ヤツの周りを飛ぶ
「息子の方が来るとは珍しいな」
「それだけピンチというわけさ。さて、私の
「あら、蝶々の人間が私の相手なの?」
「────
人差し指を左右にゆっくりと動かす羽虫の息子、マスター・バタフライはスーツを弾き飛ばし、ピッチリと身体に纏わり付いているタイツに変態した。
「土産だ。このBeautifulな私を見るが良い」
何だ、こいつ?
「素敵な姿ね!」
「美的センスはあるようだね」
なんだ、こいつら?
あまりにもふざけた戦いを始める馬鹿共に呆れ、私は尻尾に腰掛ける。しかし、粉と縫いぐるみでどう戦うつもりなんだ。
そう思っている私の首を狙って飛んできた斧を薙刀で受け止め、尻尾でガラクタの上半身を弾き飛ばし、叩き壊しながら周囲を見る。
成る程、地面に潜って隠れていたわけか。随分と姑息で恥知らずな行動を取る。私だったらその様な事は絶対にしない行為だ。
「巓君、そちらは任せるよ」
「私に塵掃除をさせる気か?」
全く羽虫の息子も所詮は羽虫だな。もっと息子なら悪いところは直せば良いものを、何故アイツらは斯様に気持ち悪い服で動けるのだ。
あんな服、平助に言われても着ないぞ。
いや、アイツが着るのはありでは、あるか?