空を落ちる途中、銀の煙が舞うのが見えた。
コロンビーヌの使っていた技なのは知っているけれど。どうして、こんなところに?と小首を傾げながら真下、緩やかに落下する先を見据える。
壊れたコロンビーヌが誰かと話している。いえ、あれもおそらく
ただの失敗作とは思えないけれど。そう考えている間に
ふと視線をズラすと勝君がコロンビーヌのいる場所に向かっているのが見えた。コロンビーヌと何かを話しているのかしら?
そう思いながら身体の向きを変えて、セイリングジャンプの軌道修正を受けつつ、ゆっくりとコロンビーヌを抱き締めて蹲っている勝君の傍に着地する。
「勝君、どうしたの?」
「っ、みことさん、ごめん…!」
「私は平気だから良いのよ」
彼の抱き締めるコロンビーヌが満足げに微笑み、動かなくなっている姿にようやく事態を把握することは出来たけれど。救えなければ意味はない。
「……まだ間に合いますね」
ゆっくりと彼の抱き締めているコロンビーヌを受けとり、僅かに残っていた疑似体液を溢さないように四次元ポケットから桶を取り出す。
唐倶利武者や他の機巧人形を治すために作っていた発明品ですが、大事な弟が涙を流しているのに手助けしない理由なんて存在しません。
「コロンビーヌ修復手術を開始します」
私はそう言って『おもちゃ救急隊』と一緒に頭だけのコロンビーヌを工具を使い、再起動できるまで手術を続ける最中、ドクターやナース達は破損し、壊れた彼女の身体を集め、私と同じように修復手術を進める。
「疑似神経および疑似血管の接合開始」
正直、私の作る機巧人形と
勝君が涙を流すなんてよっぽど悲しいはずだ。
砕けた木の身体を継ぎ合わせ、傷も汚れも完全に修復出来たコロンビーヌの心臓部位に当たる機械に疑似体液を流し入れ、心臓を動かす。
「…………」
「み、ミコトさん?」
「起きているなら目を開けて欲しいんですけど」
「あら、バレてたのね?」
パチリと目を開けたコロンビーヌに、私は深く重い息を吐いて『おもちゃ救急隊』に「ありがとうございます」と頭を下げ、四次元ポケットに戻って貰う。
しかし、鳴海お兄さんに怒られそうですね。