フェイスレスを残して、鳴海お兄さん達と合流し、みんなの集まった屋敷に向かうことになったものの、しろがねさんをフランシーヌ人形だと思い込んでいる鳴海お兄さんはまだ素っ気ない態度を取っています。
コロンビーヌを修復してしまった事を咎める声は意外にも出てくることはなかった。むしろ
「ミコト、右腕の調子はどうだい?」
「レッシュさんのおかげで感覚は戻っています。ありがとうございます」
そうワンピースのパジャマの上から巻いている三角巾に吊るしている右腕を軽く動かして見せるとレッシュさんは私の右手の指先に触れ、また無理やり嵌めたため歪んでいる関節をマッサージしてもらう。
でも、やっぱり男の人に手を握られるのはちょっとだけ恥ずかしいです。そう思っている私の乗った車椅子が、キィ…ッと後ろに引かれ、ビクリと身体が跳ねる。
「ギイさん、ちょいとダメですぜ?勝手にあたしのお嬢さんの手を握るなんざぁ」
「え、英良さん?」
「僕は何もしていないが?この施術をハレンチな行為と思う君の方が危険だろう。ミコト、今からでも僕の診察室に来ると良い」
わざと肩を竦めて困った風に笑ったレッシュさんに軽くお辞儀を返し、ようやく再会できた英良さんの事を見上げる。
「お久し振りです、英良さん」
「えぇ、お久し振りですね。お嬢さん。あたしと離れている間に随分と無茶したみたいじゃないですかい。束縛しているまたいで言いたくねえが、あんまり危ないことは控えてくだせえ」
「フフ、気を付けますね」
「本当に分かってるのかねえ?」
やれやれと溜め息を吐く英良さんが面白くてクスクスと笑いながら彼に手を借り、車椅子を押して貰いながら会えなかった一週間の出来事をお互いに話す。
のんびりと屋敷の中を進んでいると嫌な視線を感じる。梁さんが一方的にしろがねさんを怒鳴り付け、水や食事をぶつけている。
「英良さん」
「へいへい、人使いの荒いお嬢さんだぜ」
そう言うけれど。英良さんは私の意図を察して梁さんとしろがねさんのいる部屋に送ってくれ、ゆっくりと左手でドアを押して部屋に入る。
「静粛に!」
パンと手を打ち合わせる。痛いけど、片腕を切り落とされて接合手術を受けている梁さんのほうがもっと痛いに決まっている。
「梁さんもしろがねさんも喧嘩するのは構いません。ですが、まだ負けていない。勝つ手段は残っているのですから今は回復に集中して下さい」
「
「黙りません。糸色景様は言いました。本物を知る者は偽者には騙されない、と。そこにいるしろがねさんが本当に
ゆっくりとしろがねさんを見上げ、微笑む。
「それに、私はまだ短いですけど。しろがねさん……エレオノール姉さんの妹ですからウソを吐いていないことは分かります」
それでは、足りませんか?