ガタンゴトンと揺れる列車の振動に気持ち悪くなりながら窓の外をぼんやりと眺めていると真っ黒なものが走っているのが見えてきた。
昔見た映画のシーンに似ている。タタリとかそういう名前だった気もするけど、上手く思い出せなくて、ぼんやりと窓の外を見つめる視線が混ざる。
「勝君?!ヴぇッ…!」
カボチャのお化け。ジャック・オー・ランターンに乗った勝君とコロンビーヌの姿を視界に収めながら、気持ち悪さと吐き気を我慢して席を立つ。も、喉の奥が焼けるように熱くて気持ち悪いものを感じ、口を押さえる。
大丈夫。まだ、動ける…!
車両を移る途中、外付けの梯子を登って勝君の事を呼ぼうとする私の目の前に剣を構えた
「最後の嫌がらせですか」
ぎゅうっと心臓を押さえるように左胸を右手で覆い、目の前に立つ両目を閉じている剣士を見つめる。既視感と忌避感の織り混ざった感情がある。
多分、彼は私の肉親を模している。
「名前は?」
「糸色姿」
「……随分とふざけた真似をしますね」
電光丸に搭載した剣術データの基盤たる人の名前を語る
私達の紡いできた血に貴方は含まれていない。
ゆっくりと電光丸を引き抜いて真っ直ぐ相手に切っ先を突きつけるように正眼に構える。正直、糸色姿様の身体を模している相手に剣術の腕前で勝つことは出来ない。
「一足、間合いだぞ」
「ひ、あぐぅッッッ!!?」
ビリビリと電光丸越しに身体に叩き込まれた衝撃と、
肉眼で追えない剣の速さ。
異様な間合いの広さに身体が震える。
「(これが、神速の剣術家、明治時代に
それを模しただけの
────
「(分かっていましたけど。私の身体は剣術は愚か戦うことは出来ない、今までも道具に頼っていたから戦えていただけ、こうなるのは必然です)」
だけど、女にも意地はあるんです。
気持ち悪くても吐きそうでも負けるものですか!