────列車の上の戦い、その数分前。
「平助君だっけ?よく赤心少林拳使えるわよね」
「師匠に習ったんで、なッ!」
「貴方の師匠、強羅でしょう」
十文字槍「虎翼」を振るう愛する
イライラとする謎の感情に任せて、ガラクタを薙ぎ払い、回復したばかりのギイを狙うガラクタに薙刀を突き立て、その歪んだ顔を踏みつぶす。
今、私は非常に不愉快だ。
「なら、アレも使えるわよね?」
「───ッ、桜花は性に合わなくて…」
「ふぅん?巓、ちょっと来なさい」
「……なんだ、母様」
槍を地面に突き刺した愛する
「巓、私の動きを真似て」
そう言われるがままに胸の前で両腕を交差させ、ゆっくりと呼吸を繰り返す。人間に生まれ変わったときから周囲に散っていた妖気の流れが私の中に戻ってくる?
それに、この手の構えは平助と対極だ。
「桜花と梅花は二つで一つ。二人で極めてみるのも悪くないし、それに娘の嫉妬するところも見れてお母さんとしては大満足だわ!」
「しっと?私が……ッ、母様!!」
「ハハハ、ちゃんと成長しているみたいで安心したわ。流君に聴かされたときは不安だったけど、平助君となら貴女はもっと幸せになれるわね」
顔が熱くなる。
嫉妬した?
この我が?
ふざけ、いや、なんだ。
うむ、まあ、かつて白面の者だった頃に抱いていた妬心より悪くはない。いや、むしろ誰かをここまで愛していると考えれば悪くないやも知れぬわけだが。
「親子喧嘩も構わないが、戦ってくれ!」
「巓ッ、髪の毛が俺に巻き付いてる!!」
「ほら、行ってあげなさい」
「…………自分だって仕事帰りに女と酒盛りしていた父様に怒っていた癖に」
「アレは未だに許していないわよ。私の事を殴って蹴って押さえ付けた癖に、結婚したら酔った勢いで強羅や杜綱君達と一緒に依頼者の家に泊まったのよ?」
今のは失言だったかと思いながら怒りを滾らせる愛する
しかし、本当にガラクタの数が多い。
「しかし、タエも変わったな」
「ギイ君には言われたくないわね。初めて本家に来たとき、私に向かって『僕と一夜の過ちを犯さないか?』とか言ったこと覚えているわよ」
「否定はしない!」
よし、命の手術が終わったらアイツを殺すか。