「はあっ、ごぼっ、げほッ…!」
「流石に多すぎるわねぇ」
片腕と片目を無くしたコロンビーヌの言葉を聞き流しながら吸入器のお薬を飲み、もう空っぽになった道具を地面に落として蛮竜を握るも持ち上げられない。
まだ、行けるところまで行っていない。
ゆっくりと蛮竜を手放して、四次元ポケットに仕舞っていた奥の手ではなく切り札を取り出す。コロンビーヌに目配せをしながら小瓶の蓋を開け、飲み干して鳥の嘴を模したマスクを付ける。
「シャトルを狙う
そう宣言した瞬間、私達を取り囲んでいた
私の声の聴こえていなかったスペースシャトル近辺は今も人形と戦う鳴海お兄さんと勝君が見える。どうにかして、もう一度だけ嘘を現実に変える発明品『ソノウソホント』を使えたら……。
そう考えながらも一度だけで壊れてしまった発明品を四次元ポケットに戻し、蛮竜を引きずるように引っ張って二人の近くに向かう。
せめて、二人の手だすげを゛…!
ボタボタと零れ落ちる血の中に映る私は酷く窶れてもうすぐ死ぬんだと分かるほど弱りきっている。もっと、みんなと話したかった。
「ごろ゛っ、コロンビーヌ、頼めますか?」
「良いわよ。マサルちゃんのお姉ちゃんだものね」
コロンビーヌに抱き締めて抱っこして貰いながら銀の煙で移動しようとする彼女の周囲を飛ぶゾナハ虫が一斉に機能停止してしまう。
ハリー。ゾナハ病の進行を遅らせる道具があることを思い出して、それならばと彼女に身体を支えて貰いつつ、ふらつき、倒れそうになる身体で歩く。
絶対にたどり着いてみせます。
「ミコトちゃん、もう止めたほうが良いわよ。貴女の心臓、音がどんどん小さくなっているし、無理しなかったらまだ持つわよ?」
「……フフ、ちゃんと心配してくれるんですね」
彼女の心遣いが嬉しくて歩みを止めて、
「…ぅ、ん……もう一度だけ、会いたかった、な…」
英良さんに全部あげるって言っちゃったのに、まだ彼にファーストキスしかあげられていない。今度会ったらデートをしてみたいな……。
喜んでもらえると嬉しいな。
「ねえ、あなたは、コロンビーヌは満足した?」
「うーん。マサルちゃんに抱き締めて貰ったから私は満足しているわね。けど、ミコトちゃんのウェディングドレスを着たところも見たいわ」
……そっか、それも、いいですね……、