「縫いぐるみばかりだな。創造主も詰まらなければ造物も詰まらん」
「フェイスレス様をバカにするなああぁぁ!!」
「馬鹿は貴様だ。ガラクタ」
敢えて煽る言葉を呟けば簡単に釣れたガラクタに蹴りを叩き込み、乱れた着物の裾を整えて薙刀を地面に突き刺す。全く以て不愉快な糟だ。
人間の真似事を出来るというのにやっていることは妄信的な偽愛を求めるだけ。私のように平助と愛し合えるステージにすら立っていない雑魚は本当に困る。
「このおぉおっ!!」
「なんだ、ガラクタが怒り心頭か?」
「わたくしはガラクタじゃないわ!フェイスレス様に唯一愛してもらえる
「クク、ククククク…!愛を吠えるなら指輪ぐらい貰ったらどうだ?私はコレを貰うときに『一生お前を大事にする』と言われたんだがなあ?」
「キィィィーーーッ!!なによなによ!指輪ぐらい直ぐに貰っちゃうもの!」
間抜けなガラクタの攻撃を髪の毛で弾き、潰し、吹き飛ばす。少なくとも尾を使うほどコイツは強くもなければ私の尾に値する相手でもない。
「抱擁は?キスは?愛の囁きは?肌の温もりは?何も知らずに愛しているからと相手を求めるのは悪いことだろう。フェイスレスも可哀想な男だ」
金切り声を上げるガラクタの顔が歪みに耐えきれず、ボロボロに砕け、仲間の歯車や機械が見えるのも構わずに向かってきたところを髪の毛で締め付ける。
「糸色景は言っていたぞ。男と女は時として化学反応を起こす。何があってもおかしくない。だから私みたいに愛に包まれて変わるものもいる」
強い攻撃も何も受け付けない私に鉄の歯をギリギリと噛み合わせる姿は実に滑稽だ。ただ、人間と違って人形の悪感情なんてものを喰っても美味くない。
何から何まで役立たずだな。
「はあ、もう飽きた。
パキッと指を鳴らした瞬間、先程まで吠えていたガラクタが身体を震わせ、逃げ出した。なんだ?まさか私の殺気を受けただけで逃げたのか。
「
そうクマの縫いぐるみを拾い上げて見つめる。爆発する機能も失ったお前は縫いぐるみとして生きている以外に存在価値はないのだろうな。
だが、存外にお前達の花火は美であったぞ。
「才賀のところに向かったか。ああいう手合いは自分の都合ばかりを押しつける。どうにか出来ないのか」