「
「否!某は
二人の会話の噛み合っていないのに、偶然お互いを警戒するような言葉を言い合う二人の姿に困惑しながら、私は唐倶利武者のコントロール権限を示す印籠を突きつけ、勝君はあるるかんを操るしろがねさんを止める。
「「二人ともそこまで!」」
「姫君っ、危のう御座る!」
「お坊っちゃま、危ないです!」
私と勝君を心配する言葉を聞きつつ、二人に武器を納めるように伝えて、少し離れた位置に座るように告げ、綺麗に整った芝生の上に私達は腰掛け、座る。
「しろがねさん、此方は貴女のいう『オートマータ』という物じゃないんです。この唐倶利武者は奇天烈斎と名乗っていた物書きにして天才発明家でもあった糸色景の造り上げた
「…待って欲しい。確か糸色景というのは世界有数の本物の超能力の名前で、明治時代に生きていた『しろがね』に愛読者が居た筈だ」
「えぇ、そうです。付け加えると私は糸色景の生んだ姉妹の次女の血筋に当たります。そして、糸色景の神通力『癒やしの力』を継いでいる一人です。尤もその傷を癒す術者本人が血を吐き、病弱な小娘ですけどね」
そう言って笑う私に、しろがねさんと勝君が抱きついてきた。暖かくて安心する心地好さだけど。私は言葉を間違えてしまったのかな?
「すまない、ミコト」
「フフ、良いんですよ。失敗は誰にでもあります」
優しく二人の頭を撫でて上げ、唐倶利武者としろがねさんの誤解はおそらく解けたんでしょうが、やはり警戒はしてしまうらしい。
しかし、ここまで人形を嫌う。
……いえ、憎んでいる理由を私は愚か勝君も知らないのではないだろうかと考え、彼女の過去をほんの少しだけ聞いてみたくなったものの、それは本人の意思でしか喋ってはいけない。
でも、やっぱり唐倶利武者が動くとしろがねさんも警戒してしまっている。どうすれば仲良くなれるのか、不安になってきました。
「……そうだ、大百科を!」
「ならば、某にお手を」
「え?うん、ありがとう」
唐倶利武者に身体を支えて貰い、部屋に戻ろうとした瞬間、何故か私は壁を走っていた。そういえば高次元移動を可能にするために特殊な車輪を使っていると大百科に書いてあった気がする。