【完結】からくりと踊り謡う薄命の花   作:SUN'S

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星色の妖狐 急

才賀勝のサポートを始めて数分ほど経った頃、フェイスレスの纏っていた負の感情も悪感情も完全に消失し、後悔と懺悔の念を抱き始めている。

 

しかし、予想よりも宇宙ステーションの機体は傾いていたらしく日本に衝突する現実を変えることは出来ないというアナウンスを聴き、地球に居る奴らも才賀勝も諦めそうになっている。

 

「(人間の身体でどこまで持つのかは分からないが、試してみるのもまた人間らしいか)」

 

そう思いながら才賀勝の隣を歩き、刻一刻と衝突までのタイムリミットを告げる機械の声を無視して、鳥の自動人形(オートマータ)に才賀勝の脱出を任せる。

 

「私の最大妖気を込めた一撃を見舞えば経路を変えることは可能だ。才賀、お前は先に帰って命の安否を私に伝えることを約束しろ」

 

「な、なに言ってるんだよ!地球に帰るなら、テンさんも一緒じゃなきゃいやだよ!!」

 

「マスター、ごめん!」

 

「グリポン君!まだ話しは終わって…!」

 

バカみたいに騒ぐ才賀勝の往生際の悪さは私以上だと認めつつ、グリポンと呼ばれた自動人形(オートマータ)も同じことを考えているようだ。

 

妖怪化した身体は宇宙空間だろうと死なず、三本の尾と髪の毛を機体に巻き付け、蛮竜から切り離された奥義の一つであり、含牙戴角の持つ妖気に馴染んだ技を放つために妖気を大量に放出する。

 

「冥道残月破…!!」

 

最大級の冥道を幾つか開き、宇宙ステーションを無理やり引き寄せて日本に墜落する危機を遠ざける。だが、一度の冥道では僅かに動かすのが限界だな。

 

もっともそれは人間だったらの話だ。

 

白面の者が生まれ変わった稀有な存在たる私には無尽蔵の妖気に加えて、糸色家の誇る(バケモノ)器物がある。早々に力尽きることはない。

 

「クク、まさか私が星を救うために動くことになるとは予想外だったが、存外悪いものではない。冥道に呑み込むのもありではあるな」

 

「……随分と気楽だな」

 

ふと強化ガラス越しに話しかけてきたフェイスレスを見下ろしながら、私は冥道残月破を何度か放ち、ようやく軌道修正を行える。

 

「気楽で構わん。あの星に住まう奴らは私を仰ぎ見て、救いを求めている。実に愉快で面白いだろう?この小さな人の身に人々の願いが集まるのだ」

 

───人の光は決して消えない。

 

誰が言ったのかは覚えていないが、少なくとも人の光は消えることはないだろう。この私が救ってやろう。傲慢に思えるほど力強く守ってやろう。

 

まあ、すべては愛する家族のためだがな。

 

 




もうすぐ最終回です!

次回は「らんま1/2」にしようと思います。
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