唐倶利武者の出自や存在の解説を終えた私にしろがねさんは「成る程、百年前に世界は少し変わり始めていたのはそういう理由もあるのか」と納得し、勝君は唐倶利武者と話し合っている。
「命さん、しろがね、他にも仲間がいるんだって!」
「なっ。まだいるのか?」
「如何にも某は侍大将。弓組、旗組、長柄組、各々の部隊を指揮する同胞を統轄し、お館様の指示を伝達し、いの一番に駆け抜けるが誉れにござる」
「随分と本格的な組織を形成していますね。対して、しろがねさんの話す
対照的な組織だ。
いや、恐ろしいのはしろがねさんの語るオートマータなのでしょうけど。唐倶利武者の話す機巧人形の総監督は糸色家の血筋───つまり、今は私ということになり、私のお願いは命令に等しいということ。
おいそれとふざけて言える事ではない。
しかし、この足軽
「某の目的は大敵たる男を討つために御座る。他の武者や仲間もまた何処かに眠っているのであろうが、某の起動に合わせて目覚めている筈。勝殿、しろがね殿、今はひと度の同盟を結びたいのだ」
「……分かった。だが、ミコトやお坊っちゃま、家の人を傷付けたらお前を破壊する。それだけは覚えておけ、唐倶利武者」
「忝ない!」
「……何だか大変な事になっちゃったね」
「そ、そうだねえ」
勝君の戸惑った顔に私も苦笑いを浮かべて言葉を返しながら、一先ずは殺し合いに発展することはなくなり、ほうっと安堵の溜め息をこぼしたその時、金色の蝶々が私の近くを舞っている。
最近、よく見るようになったけど。
どこかに縄張りがあるのかしら?
そう思って蝶々を眺めるのをやめて、工具箱を取りに部屋に戻ると部屋が完全に直っていた。一体、いつの間に?と困惑しながらも本も同じ位置に戻り、ベッドは汚れもなく窓ガラスも本物である。
唐倶利武者を守っていた他の機巧人形がいるのかと思いながら、工具箱を持ち上げようとした次の瞬間、私の足元で小さな人形が歩き、工具箱を運んでくれる。
「えーっと、あった。『怪力ロボット』」
どんな重たいものも軽々と運んでくれるロボットで、おもちゃ救急隊のロボットと一緒に行動することが多い。成る程、じゃあ、その『おもちゃ救急隊』が部屋を直してくれたわけですね。
「何処に居るのかわからないけど。ありがとう」