「えーっと、この液体を合わせて…」
コポコポとフラスコの中で沸騰する青色の薬液を濡れたタオルの上に置き、冷ましている間に大百科に乗っている素材を使い、擂り鉢で素材を粉末状に変えて、青色の薬液を少しずつ粉末に加えて練り固める。
「出来た!」
「あら、何が出来たのかしら?」
ようやく完成した発明品を手に取って立ち上がった瞬間、ズッシリとした重みが頭にのし掛かり、私の作った発明品はお母様の手の中に移っていた。
「お帰りなさい、お母様!」
「えぇ、ただいま。あの人に事情は聞いているから怒ったりしないわ。それと何を作っていたのかを私に教えてくれる?」
「『畑のレストラン』の種です!」
「……大豆のタネにしては大きいわね」
そう言って私の作ったタネを見るお母様の手を引き、お母様の家庭菜園の畑に一緒に歩く。その後ろを唐倶利武者、しろがねさん、勝君が着いてくる。
勝君は宿題を終えて暇だったから手伝ってくれていたことを伝えれば「偉いわね、勝。やっぱり貴方のお母さんに優しいところも賢いところも似たのね」と笑い、優しく彼の頭を撫でてあげている。
羨ましいけど、私はお姉ちゃんなのです!
「お母様、畑をお借りしますね」
「構わないけど、本当に大丈夫?」
「はい。作り方が正しければ大丈夫です」
私は軍手を嵌めて、軽く畑を掘り返してタネを一つずつ地面に入れて土を被せる。すると、タネは直ぐに発芽し、大きな葉に変わっていく。
私の発明第一号は無事に成功ですね。
「あらまあ、立派な大根」
「奥様、これは蕪なのでは?」
「しろがね、お母様で良いのよ?」
ゆっくりと引き抜いた大根もしくは蕪のような見た目の野菜を丁寧に洗い、土を洗い落としたそれを持って庭先のテラスの机に置き、パカンと野菜を横に開く。
「どら焼き?」
「野菜だったんじゃないの!?」
「フ、フフ、成功した。これを使えば貧困を無くすことが出来るし、遭難や迷子になったとき、いつでも温かくて美味しい食事を味わえます!」
どら焼きをみんなに差し出し、はむっと食べる。甘い、アンコの甘さが口の中に優しく広がり、とても幸せな気持ちになります。
「不思議だわ、団子からどら焼きになるなんて」
「唐倶利武者には、これね」
「おお、姫君自ら!」
私の手渡した『キカイソダテール』を嬉しそうに受け取り、飲んでいく唐倶利武者。潤滑剤としても使えるけど、強度を上げる効果もあるそうだ。
一人だけ食べられないのは寂しいですからね。
私はみんなで食べたいんです。