勝君と他の小学生を車に乗せていく大人達に文句を言いたい気持ちを押さえながら、一人だけになったしろがねさんに駆け寄り、車輪を砕かれて立てない唐倶利武者を抱き上げ、るのは無理だったけど。
「しろがねさん、まだ間に合います!」
「っ、ああ、間に合わせる!」
私は後ろに振り返って警備員さん達を見る。一番歳上の警備員さんは私の意図を読み取ってくれ、直ぐに車を校庭まで運んでくれた。
「唐倶利武者、直ぐに直すわね」
「申し訳有りませぬ、姫君」
「大丈夫。貴方は良く戦ってくれたわ」
車の荷台に乗せて貰い、こんなこともあろうかと工具を用意していたおかげで唐倶利武者の壊された足は直すことが出来たけど。急拵えのため壁や天井を走る機構を組み直す事は出来なかった。
それに、吐き気と気持ち悪さの酔いが来る。
フラフラとしながらも工具をカバンに仕舞い、勝君を乗せて走っている大きな車に近付いていく。あそこまで辿り着ければ問題ない。
でも、走行する車の上で戦うのは唐倶利武者には無理だ。刀を突き立てて近付けることは出来るかもだけど、それだとまた勝君が危ない目に遭う。
「
そう思っていたその時、しろがねさんの操るあるるかんが素早く右手が無数に見えるほど速く右手を振るい、大きな車の車体を貫き、粉々に砕く。
「すんげえ!」
「ゔえっ」
「ワアァーーッ!?吐くなよぉ!?」
私の背中を擦ってくれる警備員さんの言葉にコクコクと頷きつつ、あるるかんの腕を飛び台にして刀を構えた唐倶利武者が悪い人の人を斬る。
いや、峰で殴り倒した。
「こんのガラクタ人形がっ!」
「否、ガラクタになるのはお主でござる」
唐倶利武者に人形を使おうとした女の人の背後に立つしろがねさんが糸を操り、その人を殴り飛ばし、気絶させた次の瞬間、車体が傾き、蛇行する様に動き始める。
「しろがね、運転してた人が気絶してる!!」
「さっきの衝撃で気を失ったかッ」
二人の声に戸惑いながら身体を起こして大きな車を見るとハンドルに身体を押し付け、気を失っている運転席のおじさんが見えてしまった。
「な、なにかあったかな?!」
私はカバンに仕舞っていたものを漁りながら、ごそごそと動いていた刹那、小さなものが手の中に収まり、これなら使えると『相手ストッパー』を構える。
「そこの車、止まりなさい!」
そう言った次の瞬間、私達の周りを走っていた車も逃げていた車も一斉に停まり、私はゴンッ!と慣性の法則に従って急停止した車に頭をぶつけてしまう。
痛いッ、けど、まだ大丈夫だもん…!