「フランス……初めて来ました!」
「ハハハ、そいつは良かったですぜ。あたしも休暇がてら遊ぼうと思ってたんで、こうして可愛いお嬢さんが一緒なら
「?はい、楽しみです♪︎」
にっこりと笑う阿紫花のお兄さんの言葉に小首を傾げながら笑顔を向けると「クク。流石はお嬢さんだぜ。そういうジョークやシャレは通じないんですかい」と言われたものの、どれがジョークだったんだろう。
そう思いながら一口サイズに切った『ほんやくコンニャク』を食べる。特殊な加工を施す事で翻訳機能を身体に付与する発明品で、作るのには一週間ほど掛かり、言葉は分かる失敗作と言葉は分からないけど、喋れる失敗作など紆余曲折ありましたけど。
これは成功した一つだ。
いつか病気を治して世界を旅行するときに使おうと実験を繰り返しているけど、今のところ三時間ほど効果を継続させることが精一杯です。
「コンニャクなんて食べてどうしたんですかい?」
そう言うと一口サイズに切った『ほんやくコンニャク』を食べた阿紫花のお兄さんに「これは食べた人に外国語の翻訳能力を与えるコンニャクです」と伝えれば面白そうに笑ってくれた。
「またまた、ご冗だ、ん……を……」
「どうです?全部、日本語に聞こえるでしょう?」
「こりゃあ、マジですかいッ…!!」
喧騒としていた周囲の声が日本語に変わっていることに気付いたお兄さんは火を点けようとしていた煙草を箱に戻して、自分の頬っぺたをつねっている。
私はテレビや映画を使って翻訳能力が備わっているのかを試したけど。しっかりと成功していて安心しました。やっぱり糸色景は凄い人です!
「他にもあるんですか?」
「はい。ありますよ」
「……お嬢さん、あたしがもし無体を働いて奪うとは考えないんですかい。流石に、こうも素直に言葉を返されるとあたしも困りやすぜ」
「フフ、ごめんなさい。でも私はあの時助けてくれた貴方だから信頼しているんです。あんな風に助けられて、殿方に抱き締めて貰ったのは初めてだから」
「こりゃあまた、男殺しな言葉ですぜ」
「おとこごろし?」
私は男の人を倒せるほど強くないですし、発明品が無かったらか弱い女の子……ひょっとしたら子供より弱いかも知れませんね。
でも、私は立派な大人になるんです!
「お兄さんも発明品見てみますか?」
「宿屋でなら、いくらでも」
「では、観光してホテルへ行きましょう!」
「全くお嬢さんに惚れた男は大変そうですねえ」
う~ん、私は女学院に通っているので親しくなった男の人は鳴海お兄さんや阿紫花のお兄さん、勝君ぐらいでしょうか?