昨日のお昼頃───。
しかし、飛行機や車を手配するために高祖母様の御友人の経営する欧州圏内にて最高級・最上級の名誉を授かったという
「おお、百年ぶりだね。Lady」
「こんにちは、おじ様。それは私の高祖母様ですのでお間違いだと思いますよ」
「フゥム。佇まいや雰囲気は瓜二つだがね」
穏やかに一礼をする大柄の身体と綺麗に整った白髪の老紳士に私はワンピースの裾を摘まみ、ゆっくりと足を後ろに引き、お辞儀をする。カーテシーと呼ばれる目上の方にする挨拶作法のひとつです。
尤もおじ様は私を高祖母様と間違える事が多く、お母様や妙叔母様曰く「多分、高祖母様に好意を抱いていたんでしょうね」とのことです。
私は百年の恋というのも素敵だと思います。
「さて私の店を訪れたという事は道具や乗り物を手配して欲しいのだろう。少々、
「ありがとうございます。お兄さん達も着いて……どうしたんですか?」
「いや、糸色の影響力は知っていたが、まさか欧州に残る伝説の
「フランケンシュタインって、あの洋画の?」
「ギイ、流石に冗談の度が過ぎてるぜ」
フランケンシュタインというのは死体を組み換えて造り上げた伝説上の怪物の事だ。レッシュさんはウソ泣きやウソの言葉を言うので、これもウソなのでしょう。
「Lady、準備出来たよ。君達も乗りなさい」
おじ様の言葉に従って私達は大きな試着室に入る。
男の人が四人だと流石に狭いです。そう思いながら阿紫花のお兄さんに身体を預けつつ、おじ様が背広を掛けるフックを押し込み、テーブルの上に置かれた三本の万年筆の真ん中を捻った瞬間、試着室はゆっくりと真下に向かって動き始める。
「隠しエレベーターってスパイかよ、爺さん」
「フゥム。その質問は当たらずも遠からずだよ、
そう言うとおじ様は試着室の扉を開け、私達の事を高祖母様や高祖父様、そして糸色家の何人かだけに入室を許可していた秘密の部屋に招き入れてくれた。