鳴海お兄さんのおかげで無事に
「何かお手伝いできますか?」
「そうさね。サイズは会わないだろうが、ミコトの服を何枚か貸して貰えるかい。エリ公女もずっとドレスという訳にはいかないからね」
「そうですね。私も行事や仕来たりの際に着物を着るのは大変だと思います」
私はルシールおばあさんの言葉に納得する。
忠臣倉に預けていたトランクケースを受け取ってワンピースやスカート類を出していると「もっと動きやすいのは無いのかい」と言われ、一番動きやすいのは私の使っている運動用のズボンでしょうか?
「どうします?」
「……その中ならスカートだね。流石に公女様に履かせるには短すぎるよ」
「そうですか」
「僕は是非ともその短いズボンを履いた君を見てみたいね。どうだろう、ミコト」
「お断りします♪︎」
にっこりと微笑んでレッシュさんのお誘いを断り、私はゴーグルと輪っかを四次元ポケットに戻す。鳴海お兄さんは三回目ですけど、まだお腹に貼っているポケットに興味を示している。
「触ってみます?」
「は?いや、ダメだろ」
「ポケットは取り外し出来ますよ?」
「…………」
そう言うと鳴海お兄さんはコンクリートの壁に頭を叩きつけ始める。一体、どうしたんだろう?と小首を傾げながら四次元ポケットをお腹に貼り直して、吸入器を取り出して最後のお薬を飲む。
あとは阿紫花のお兄さんを待つしかない。
────とは言え、です。
私のお薬を両親から受け取ったとして次に帰ってくるときまで私の身体は持つのだろうか。鳴海お兄さんもレッシュさんもルシールおばあさんもゾナハ病だったから、私の苦しみは分かって貰える。
しかし、公女様はいつお目覚めになるのでしょう?
「ミコト、そろそろお前もお休み。長時間の移動に慣れない土地だ、繕っているが顔色の悪さは隠しきれていないさね」
「……すみません。先にお休みしますね」
ここで大丈夫だと言っても信じて貰えないのは分かっているので、素直に我慢していた事を認めて、隣室に移動してベッドに腰掛け、そのまま倒れる。
「忠臣倉、私は頑張れていますか?」
私の事を心配してくれるからくり人形に問いかけると頷いてくれる。もっと、みんなの役に立って私が生きていたことを覚えていて欲しいです。
どうしようもなく欲を言うなら、お付き合いして、結婚もしたり、お母さんになってみたいです。