気持ち悪さと息苦しさに目を覚ますと私は車のトランクに乗ったままで、手足の拘束は手錠ではなく軽く縛っただけのタオルのような物のようです。
「(……後ろ手に縛られなくて良かったです)」
そう思いながら、はしなないですけど。
お腹に貼っている四次元ポケットに両手を差し込み、工具棚に仕舞っているハサミを掴み、タオルに切れ込みを入れ、手首を擦り合わせるようにしながらタオルの生地を切り裂く。
随分と酷いことをしてくれました。
ハサミを四次元ポケットの中に仕舞い込み、フラフープの様な発明品『通り抜けフープ』を目の前の車体に押し付けた瞬間、うっすらと星の見える夕焼け色に染まった空が私の頭上に現れる。
「んむッ…んッ、痛い…」
ペリペリとガムテープを外し、ガレージの中に出ると同時に『通り抜けフープ』も四次元ポケットに戻して、お財布から十円玉と、大百科に載っていた新しい機巧人形『ころばし屋』を地面に置き、背中の投入口に十円玉をカランと音を立てて入れる。
───すると。ころばし屋さんの目は光り、静かに彼の事を抱き締めるように抱えていた私の事を見上げる。確かお金を入れたらお仕事を依頼するんでしたね。
「この屋敷を出るまで私を守って下さい」
そう言うところばし屋さんは「ニカリ」と笑い、右手に銃口の先端を模したピストルを構える。ソフト帽を被ったクールな彼の顔パーツ*1は幾つもありますが、デフォルトの物を選びました。
何だか他の顔は怖かったのです。
糸色景様の趣味とは違いますし、おそらく彼女のご友人か他の誰かが顔パーツを継ぎ足していたのでしょうね。私はデフォルトの顔が好きです。
あと『ころばし屋Z』というのも気になります。
そう思いながら彼の後ろを着いて歩いていた瞬間、スーツ姿の男の人達と遭遇し、彼らが叫ぶよりも先にころばし屋さんの早撃ちで彼らは気絶した。
く、クールです、かっこいい!
大百科の記載通りに作って言語機能も付いている筈ですが、ころばし屋さんは無口なのでしょうか?と小首を傾げながら廊下を歩く。
「あ、あの、ころばし屋さん?」
「しぃ……臆病者ほど、お喋りだという事だ」
「な、なるほど?」
コクコクと静かに渋い声でそう言うころばし屋さんに頷き、素早く駆け出した彼は空気の音が一度しか聴こえない早撃ちで悪い人を倒し、映画でしか見たことのない銃にも臆さず、彼らを倒していく。
ゆっくりと彼の後ろを着いて歩いていたその時、公女様を見つけて駆け出そうとした私の足元にころばし屋さんが立ち塞がり、私の目の前に立つ彼女を睨んだ。
「やはり、同じ
「女のうらみごとを聞いてやるムードにはなれないんでな……。それに俺の“仕事”の邪魔になりそうな相手、それだけで十分“ムダ”ではない」
か、かっこいい……!