ここでの生活を始めて五日目、鳴海お兄さんは子供達と触れ合える事で以前のように顔は少し怖いけど、優しいお兄さんに戻り始めている。
強くて誰かを守れる鳴海お兄さんもかっこいいけど、こうして子供達のために頑張っている鳴海お兄さんも凄くかっこいいと私は思う。
いつか、しろがねさんを思い出したらウンと教えてあげないといけないです。フフ、早く勝君の事もしろがねさんの事も思い出してほしいな。
「ミコト、ナルミ、ゾナハ病に掛かったときの事は聞き出せたか?」
「まだだ、それらしいのにはヒットしてねえよ。みんな俺を取り合って離してくれなくてな。命もお姉ちゃんお姉ちゃんって慕われてよぉ、嬉しそうだったぜ」
「フフ、嬉しいですよ♪︎私にもお姉ちゃんと弟は居ますけど、今は二人とも旅行中なんです。私は、お兄さんと一緒だったんですけど」
「あのヤマザルか。全くレディの唇を無理やり奪った挙げ句の果てに逃走するなんて男の風上にも置けない男だ。ミコト、是非とも君を慰める役目を僕に」
何かを言おうとしたレッシュさんの頭にゲンコツとビンタが打ち込まれ、彼は顔を押さえています。慰める役目ってなんなんでしょうか?とルシールおばあさんに聴けば「そういう物を教えるのは男の専売特許だよ。ナルミ、分かりやすく教えてやりな」と言った。
「ばっ、子供に言えるか!…ぐッ、なんだ?」
そう言ってお兄さんが怒った瞬間、彼は頭を押さえながら呻き始める。私は慌てて『癒やしの力』を使い、鳴海お兄さんに寄り添う。
やっぱり、なにかあるのかな?
「全く随分と困っている様だな」
「ッ、てめえはタテシキッ!!」
「そう怒鳴るな。子供が起きるぞ。それから才賀命に渡すものがあったから戻ってきただけだ。危ないものではないから安心して受け取っていい」
いきなり私の隣に座っていた彼に驚きつつ、ゆっくりと彼の差し出す物を受け取る。これは、本かな?と思いながら包装を丁寧に外す。
「……大百科?」
「まあ、今後に役立ててくれ」
なんで、彼が?と戸惑うも「たてしきつかさ」はいつの間にか消えていて、私は差し出れた大百科を開いてビックリしてしまう。
「白紙の紙だな」
なんで、こんなものが載って?
ううん、それよりも初めて見るものばかりだ。
私は色々なものがあることに驚きつつ、糸色本家の倉に保管されていたショドウフォンや機械的な武器の数々の作り方を書き記したページを食い入るように見つめ、作りたい欲求を昂らせる。