【完結】からくりと踊り謡う薄命の花   作:SUN'S

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翼を失くして 序

鳴海お兄さん達のお仕事を手伝いつつ、私の事を心配して集まってくれた子供達の頭を撫でてあげ、ギューッと力一杯に抱き締めてあげる。

 

ゾナハ病に私の『癒やしの力』は聴かないけれど。「たてしきつかさ」の持ってきてくれた二冊目の大百科に載っている万病薬を使えば身体の苦しみを和らげる事は出来るかも知れない。

 

しかし、バンハート博士達は私の血液を使って抗ウイルス薬を作ろうとしている。私も私に出来ることを精一杯やるために研究室を一つ借りて、実験を開始する。

 

「おねえちゃん、これ何?」

 

「それはタケコプターです」

 

「ヘリコプターじゃないよ!?」

 

「タケコプターですね。こうやって頭に着けて、ボタンを押すと自由に飛べるんです」

 

そう言って実践してみせるとみんなの目はキラキラと輝き、自分も飛んでみたいとお願いしてくる子供達にクスクスと笑いながらマットレスを敷いて、怪我をしないように室内でなら使って良いことを伝える。

 

巓ちゃんに見せたら呆れていたけど。

 

確かに巓ちゃんは髪の毛を使って飛べるし、尻尾を生やして腰掛けているところも見たことあるけど。私だって自由に空を飛んでみたいんです。

 

「命、頼まれてた工具借りてきたぞ」

 

「ありがとうございます。鳴海お兄さん!」

 

流石はアメリカの工具箱。日本では見たことのないものばかりだと感心しながら、レンチを使ってボルトを締め付け、頭巾を被せてあげる。

 

「……忍者か?」

 

「次郎丸の後継機なので三郎丸なんてどうでしょうか?ちなみに喋りますし、自由に動けます。しっかりと火遁の術や水遁の術なんていう忍術も使えますよ!」

 

私の解説に感心する鳴海お兄さんの後ろを通りすぎようとしていた職員のひとりが立ち止まり、食い入るように私の作った発明品『からくり忍者ロボット』を見つめて「Oh!!Japanese NINJA!!!!」と叫びました。

 

「ほんやくコンニャクの効果が切れてますね」

 

一口サイズのコンニャクを食べて、興奮気味に三郎丸を見つめています。一応、敵対勢力に対抗する技術を組み込んでいますけど。

 

なんだか不安ですね。

 

「ミコト、忍法を見せてくれ!」

 

「え、えぇ?」

 

こういうのが大好きな人っているんでしょうか?と戸惑いながら三郎丸を起動させ、治療用施設のグラウンドで忍法をお披露目することになりました。

 

「忍者」

 

「忍者だな」

 

男な人はみんな目がキラキラしています。

 

「三郎丸、火遁の術です!」

 

「イイィィヤァァーーーッ!!!」

 

裂帛の雄叫びを上げ、繰り出されたパンチは火炎を纏い、鮮やかに青空の下に炎の雨を作り出す。火遁の術って書いてあるけど。

 

何故か「カトン・ジツ」とも書いてある。

 

 

 

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