慌ただしく子供を避難させる大人達の間を掻き分け、私達は外に出る。ルシールおばあさんとレッシュさん、ラローシュさんはいるけれど。
混戦激しくぶつかり合う「しろがね」と
多分、バンハート博士達と一緒に子供を安全な場所に連れていっているのだろうと思いつつ、シャカシャカと吸入器を振ってお薬を飲み、ゆっくりと稼働時間一時間を越える電光丸を構える。
「……ツカサ君、離れていて下さい」
「そうも行かないだろう。老婆に優男が二人、ただの女子中学生に守られるのは個人的な沽券に関わるし、なによりお前には仕事を頼んでいるんだ」
そう言うと黒いバックルの様なものを取り出して、腰に当てた瞬間、ベルト部分が現れる。なんだかお父様のお部屋にあった特撮のヒーローみたいですね。
「───通りすがりだが、オレも仮面ライダーだ」
「へ?」
「ただし、ラスボスだがな。変身!」
KAMEN RIDE
DARK DECADE
黒いボディスーツに鈍い銀色の装甲、黄色い線を幾つかスーツに刻んだ異様な姿に私は困惑する。かめんらいど。だーくでぃけいど。いったい、どういう意味なんでしょうか?
そう思いながらカードを取り出したケースを剣に変形させ、
「パウルマン先生、変なのが居るよ!」
「ふざけた格好をしているね。でも、恐怖で可笑しくなってしまった彼に、私達に兵器は通用しないとまた教えてあげなくちゃいけないね」
「ガラクタに言われる筋合いは無い。それともオモチャだから遊んでほしくて騒いでるのか?人形遊びをする趣味はないんでな」
「おい。君が誰かは知らないが
ラローシュさんの忠告を無視するどころか理不尽に殴り飛ばし、
強い。ううん、強すぎる。
人間の強さを越えている。
「折角だ。お披露目してやる」
カチャリとツカサ君の変身したダークディケイドの取り出した物に慌てて身体を触って確かめる。
ど、どうやって私が四次元ポケットに入れていたケータッチを取り出したの?と更に困惑しながら、ケータッチにコンプリートカードをセットするツカサ君の背中を静かに見守ることしか出来ない。
DAGBA EL ODiN
ARCH JOKER OROCHI
GRYLLUS DEATH BAT
FINAL KAMENRIDE DARK DECADE
「……なんか、変?」
思わず、そう呟いてしまった。
「まあ、女の子には分からない格好良さだろうけど。強さは完璧……いや、究極だ」
そう言うと此方に彼は向き直った。
両腕と胸に掛けて怪物のカードを身につけているけど。そういうのはダメだと思う。大事な物はもっと丁寧に扱わないといけないんですよ?
「上級生諸君、行きなさい!」
「「「はい。パウルマン先生」」」
「ツカサ君、来てますよ!」
ルシールおばあさんも銃を構えて応戦しているものの、二十人、下手したら三十人を越える
「問題ない」
DAGBA
FINAL KAIJIN RIDE
DAGBA
パラパラとカードが同一の物に変化し、白い怪物がツカサ君の隣に現れる。とても、イヤな気配に身体が竦み、私はルシールおばあさんの傍に駆け寄ってしまう。
FINAL ATTACKRIDE
DA DA DAGBA!!
「ラァッ…!!」
左腕に炎を纏ったままパンチを繰り出した瞬間、上級生と呼ばれた
私はいつも死にかける思いで戦っていた
「……悪魔」
「悪魔だ、悪魔がいる」
そう呟く声が聴こえ始めるとツカサ君は変身を解除してピエロ風の格好に戻り、ケータッチからコンプリートカードを引き抜いて、ケータッチを投げ渡してきた。
「まあ、こんなもんだろ。加藤、あとは任せる」
「……ああ、任せろ」
いつの間にか私達の傍に立っていた鳴海お兄さんは怒りを孕んだ声でツカサ君に答え、左腕の剣を出してパウルマンと呼ばれていた
「……ツカサ君、貴方は何者なんですか?」
「単なる喫茶店の店長かも知れないし、ひょっとしたらノバショッカー首領様かも知れない。はたまた、怪人の王様だったりするかもな。それとケータッチに掛けたセーフティーは解除してくれよ」
「……なんなんですか、本当にもう」
私には、そう言うことしか出来なかった。