果たして、日本海上空で戦う命ちゃん達は───。
「平助、構え」
「……今は仲町サーカスのテント張ってるんだが」
「知らん。構え」
クイクイと長袍の袖を引っ張って私の頼みを断ろうとする平助に文句を言えば困ったように笑っている。私と褥を共にしているのに。
一体、何を嫌がっているのだ。お前のために着慣れていないニュートンアップル女学院の制服を着ているというのに手出ししないつもりか。
ジロジロと私の足を見ているだろう。
全く、貴様は本当に
「クク、私は知っているぞ。男というのは、こういう短く丈を折った
「ノリとヒロだな。ぶん殴ってやる」
「……平助は嫌いなのか?」
怒り心頭で鉄管を運ぶ平助に問いかける。
いつも着物を身に付けているが、夏期休暇も終わって学校も始まっている。一応、恋仲のお前に夏物の制服を見せてやりたかったんだが……。
「巓、まず言いたいことがある」
「なんだ?」
「お前は綺麗だ。俺と恋人になってくれたのも夢なのかと思うときもあるし、どうして俺を選んでくれたのかも分からない。だが、男っていうのは単純なんだ」
「んッ、んんっ…!」
そう言って私を抱き締める平助の心臓はドクンドクンと激しく脈動し、太く逞しい腕に抱かれる高揚感と多幸感に私は隠している白い尾が飛び出てしまう。
ブンブンと揺れる尾が私の感情を振り撒いているようで恥ずかしく思う反面、私の愛する
しかし、疑問は残っている。
「お前はいつ私と結婚するんだ?」
「まだ巓は学生だろう」
「?私は十七歳だ。問題ない」
「そんな不思議そうにしてもダメだ」
私の仕草や行為にドキドキしている癖に、無駄に頑固な平助の身体に髪の毛を巻き付ける。構え、構え、構え、構え、構え、と訴える。
「テン、仕事の邪魔はしてはいけないぞ」
「しろがね、夫婦の営みだ」
「ムッ、そうだったのか」
しろがねの注意を受け入れてやりながら、鉄管を組み立てる平助と才賀の身体を持ち上げてやる。天幕の中を作り上げるのも一苦労する。
「勝、そっち締めてくれ」
「うん!」
特に、私は学校から来ているからな。
しろがねや才賀のように転校することも考えたが、羽虫の考えと行動は見張っておく必要がある。あの男、私の力を何かに吸わせている。
白面の力に執着はしていないが、無いよりましだ。