「ヴッ、ヴぇッ…!」
爆発と悲鳴の聴こえる飛行機を墜落させるために操縦席に迫り来る
私の吐き気や気持ち悪さと引き換えにだけど。
「SAMURAI!!SAMURAI!!!!」
私の後ろに立っている。蹲っている。固まっている。何も戦う力を持っていない搭乗者達の言葉を聞き取るために必要な『ほんやくコンニャク』の効果は既に切れているから、ルシールおばあさんの言葉も分からない。
電池切れになる前に充電器の鞘に電光丸を納めて、フルチャージに掛かる時間を少しずつ溜める。居合のように横一閃に電光丸を振り抜き、ようやく
ただ、鳴海お兄さんとレッシュさんの二人は向こう側に残っている
「無駄だ。無駄だ。この飛行機は落ちるぞ」
「ひゃっ!?」
カタカタと足元に転がってきた頭が喋り始めた事に驚きつつ、私は慌ててスカートを押さえる。電光丸の自動反撃のおかげで戦えているけど。
私の基本スペックは子供と同じ───ううん、本当の事を言えば小学生と大差無い。こうして不意打ちのように近くに転がってきた
「……落ちるって、どうしてですか?」
「外を見れば分かるさ」
そう言うと人形の頭は動かなくなって、人工皮革の瞼を閉じてあげる。人形でも壊すのは躊躇するし、怖いと思ってしまうのも仕方ない事だ。
恐る恐る、窓の外を見る。
「わあ、すごい沢山の人形…」
あまりにも多すぎる
「ばかやろおぉーーーッ!!!!」
「ナルミッ、ここは任せるぞ!」
後ろで聴こえる言葉にまさかと思いながら電光丸を四次元ポケットに戻して、相手の動きをスローモーションとして見ることの出来るゴーグル型の発明品「鈍時鏡」を風避けに身に付ける。
「ミコト、飛行機に戻るんだ!」
「でもっ、飛行機の羽を治さないと…!」
「子供が無茶をするなと言っているんだ!こんなときに我が儘を言うんじゃない!!」
その言葉に身体がビクリと跳ねて強張る。
レッシュさんが私を按じて、避けんだのは昔から言われている言葉だ。「無茶をするな」「危ないからやめなさい」「命は我慢できる、偉い子だ」と言われ続けて、そればかりで誰も私を見てくれない。
「なら、私が戦えれば良いんですね?」
「ミコト、何をするつもりだ!?」
四次元ポケットに片手を入れて、とある発明品を取り出して構える。作った本人として、使うのも戸惑う代物の『強力ウルトラスーパーデラックス錠』を瓶から1錠取り出して、ゴクンと呑み込んだ。
今なら私にも使える。
右手を突き出して、力強く私は願う。
「────槍よ、来なさい…!!」