【完結】からくりと踊り謡う薄命の花   作:SUN'S

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命ちゃんの視点に戻ります。




空の落とし物 破

「ヴッ、ヴぇッ…!」

 

爆発と悲鳴の聴こえる飛行機を墜落させるために操縦席に迫り来る自動人形(オートマータ)達の機械仕掛けの身体を電光丸の自動反撃(オートカウンター)の反応速度を最大出力まで引き上げ、二十体を越える自動人形(オートマータ)を瞬間的に制圧する。

 

私の吐き気や気持ち悪さと引き換えにだけど。

 

「SAMURAI!!SAMURAI!!!!」

 

私の後ろに立っている。蹲っている。固まっている。何も戦う力を持っていない搭乗者達の言葉を聞き取るために必要な『ほんやくコンニャク』の効果は既に切れているから、ルシールおばあさんの言葉も分からない。

 

電池切れになる前に充電器の鞘に電光丸を納めて、フルチャージに掛かる時間を少しずつ溜める。居合のように横一閃に電光丸を振り抜き、ようやく自動人形(オートマータ)の襲撃は静まる。

 

ただ、鳴海お兄さんとレッシュさんの二人は向こう側に残っている自動人形(オートマータ)と戦っている。ゆっくりと一口サイズのコンニャクを口に入れ、ゴクンと呑み込んで電光丸を鞘に納める。

 

「無駄だ。無駄だ。この飛行機は落ちるぞ」

 

「ひゃっ!?」

 

カタカタと足元に転がってきた頭が喋り始めた事に驚きつつ、私は慌ててスカートを押さえる。電光丸の自動反撃のおかげで戦えているけど。

 

私の基本スペックは子供と同じ───ううん、本当の事を言えば小学生と大差無い。こうして不意打ちのように近くに転がってきた自動人形(オートマータ)にも反応できず、情けない悲鳴を上げてしまう。

 

「……落ちるって、どうしてですか?」

 

「外を見れば分かるさ」

 

そう言うと人形の頭は動かなくなって、人工皮革の瞼を閉じてあげる。人形でも壊すのは躊躇するし、怖いと思ってしまうのも仕方ない事だ。

 

恐る恐る、窓の外を見る。

 

「わあ、すごい沢山の人形…」

 

あまりにも多すぎる自動人形(オートマータ)に唖然としながらも飛行機の羽に飛び付く存在に気づき、私は空中浮輪を頭に乗せて、ルシールおばあさんに「お外に行きます!」と伝えて、鳴海お兄さん達の間を走り抜け、空を飛ぶ。

 

「ばかやろおぉーーーッ!!!!」

 

「ナルミッ、ここは任せるぞ!」

 

後ろで聴こえる言葉にまさかと思いながら電光丸を四次元ポケットに戻して、相手の動きをスローモーションとして見ることの出来るゴーグル型の発明品「鈍時鏡」を風避けに身に付ける。

 

「ミコト、飛行機に戻るんだ!」

 

「でもっ、飛行機の羽を治さないと…!」

 

「子供が無茶をするなと言っているんだ!こんなときに我が儘を言うんじゃない!!」

 

その言葉に身体がビクリと跳ねて強張る。

 

レッシュさんが私を按じて、避けんだのは昔から言われている言葉だ。「無茶をするな」「危ないからやめなさい」「命は我慢できる、偉い子だ」と言われ続けて、そればかりで誰も私を見てくれない。

 

「なら、私が戦えれば良いんですね?」

 

「ミコト、何をするつもりだ!?」

 

四次元ポケットに片手を入れて、とある発明品を取り出して構える。作った本人として、使うのも戸惑う代物の『強力ウルトラスーパーデラックス錠』を瓶から1錠取り出して、ゴクンと呑み込んだ。

 

今なら私にも使える。

 

右手を突き出して、力強く私は願う。

 

 

 

「────槍よ、来なさい…!!」

 

 

 

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