外の異変は、サイトたちにも直ちに伝わった。証拠に廃屋全体が大きく揺れ出した。
「なっ、なんだ!?何が起こってるんだ!?」
サイトたちは外の異変を察して外へ飛び出した。
「つ、ツインテール!?なんでこいつがこの世界に!?」
『ツインテールだと!?こいつは確か、古代地球に生息していた種のはずじゃなかったのか!?』
サイトとゼロは、ツインテールの姿を見て唖然とした。
ツインテールは宇宙怪獣ではなく、名前の通り地球の古代に生息していたとされる怪獣だ。サイトもこれまで何度か、地中で眠っていたにもかかわらず何かしらの原因で地上に復活した個体を何度か目にしたことがある。だがここは異世界。クール星人やディノゾールのような宇宙怪獣、そして彼にとって未確認のスペースビースト・ノスフェルならまだしも、地球の怪獣がこの世界で現れるなんてありえないはずだ。
ツインテールは、周囲の木々を踏み倒しながら、こちらの方へ向かってきた。
「きゃあああ!お助けええ!!」
女性の悲鳴がサイトたちの耳に入る。ロングビルが、ツインテールの前で必死に走り込んでいた。
「ミス・ロングビルが!助けないと!」
ルイズが即座に杖を構えるが、それと同時にタバサが指笛を鳴らし、上空に待機させていたシルフィードを呼ぶ。
シルフィードはすぐに降りてきてタバサを乗せると、ツインテールに追い回されているロングビルの元へ一気に飛び、ロングビルもシルフィードが迫ってきたのを見てフライの魔法で飛び、シルフィードの足を掴んだ、ロングビルがシルフィードの背中に登ったところで、シルフィードは一気にツインテールの傍を離れた。
ツインテールは尾を鞭のように振り、シルフィードを攻撃しようとしたが、尾は空を切った。ならばと自力で追いかけるも、足を持たないツインテールの速度では、空を駆けるシルフィードの速度には追いつけなかった。
「ありがとうございます。助かりましたわ」
タバサの後ろから、ロングビルがほっとしてため息を漏らす。
だが安心するのはまだ早い。ツインテールは依然変わりなくこちらに敵意を向けていた。
タバサは呪文を唱え、巨大な氷の槍を作り出した。
「ウィンディ・アイシクル…ジャベリン!」
彼女の意思の元、氷の槍はゴーレムに一直線に向かい、その体に突き刺さる。
地上にいたキュルケも後に続いて、ファイヤーボールよりもさらに火力の高い火炎弾をツインテールに向けて発射する。
「フレイムボール!!」
激しい情熱の炎。大抵の奴なら身を焦がすだろう、だが、ツインテールはびくともしない。
「KUAAA!!」
氷の矢を体に刺され、顔に灼熱の炎を浴びせられて、逆にツインテールは苛立ち、身をくねらせながら、周囲の木々を薙ぎ倒しつつ暴れ狂う。
魔法の射程圏内にまで接近しなければ、魔法を当てることはできない。しかしあの巨体だ。シルフィードの方がすばしっこいとはいえ、近づくのは危険すぎる。
「流石に、怪獣の相手なんて聞いてないわよ!」
手に負える相手では無いと、キュルケが声を上げる。
戦うにしても、相手はフーケ、同じ人間のはずだったのに、なぜ怪獣の相手をするハメになったのか。
「キュルケ、確かにすげぇ炎だったけど、あれくらいじゃツインテールは倒せねぇ。他の怪獣とコンビを組んだ上でだけど、あいつは一度ウルトラマンを負かしたことがあるんだ!」
「ウルトラマンに勝ったですって!?なおのことあたしたちじゃ勝てっこないわ!」
ウルトラマンに勝った。サイトからそれを聞いて、もはや勝ち目なんて発想自体が愚かなものにしか思えなくなってきたキュルケ。
シルフィードに乗ったままのタバサとロングビルが、サイトたちの下へ合流した。
「乗って」
皆にもシルフィードの背中に乗るように言い、サイトたちも後に続いてシルフィードの背中に乗った。全員が乗ったところで、シルフィードは飛び立った。
ツインテールは、シルフィードに狙いを定め、その身をくねらせながら暴れだした。だが足ではシルフィードの速度に追いつけない。
するとツインテールは、尾を使って器用に近くの木を地面から引っこ抜き、それを飛び道具にシルフィードに向かって投げつけてきた。
「やだ!砂が顔に!」
「あのやろ!こんなことまでできたのか!」
投げつけられた木々の根から飛び散った土や砂が、こちらにも降ってきて地味に効く。サイトも、ツインテールがこんな手で遠距離攻撃を仕掛けてくるとは思いもせず声を上げる。過去に地球に現れた個体に、こんな芸当を行ったことはなかったはずだ。
しかも結構な頻度で連続して投げてきている。これでは、ツインテールに近づくこともできない。
「…退却」
打つ手がないのならその手しかない。ここは一度退くのが得策だった。タバサは退却を提案した。
「ダメよ!あいつはここで倒さなくちゃ!」
が、それに待ったをかけたのはルイズだった。
「ルイズ、あんた何言ってんのよ!」
「いえ、ミス・ヴァリエールの言う通りです」
何をバカなとキュルケが言うが、ロングビルはルイズの案を肯定する。
「あの怪獣を放置すれば、いずれ魔法学院に向かい大きな被害をもたらすのは確実ですわ。ここで仕留めておいた方が、後の憂いを断てます!」
確かにここから魔法学院までは、馬車で 時間ほどかけた地点だが、遠い距離では無い。しかも相手は推定50メイル(地球単位でメートル)を誇る怪物。その気になれば自分たちの足よりも早く、魔法学院に接近して災厄をもたらすだろう。しかも今の魔法学院はクール星人の襲撃の爪痕が残っている。十分な修復を受けても壊滅しかねない被害だったのに、そこにまた怪獣が襲い来ればひとたまりもない。
「けど、私たちの魔法が全く効いてなかったわよ!」
でもいくらここで倒すことがベストな選択でも、キュルケの言う通りそれをなすだけの戦力が決定的に欠けている。
もちろん倒せるものなら倒したいが、トライアングルクラスのメイジであるキュルケとタバサ。ロングビルもトライアングルと仮定し、ここで剣術を扱えるサイトを加えても、到底あの怪獣を倒せるとは思えなかった。爆発しか起こせないルイズを加えても、所詮雀の涙にしかなりえない。
魔法学院を襲ったクール星人の円盤と、トリスタニアを襲ったディノゾール。モット伯爵邸を破壊したノスフェル。自分たちだけで倒せるなら、ウルトラマンが出張る必要などなかったはずだ。
…ここまでは作戦通りと、ロングビル…フーケは思った。後は、サイト…この少年に破壊の杖を使わせる。それで使用方法さえわかれば、後は破壊の杖を奪い、とんずらをかませば今回の犯行も完了だ。
「あの、お二人とも」
その筋書き通りに、「破壊の杖を、使ってみませんか?」と打診しようとしたが、想定外のことが起きた。
「だったら、これを使ってみる!」
「ルイズ!」
ルイズが、サイトから破壊の杖をひったくり、シルフィードから飛び降りたのである。
サイトやキュルケの引き止めるような声もお構いなしに飛び降りたルイズ。
「あ、あの子何をしてるの!!?」
シルフィードの上から見下ろしているキュルケも、ルイズのとった行動に驚愕していた。
「っ!いったぁい…でも、これくらい…!」
飛び降りた高さが、何とか着地できるだけの高度だったとはいえ、着地の際の衝撃が足に伝わり、痺れてしまう。だが、意地で立ち上がった彼女は、破壊の杖を持ち上げる。重い上に大きくて、持ちにくい。魔法の杖とは思えないものだ。
「見てなさいよ怪獣!あんたなんか、私がやっつけてやるんだから!」
破壊の杖を構えて、迫りくるツインテールを睨みつけた。
破壊の杖を構え、魔法に使う呪文を唱え始める。
「ファイヤーボール!」
詠唱を完了させ、火の魔法でツインテールに攻撃を仕掛けるルイズ。
だが…
何も起こらなかった。
「なんで!?これ、『破壊の杖』じゃなかったの!?」
ルイズは愕然とした。なぜ?
彼女は、この杖を使いさえすれば、名前の通りあの怪獣を倒せる威力を持つ魔法を撃てるのではと考えていた。たとえいつもの失敗魔法であったとしても、破壊の杖の力で威力が向上してさえいれば、きっと怪獣を倒せるのだと…しかし、彼女の失敗魔法の可能性を含んだ上でも、その失敗魔法すら起こらないという、ある意味一番最悪の結果だった。
ツインテールは。ルイズが自分に破壊の杖を向けていたことなど、気づいてもいないようで、シルフィードを狙い続けている。
「やめろルイズ!逃げろ!」
サイトは、ツインテールの投擲から逃げるシルフィードにしがみつきながら、ルイズに向かって叫んだ。
「嫌よ!」
しかし、彼女は逃げようともしなかった。破壊の杖が使えないのに、それでも逃げずにツインテールに立ち向かおうと、今度は自分の自前の杖を構えていた。
「止せ!前にディノゾールが現れた時も言っただろ!お前が敵いっこない!」
『サイトの言う通りだ。あのバカ、この期に及んでまだあんな寝言ほざいてんのか!』
説得を試みるサイトだが、ルイズはそれでも逃げようとしない。
サイトの中でも、ゼロは自分の出番が来る時がもう来たことを確信していたが、意地でも逃げないルイズがあまりにも目に余った。
「もう、あの子ったら!」
キュルケがルイズの行動に対して歯噛みした。使命感の高さは結構だが、これではルイズが怪獣の餌食になってしまう。撤退すべき事態なのに、ルイズがそれを拒んでいるせいで、この場にいる全員が命の危機に瀕することになってしまった。
『どうせゼロのルイズには無理だよ!』
『もうさっさと退学しちまえよ。魔法が使えないんだから』
『何度も爆発で教室をめちゃめちゃにして、迷惑なのよ!』
『ミス・ヴァリエール、君はどうしてこんな簡単な魔法すら成功できないんだ。…全く、なんでこんな劣等生が、あの公爵家から出てきたのか』
『お嬢様、今日も魔法に失敗したみたいよ。旦那様たちも大変ね』
『ちびルイズ。あなたには努力が足りないんじゃなくって?』
『ルイズ、魔法が使えなくともよい。私はお前が生きてくれさえすれば…』
学院の生徒たち、心無い教師が、使用人や家族、今まで自分の失敗魔法に対する冷たい声がずっと、ルイズの頭の中で響き続ける。気遣う声もなかったわけではないが、その言葉さえも、有能なメイジを輩出してきた公爵家に生まれたことを誇りにしていたルイズにとって、自分のコンプレックスを刺激するばかりだった。
貴族としての矜持を、誇りを…フーケのような貴族たらんとする意思を忘れたことの愚かさを、盗賊に教えてやらなければならないのだと、眼前で暴れ狂うツインテールを見上げた。
奴を倒しさえすれば、周りの奴らも自分を『ゼロ』と呼ばなくなる。家族だってきっと認めてくれる。自分も、家名に恥じないメイジなのだと立証できる。
その妄執ともいえる頑なさが、逃げることを許さなかった。
「私は貴族よ!魔法が使える者を貴族と呼ぶんじゃない!!敵に後ろを見せない者を貴族と呼ぶのよ!!」
彼女の、絶対に逃げてはならないと言う貴族のプライドが。それは確かに恐怖を押し殺されてくれたのかもしれない。だが…
地球防衛軍は、自分たちより遥かに強い敵と戦ってきた勇敢な戦士たちだ。それは同時に、知恵と知識を振り絞って、敵との差を埋めたからこそ地球を守ることができた。たとえ作戦が失敗することがあっても、それを覚悟して強大な敵を戦い、勝利を勝ち取って守るべき地球の人々を守ることができた。
でもルイズはどうだ。プライドの誇示のために、ただ馬鹿正直に真正面に立っているだけ。
これは勇気なんかじゃない。ただの無謀だ!
再び魔法を使って攻撃するルイズ。しかし、やはりツインテールには敵わない。小さな火花しか起こらなかった。
しかも今ので、ついにツインテールがルイズの存在に気が付いた。
「KUAAAAAAAAAA!!!」
地上を飛び回るすばしっこいのより、こちらの方が簡単に食べられると、すぐにわかったツインテールはルイズの眼前にまで迫り、大きな口を開けてルイズに食らいつこうとした。
「ひ!」
腰が抜けて動けなくなってしまった。絶望の表情が彼女の顔に表れる。
「…キュルケ!」
「!」
タバサはキュルケの目を見て叫ぶと、その意図を察したキュルケは即座に〈ファイヤーボール〉を詠唱し、ツインテールの顔に向けて放った。さっきは木々を投げつけてきたり、あの巨体で暴れられるせいでこちらが距離を開けるしかなかったが、ルイズに気を取られている今なら、近づいて魔法を撃てる。
キュルケの放った火球は、ツインテールの顔、それも目元付近に命中、視界を奪われ、方向感覚が一時的に狂った。そのタイミングを見計らったタバサが杖を振るった。
「〈フリーズスモーク〉!」
彼女によってツインテールの周囲を真っ白な霧が立ち込め、ツインテールの視界を奪い去る。
動揺したツインテールは、突然発生した霧に視界を奪われ、その場で動きを止める。食べようとしたルイズの姿も見失った。同時にシルフィードがルイズの傍に地上に降りた。
「ルイズ、大丈夫か!?」
上空から降りてきたシルフィードから降りてきたサイトが、ルイズに怪我をしてないか尋ねる。
だがルイズは、サイトたちに怒鳴った。
「じ、邪魔しないで!!あれくらい私にだって…」
「は…?」
「ルイズ、あなた何言ってるの!?」
サイトは口をぽかんと開けた。
キュルケも信じられないと耳を疑った。こっちが助けてやったというのにこの言い分は無いではないか。
「あいつは私が倒すの!トリステインの公爵家三女、ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールが!」
「いい加減にしなさいルイズ!あんたねぇ、頭の中までゼロになったわけ!?こっちはあんたが逃げなかったせいで死にかけたのよ!あんたを助けるために!」
流石のキュルケも、微熱どころか烈火のごとく怒った。だが宿敵の家出身という理由からか、貴族のプライドも混じってルイズはキュルケの話を聞こうとしない。
「うるさいうるさい!だったらあんたたちだけ逃げればいいじゃない!!ここで逃げたら、また『ゼロのルイズ』って言われるだけよ!」
「…!!」
言葉には出さなかったが、キュルケどころか、あのタバサでさえこの勝手な言い分に不快感を感じた。眼鏡の奥にある青い瞳に、怒りの炎が燃え上がっている。
その時だった。
バシン!!
サイトが、ルイズの頬を叩いた。
呆気にとられるルイズ。そして怒っていたキュルケとタバサも、怒りの炎を無意識のうちに鎮火させて驚いていた。
「この大馬鹿野郎!!貴族がどうした!!結局死んじまったら、お終いだ!!何の意味もないだろうが!!」
叩かれた頬を押さえ、俯くルイズ。
「お前、伯爵の屋敷ん時、俺に勝手な真似すんなって言ったろ!なのにお前がこんなことしちゃ世話ないぜ!」
キュルケたちも、サイトの怒鳴り声に、気圧された。ルイズの行動が無謀だったとはいえ、彼がここまで怒るとは思わなかった。
「…だって」
ルイズの声が、肩が、震えていく。
「いつも…いつも……みんなから馬鹿にされて…家族からも…認められなくて………悔しくて………
逃げたらまた馬鹿にされるじゃない!!」
顔を上げたときの彼女の桃色の瞳からは、大粒の悔し涙が流れ落ちていた。
サイトは、理解した。ルイズの今の行動は、彼女自身が一番愚かだと分からないわけではなかったのだ。
しかし、いつも無能という意味でゼロゼロと馬鹿にされ続けて…そんな情けない自分を変えようと、精神的に自分を追い詰めてしまっていたのだ。
気が強くてプライドばかりが無駄に高い生意気娘…でも、実際はこんな戦いが苦手で大嫌いなただの女の子だった。一回り小さな子供のようにも見えた。
(…あたしたちのせいでもある、かしら…)
キュルケは、ルイズがこうなってしまった一端が自分にあると思い始めていた。自分もルイズをゼロと馬鹿にし続けてきた一人。まさかルイズが、あんな自殺行為同然の行動をとるなんて思いもしなかった。
「KUAAAAAA!!」
だが、今は泣き出しているルイズに付き合える状況ではなかった。タバサの作り出した霧の中で、ツインテールが金切声を上げながら、強引にタバサの白い霧を振り払った。
「くそ!しんみりさせろよ!」
悪態をつくサイトの頭の中で、ウルトラマンゼロの声が聞こえてきた。
『……っち、…馬鹿な奴だぜ。大した力もないのに、無謀なガキだ。あの怪獣に潰されておしまいになっちまうところだったってのに』
正直ルイズはゼロから見てみればただの雑魚同然の小娘。力の差なんか一目瞭然だったのに。
しかし…ルイズの涙を見て何か思うところがあったのか、その声色は…どこか穏やかだった。
『…あぁそうだな、確かに馬鹿だ。大馬鹿だ。けど…』
『あぁ…』
『「なんとかしてやりたくなっちまうだろ!!」』
二人の声と意思が、重なった。
サイトはキュルケからもらった黄金の剣を抜く。左手のルーンが光って、さらにゼロとの同化による肉体強化で身体能力は向上。彼は上に飛び上がって、ツインテールの眉間に剣を突き刺そうとする。
しかし、黄金の剣は突き刺さるどころかツインテールの体表に全く歯が立たす,
あっさりボキッ!!と根元からへし折れた。
「お、折れたぁ!!?」
思わず某竜騎士の名を持つ仮面の特撮ヒーローのごとく悲鳴を上げたサイト。ゼロの言っていた通り、ただのなまくらだった。
「ゲルマニアの業物じゃなかったの!?あの武器屋、いつか詐欺で訴えてやるわ!!」
これを見て不服を露わにしたキュルケ。せっかくサイトに送った剣がなまくらだったとは。色仕掛けで値下げに誘導したキュルケもキュルケだが…ここは置いておこう。
ツインテールは、今度はサイトを狙って口を開ける。
「この!」
サイトは、鍔のみとなった黄金の剣をツインテールに投げつけ、黄金の剣の鍔はツインテールの口の中へホールインワンした。すると、ツインテールは不快そうに声を散らした。
ツインテールのギザギザの牙の間に、サイトが投げつけてきた黄金の剣の鍔が、歯の間に挟まっていた。それを取ろうと必死にもがいているが、二足歩行の人間や動物と違って、指も手もないツインテールは自力で取り出すことができない。
「デルフ、力を貸してくれ!」
「おう!やっと出番か!ったく、あんななまくらじゃなくて最初から俺っちを使えよな!」
もう一本、あらかじめデルフを持ってきて正解だっただろう。文句を言いながらもデルフは張り切っている。
ツインテールは、歯と歯の間に引っかかった黄金の剣の鍔を取り出そうと暴れている。よほど不快なのか、こちらに目もくれてない。
「よっぽど気持ちが悪いみたいだな。だったら、特別に取り出してやるよ。ただし代金は!!」
サイトはルーンを青く光らせながら跳躍、頭上から剣を振り下ろした。
「テメェの歯だ!!」
「GAAAA!!?」
その一太刀により、黄金の剣を挟んでいたツインテールの牙が、他数本の歯諸共切り落とされた。
ツインテールは歯を奪われ悲鳴を上げ、痛みにのたうち回る。その振動で周囲が地震を起こしたように揺れ動く。
今度はロングビルが杖をふるって魔法を発動させた。ツインテールの四方八方に、土壁のバリケードを作り出して閉じ込めた。
「使い魔さん!戻って!」
「はい!」
ロングビルからの声を受け、サイトは皆の元へもう一度引き上げる。新たにデルフを引き抜き、ルーンの力を発動させて体を強化し、皆の元へ引き上げる。
ツインテールは、バリケードによって動きを止めたが、すぐに邪魔くさいと頭突きでバリケードを壊し始めた。わずか一回の追突でバリケードにヒビが入る。
皆の下に戻ってきたところで、改めてツインテールを見る。ロングビルの作ったバリケードがわずか数秒の時間と、数回の頭突きで粉々に散った。サイトを見るその目は怒りに満ちていた。
「くそ、ちょっと痛めつけたくらいじゃ、逃げてくれないか!!」
怪獣との戦いは、何も怪獣を殺すだけが勝つ方法ではない。和解が可能な手段があればそれを選び、戦うにしても一定のダメージを与えれば、向こうが怖気付いたりして撤退することもある。しかし後者の場合も、痛めつけられた果てに逆上し切ってさらに暴れる可能性もあった。
歯を切り落とされて、ツインテールは怒り狂っている。
『やはりここは…俺が』
意を決して、ゼロが変身を促そうとしたその時、ロングビルがサイトに言った。
「使い魔さん、破壊の杖を使ってください!」
「え?」
「さあ、早く!」
半ば押し付けるようにロングビルは、ルイズが地面に落としていた破壊の杖をぐいっとサイトに渡す。
(ほら使い魔君、あんたが破壊の杖を使って、あの怪獣をやっつけて見せるんだよ!)
これがフーケの真の狙い。サイトの左手のルーン、それは伝説と謳われた使い魔『ガンダールヴ』のルーン。それを刻まれし使い魔はあらゆる武器を扱うことが可能となる。ならばあの破壊の杖も例外ではないはず。そう考えたフーケは、わざとあの廃屋に盗み取っていた破壊の杖を残し、それをサイトたちに回収させたのだ。
山道に向かってツインテールをわざと起こしたフーケは、サイトに早く破壊の杖を使えと心の中で催促する。
受け取ったサイトは破壊の杖に目を落とす。
見覚えというか懐かしさがある。なにより、この箱に刻まれしエンブレムに彼は見覚えがあった。
「やっぱりそうだ…『ウルトラマンレオ』と共に戦った地球防衛チーム…『MAC』のエンブレムだ!」
『何!?レオだと!?』
それを聞いた、サイトの中のゼロは耳を疑った。地球の防衛軍の武器だと?それが破壊の杖の正体だと言うのか。
これにはルイズも、サイトが破壊の杖のことを知っていると言う事実を聞き逃さなかった。
「知ってるの、サイト!?」
「ああ、学校で習ったからな!」
箱を開き、中に入ったものを確認する。これは、なんとも大きなバズーカなのだ。担いでみると、左手のルーンが青く輝いた。
「『MACバズーカ』…わかりやすくて助かるぜ」
他に手段がない今、頼れるのはこの武器だけだ。サイトはすぐにMACバズーカを担ぎなおし、照準をツインテールに合わせる。こいつでツインテールの頭を吹き飛ばせれば…
一方でロングビルを演じ続けるフーケも、作戦通りに思惑が向かっていることにうきうきした。やっぱりあの少年は使い方を理解している。なら彼がこれから破壊の杖をどのように使って怪獣を倒すか、見届けなくては。
サイトは破壊の杖…もとい、MACバズーカの安全装置を解除、砲口をツインテールの顔に向けた。
「伏せてろ!」
サイトの言葉に従い、全員が姿勢を低くした。
同時にサイトの手で、バズーカの引き金が引かれ、
照準は、ツインテールの目!
「発射!!!」
カチッ!引き金を引くと同時に、轟音が鳴り響いてツインテールの体に火花を荒らしのごとく起こしていった。
ルイズの失敗魔法による爆発とは違う、相手を確実に仕留めるための、精度ある一撃。
「KUAAAAAA!!!?」
いきなりのとてつもない攻撃力を孕んだ反撃に動揺し、そしてダメージを受けるツインテールは大きく怯んだ。
「す、すごい…これが破壊の杖の威力」
「ひえぇ!おでれーた!!戦艦備え付けの大砲以上じゃねぇか!」
破壊の杖ことMACバズーカの威力を目の当たりにしたルイズはごくりと唾を飲み込む。しかし、まさかサイトが破壊の杖をこうもあっさり使って見せたことにも驚いていた。ディノゾールの時も、クール星人の時も、そしてウルトラマンのことも、彼は自分たちが知らないことを何でも知っているように思えた。ではあの破壊の杖は、サイトが知っているものの一つに違いない。
デルフもこの威力には仰天していた。
酷く傷ついて血を流したツインテールは、ぐったりと萎びたように倒れ込んだ。
「怪獣、死んだの?」
ルイズが、倒れたツインテールを見て呟く。一方でサイトは、MACバズーカを肩から降ろしてそれを見つめていた。
(なんで、怪獣頻出期の兵器が、この世界にあるんだ?)
「すごいわダーリン!メイジでもないのに、破壊の杖を使いこなして怪獣をやっつけるなんて!」
「おわ!」
「ちょ…キュルケ!あんたねぇ!」
キュルケがサイトに抱き着いてきた。ツインテールがまだ生きているのではないかと警戒していたルイズは一瞬で気が逸れ、キュルケのスキンシップに目くじらが立ってしまう。
『おいサイト。何か忘れてないか?』
ゼロの声が、サイトの頭の中に響いた。
『え?何かって…』
「…フーケは?」
タバサのその一言に、全員がはっとした。
言われてみれば、フーケはどうしたのだろう。
…そろそろ頃合いか。ロングビルはサイトからMACバズーカを取り上げた。
「ろ、ロングビルさん?」
「まさかあんな化け物を倒せる威力だったなんて、さすがは破壊の杖ってところかしら」
急に不穏な雰囲気がロングビルから発せられ、サイトたちがまさか…!と勘づき始めたが、その時既にロングビルはMACバズーカの砲口をサイトたちに向けていた。
「動くんじゃないよ」
ロングビルは、先ほどのサイトと同じ構えでバズーカを担ぐと、自らの正体を明かし、念を押す意図から杖を振るって、大型のゴーレムを作り出した。
「昨日のゴーレム!じゃあ…」
ゴーレムを見て、ルイズがまさかと声を上げる。
「ええ、あたしがフーケさ」
眼鏡を外し、ついに自らの正体を暴露したロングビル…フーケにサイトたちはギョッとした。
「ロングビ…いや、フーケ!そのバズーカを返せ!それは人類を守るために使う武器なんだ!人に向けるものじゃない!」
サイトにとってあのバズーカは、地球を救ってきた偉大な先人たちの強い意志の結晶。それが盗まれ人に向けられるなどあってはならない。
「高尚なことだね。心構えまで伝説の使い魔ガンダールヴっていうのかい?」
「が、ガンダー…?は?」
不意にフーケが口にした単語に困惑するサイト。
「けど悪いね。こいつを返すわけにいかないんだ」
やはり破壊の杖の返却を、フーケは拒んだ。
「ミス・ロン…いえフーケ、あんただって元は貴族でしょう!こんな薄汚い真似して!恥ずかしくないの!?」
ルイズがフーケに怒りを向けるが「動くなって言ったはずだよ!」とフーケに、破壊の杖をガチャっと向けられ、悔しげに口を包んだ。
「箱入りヴァリエールのお嬢さん。悪口を言われてるだけで、恵まれた環境でずっと暮らしてきた、おめでたいあんたにはわからないんだよ。
泥を啜ってでも生きなければならない環境に、理不尽に追い落とされたメイジの気持ちなんかね」
「な、なんですって…!」
こっちが、クラスメイトたちから馬鹿にされ続けてどれだけ苦しかったのかも知らないで、と言い返したかったが、フーケもまたこちらに怒りの目を向けていることに気づく。
フーケはそこまで言ったところで、ため息を漏らす。
「喋りすぎたね。そのままじっと動かないままでいれば、何もしないままさよならしてあげる。破壊の杖はこのままいただいていくよ。
さあ、わかったらさっさと得物を捨てな」
フーケは武器を捨てるように警告する。
サイトはデルフを、
『なぁゼロ、今の俺の力であいつを止められるか?』
サイトは、自分の中でこの事態を見ているゼロに尋ねた。
『愚問だな。俺と一体化している以上、あの女の言ってることは警告にもならねぇ』
『でも、俺たちが少しでも動けば、あの人はバズーカを撃ってくるぞ?そうなったらルイズたちは…』
MACバズーカにはまだ残弾が残っていたはずだ。
怪獣は大抵、弾1発で仕留められないほどの生命力。だから地球防衛軍の対怪獣兵器は特殊な物を除き、確実に怪獣を仕留める、あるいは少しでもダメージを与えられるよう何発も弾を仕込まれている作りになっている。あれも例外ではない。撃たれれば、ウルトラマンと一体化しているサイトはなんとか無事であっても、ルイズたちの華奢な体はバラバラにされてしまうだろう。
地球の人類を守るための兵器が、ただの殺人兵器として扱われるなんてゾッとする。
『いいからデルフを捨てるフリして突っ込め。躊躇ったらその分、あの女がバズーカを撃つだけの一瞬の隙ができるぞ。それが嫌なら、覚悟決めて突っ込め。それともこのまま、あの兵器が転売されちまうのを黙って見てるか?剣を捨ててルーンの加護を失えば、マジでそうなっちまうぞ!』
『けど…』
ゼロは早く行けとサイトに催促した。だが、サイトはもしも間に合わなかった時のことを恐れ、躊躇してしまう。
しかし、ここに来てサイトたちにとっても、フーケにとっても予想だにしなかった事態が発生した。
ツインテールの暴れ狂いによる地鳴り以上に、もっと大きな揺れが襲ってきたのだ。
「何?なんなの?」
「…」「ひゃ!!」
サイトは自分の傍にルイズを寄せて、彼女の安全を確保する。いきなり体を密着させられたものだから、男慣れしていないルイズは思わず顔を赤くしていた。一度文句を言ってやろうと思ったその時、地面から砂のしぶきが上がった。
砂の飛沫の中から出現した巨大な影。それは地上に現れると同時に異様な外見を露わにした。
サイトは失念していたことを痛感した。ツインテールとワンセットになっている…もう一体の怪獣がいたと言う事実を。
地面からさらに、ツインテールとは別のもう一体の怪獣が出現したのである。
ツインテールの天敵である『地底怪獣グドン』である。
「GIEAAAAAAAAAAAA!!!!」
「か、怪獣がもう一体!?」
「グドンも一緒かよ!!!」
驚くキュルケ。サイトはツインテールとグドンの、捕食者と獲物としての関係性を知っていたものの、地球でしか生息していないはずのツインテールに続きグドンもいた現実に絶句する。いや、異世界だからってそう何度もずっと前に地球で起こっていたことが起こるわけがないと慢心していたのかもしれない。
「っち!ゴーレム、やってしまいな!」
フーケの命令に応じ、ゴーレムはグドンを殴りつけた。人間相手なら、当たればミンチにすることも容易いだろうその一撃だが……グドンは少し仰け反るくらいの効果しかなかった。
グドンはフーケのゴーレムを睨み、その鞭をふるった。鉱物であるツインテールを目の前に邪魔をされた苛立ちもあったのか、幾度もその鞭を叩きこんだ。フーケのゴーレムはその猛烈な乱打に耐えきれず、粉々に砕け散ってしまう。
しかも、さらにサイトたちを追い詰める事態が起こる。
「ッ!KUAAA!!」
グドンの出現と同時に、倒したはずのツインテールが、息を吹き返したのである。
「さっきの怪獣が!」
「倒したんじゃなかったの!?」
「ちょっとサイト!どうなってんのよ!」
「いや俺に聞かれても!!」
ルイズがやや乱暴に詰め寄るも、サイトもてっきりバズーカの一撃でツインテールが斃れたと思っていたため答えようがない。
グドンはツインテールの肉を好むため、ツインテールからすれば天敵。地底怪獣の名を持つ通り地面の下に生息するツインテールは地中を掘り進む天敵の存在を感じ取りやすかった。自分を狙ってきたグドンの接近を地面を通して察し、己の生存本能が刺激されたことが、グドンの出現に伴う覚醒に至ったのである。
現れたグドンと、ツインテールの視線が互いに重なると、二体の怪獣たちはサイトたちに目もくれず戦い始めた。
グドンの鞭の攻撃に、元より負傷状態のツインテールは、それでも生きようと必死にグドンに抵抗した。
しかしあの巨体の化け物が二体同時に暴れられるせいで、近くにいたサイトたちにもその余波が襲う。
散り散りに巻かれる木々や土が雨霰のように降り注いでくる。
(っち、破壊の杖の使い方を知りたかっただけなのに、こんな事態になるなんてね…)
フーケはこの不測の事態に焦った。
もう破壊の杖手元にあるのだし、サイトのおかげで使い方も覚えた。顔も学院の生徒たちに明かした以上ここにいるのはまずい。さっさとここから離れてしまおう。かわいそうだが、ここでルイズたちに怪獣の餌食になってもらった方が都合が良い。
サイトたちを置いてフーケは一人、破壊の杖を持って脱出を図った。
「あ、こら待ちなさいよ!」
ルイズが待つように叫ぶがやはりフーケは無視して、破壊の杖を持ったままフライの魔法で飛び去る。
追いかけようとしたルイズだが、キュルケが彼女の肩を掴んで留めた。
「もうここにはいられないわ!逃げましょ!」
「でもフーケが!それに怪獣は!」
「あんた、サイトに同じこと言わせるわけ!?」
先ほどの過ちを引き合いに出され、ルイズは息が詰まる。
その間タバサは、みんなに木々や土飛沫が落ちてこないよう、風の魔法で吹き飛ばしていた。
「このまま共倒れを狙った方がいい。一旦学院の方に引き返して報告する」
「くっそ!あの怪獣たちさえいなけりゃ…!」
サイトも悔しさを滲ませた。
フーケは破壊の杖を手に入れ、サイトたちからも怪獣たちからも距離を開いたところでふぅ、と安堵のため息が漏れた。怪獣たちもお互いに揉み合い、あの若者たちもその余波から逃げるのに必死のようだ。破壊の杖を取り戻すどころでもないだろう。
もうここまで来れば、いつものように逃げるだけ。
(もうこれ以上は付き合ってられない!『あの子たち』のためにも、あたしはこんなところで!)
この場から離れること以外考えず、フーケは中空を飛び続けた…
が、それは油断となった。
飛行しているフーケに向かって、不幸にもグドンとツインテールの戦いの余波で飛び散った大きな石の礫が、彼女の体に向かって飛んできて直撃してしまった。
「がぁ…!!」
石礫の一撃を受け、フーケは地上に向かって落ちてしまう。
「ロングビルさん!」
それを見たサイトは無意識のうちに体が動いていた。
「サイト!」
いくら破壊の杖を持っているままとは言え、まさかあのフーケを助けに行くつもりか!?
キュルケから警告を受けたこともあって大人しく今は逃げることを選んでいたルイズだが、無茶をしだしたサイトを引き留めようとするが、グドンとツインテールの取っ組み合いでまた石礫や大木が飛んできて、サイトを追うこともできなかった。これ以上地上に留まるのは危険だ。
「乗って!」
タバサから促され、ルイズとキュルケはシルフィードに乗ると、シルフィードは彼女たちを乗せて大空へ飛び立った。
ロングビルさんを…フーケを見つけなくては。あの人は破壊の杖…MACバズーカも持っているままのはずだ。
デルフを持って駆けるサイトに、ゼロがサイトの中から怒鳴りだした。
『サイト、お前あんな盗賊風情を助けるってのか!?』
盗賊…犯罪者をどうして助ける義理がある?ゼロには理解しきれなかった。
「放っておくことなんかできないだろ!」
『あいつは他人から盗みを働きやがった悪人だぞ!助ける通りなんざ何もねえじゃねえか!』
「黙れよ!!俺は盗賊を助けてるんじゃねえ、ただ助けたい人を助けるんだ!!」
ゼロは、今までサイトを舐めてきた。実力も精神的にも自分の方が優れていると自負していた。でも、さっきからどうしてだ。こいつの気迫に完全に打ちのめされている。
『お前…』
それ以上サイトはゼロの言葉を聞けなかった。
サイトはとにかく突っ走った。デルフを握った状態で、ウルトラの力が体に宿った身の彼は、想像を超える速さでグドンとツインテール戦いの場を風のように抜け出し、そして見つけた。
フーケは走った先に聳え立つ木の枝に、引っかかっていた。ハンモックで横になっているようにも見えるが、フーケは酷い怪我を負っていた。MACバズーカは彼女の手にはなかった。先ほどの怪獣の攻撃で宙に放り上げられたときに手放してしまったのだろう。
いや、あのバズーカを見つけるよりも、早く彼女の下へ駆けつけなくては。もう怪獣たちは、いつでもフーケに止めを刺せる近距離にいる!もう殺されてもおかしくない。
「まだ…死ねるか…」
「!」
「あたしが…死んだら…誰…が…あの子達を…!」
今の声、微かだったがサイトには聞こえていた。今際の時に口に出したその言葉は、誰かを思う言葉だった。
彼女は、汚い手口を使ってまで贅沢をしたかったわけじゃない。恐らく、自分以外の誰かのために手を汚してきたのだ。
「GUGAAAAAAAA!」
もう後ほんの一瞬でもフーケを殺せるグドンの攻撃を妨害する時間はない。
グドンが、ツインテールの体当たりでこちらに倒れてきた。ダメだ、やっぱり間に合わない!!
「『テファ』…」
『サイト!』
もうこれ以上、サイトでは無理がある。
ゼロの戦う意志に沿って、サイトの体が眩い光と超合金の鎧に包まれていった。