ウェールズが、夢や幻であればどんなにいいだろうと思うくらいに驚愕していた。
サイトも、科学を進歩させ続けてきた地球出身ということもあって、『それ』を見たときは驚愕せざるを得なかった。
「始祖の箱舟!?あれが…!?」
天井を破壊したのは、科学の『科』の字も知らないハルケギニアの文明では決して作り出すことのできない、赤と白の模様をボディ全体に刻み込んだ……巨大なロボットだった。
「皇太子様、あのロボットがマジでそうなんすか!?」
頭を抱えるウェールズに、サイトが尋ねた。
破壊の杖=MACバズーカを目にした時もそうだったが、まさかあんなオーバーテクノロジーもいいところな物が、このファンタジーな世界に存在しているなんて。
「あぁ、始祖の方舟には二つの姿がある。一つはあの始祖をこの世界へ連れてきたとされる、飛空挺としての姿。もう一つは、赤き鉄巨人としての戦闘形態。
しかし、どういうことだ!あれの場所は王家の者以外の誰にも漏らされない、一子相伝の伝承として伝わっているもののはず!!それに、あれは従来のアルヴィーやゴーレムと違い、手に入れたところで動かすことなどできないはずだ!!」
驚愕の色を拭えず、声を上げるウェールズ。
そうしている間にも、『始祖の箱舟』はルイズを右手の中に握って捕らえたまま、サイトたちから背を向ける。逃げるつもりだ。
「放して!」
ルイズももがいて脱出しようとするが、彼女の華奢な力では到底脱することはできなかった。
『始祖の箱舟』はルイズを捕えたまま、背中のブースターに火をボウっとつけると、空に向かって飛び去って行く。
「まま、まずいんじゃないかい!確かルイズは…」
ギーシュなんて平静さを保てずオロオロしていた。
ルイズは、アンリエッタから回収を命じられていたウェールズの手紙を持っているはずだ。
「ルイズ!」
サイトは駆け出していった。
「使い魔君!」
ワルドやウェールズ、他の仲間たちが引き留めようとしたが、速過ぎて間に合わなかった。
サイトの移動速度は、彼らの想像を超えるほどまでに速かった。こちらが追いつこうと必死になっても距離がどんどん広がる。
「な、なんて速さだ。彼は本当に平民なのか?」
ウェールズたちは一旦足を止めた。流石にいつまでも追跡し切れるだけの体力は彼らにはない。
(シルフィードの速度よりも速かった…)
タバサは、サイトの移動速度がシルフィードをも超えていたことに内心驚いていた。
「殿下!一大事であります!」
その時、アルビオン王党派所属の兵士が教会内に飛び込んできた。
「何事だ!?」
「怪獣保管庫爆破の任についていたギル船長たちが、予定の時刻から大幅に遅れた今現在になっても帰還なされておりません! 作戦が失敗に終わった可能性、大!
加え、レコンキスタ軍が怪獣を引き連れ、ニューカッスルに攻め来ております!パリー様およびグル船長たちが指揮をとり迎え撃っておりますが、
敵軍は作戦準備中の我が軍の隠れ港を通って侵入!
上下双方から挟み撃ちを受け、壊滅も時間の問題にあります!」
「なんだって!?ギル船長たちが!?」
「それに、あの隠れ港の位置がバレただと…!」
兵士からの報告にウェールズとグレンは驚愕する。
戦力的にまだ勝ち目が見えていたのは、グレンたち炎の空賊団の存在と、大陸の真下の隠し港の存在だ。あそこがまだ残ってさえいれば、アルビオン大陸の各地へ雲や霧を潜って別の拠点に身を移し再起を図ることも可能だった。
だが、怪獣爆破
敵がこちらの隠し港を特定し、そこから攻め入って残存する王党派と空賊団の連合軍を一息に潰しにかかれば…
現在、王党派はゲン担ぎを兼ねたルイズの結婚式の傍ら、式に出席しない者たちによって次の作戦の準備も進めていた。そのため本隊の戦力は少し削がれている。この状況から見て、式に出席している者の本隊への合流は必至だ。
「式に出席している者は総員現場にて部隊を引き連れ本隊と合流、敵と交戦せよ!」
「は!」
命令を受け取り、伝令兵は結婚式に出席していた王党派貴族たちに伝えるべく、すぐに教会の方へ向かった。
「済まない、私はこれからニューカッスルの本隊と合流し指揮を取る。グレン、君は」
「わかってる。始祖の方舟に捕まった桃髪の嬢ちゃんを助けに行ってくから、お前も自分の仲間を助けに行ってやれ。ついでに船長やうちの仲間も頼むわ。すぐ追いつくからよ」
「無論だ!」
ウェールズはグレンと互いに頷き合う。
「よっし、いっちょやったるか!ファイヤああああああ!!」
グレンはその身を炎で包み込み、炎そのものとなって上空へ舞い上がり、炎の巨人グレンファイヤーの姿となって始祖の方舟に掴み掛かった。
グレンが炎の巨人へ変身したのを見届けると、ウェールズはギーシュとキュルケ、そしてタバサの方へ向き直る。
「君たちはすぐにこの場を離れたまえ。本来君たちは無関係だ」
「し、しかし…」
それぞれルイズに抱く印象等は違えど、同じ学友であることに変わりない。ルイズが捕まった状況でみすみすこの場を離れるのは気が引ける。
ふと、ギーシュがあることに気づく。
「あれ、子爵はどちらに行ったのだ?」
「ルイズを助けに行ったんじゃないの?」
率直な予想を立てるキュルケが言う。
しかし、タバサは首を横に振った。
「タバサ?」
「……嫌な予感がする」
急いでルイズを助け出さないと!
サイトはデルフを構え、ガンダールヴのルーンによって一気に速度を上げた。風のように、道中の木々をもすり抜けるようにかいくぐりながら、後から追ってくるワルドたちとの距離が見る見るうちに広がっていく。
左目の方に見えている、ルイズの見ている地上の景色も小さくなり始めている。
皆に追いつかれる前に、この足を速めている間に変身を……!
(…!)
いや、待て。俺は今…変身しようと思ってたのか?
サイトは自分がしようとしていたことに気が付いて躊躇した。
自分は、ゼロに頼ることをやめたはず。それなのに…
『おいサイト!なんで俺に変わろうとしねぇ?』
ゼロの声が頭の中で響いた。
「う、うるせぇ!ほっとけよ!」
反射的に、サイトはテクターギア越しにゼロに怒鳴り散らした。だがゼロは怯みもしなかった。
『お前が俺を嫌ってるのは理解してるが、この状況ほど、俺に頼るべき時はねぇはずだ。俺に代われ!俺があのチビを助けてやる』
「ふざけんな!王都も、港町も好き勝手にぶっ壊しやがった野郎なんか信用できるか!お前なんかに代わったって、敵ごとルイズを殺されるのが目に見えてんだよ!引っ込んでろ!」
そうだ、こんな奴をウルトラマンとして信用なんかできない。敵を倒すことを優先して街の被害を拡大させてしまうような奴に頼ったりなんかしたら、ルイズの身に危険が及ぶことなんてわかり切ってるじゃないか。なのにこいつは、自分の行いを棚に上げて…!
『…ッ、だったら今のてめぇに何ができる!?このまま指をくわえて眺めてみるくらいしかできねぇだろ!』
だがゼロも痛いところを突いてきた。事実、空を飛ぶことも、飛んだところでゼロの力を頼らずにあのロボットからルイズを取り戻すことなどできないことは明白だ。
しかし、だからといって…こいつに変わったりなんてしたら…ルイズや、ここにいるみんながこいつのせいで…!
左目のルイズの見ている景色に変化が訪れた。
彼女を捕まえている始祖の箱舟が大きく揺れた。グレンが炎の巨人グレンファイヤーに変身し、始祖の箱舟にしがみ付いて地上に落下する光景だ。
グレンファイヤーはそのまま地上に始祖の箱舟を強引に下ろし、始祖の箱舟の右手に握られた状態のルイズに向けて手を伸ばす。
「嬢ちゃん!」
グレンの呼びかけと伸ばした手に応え、ルイズもその腕に捕まろうとしたが、始祖の箱舟の方が手が早かった。
始祖の方舟の目からパラパラと光がルイズに向けて降り注ぐと、ルイズの体が半透明に透けていった。
「な、何よこれ!なにがどうな」
それ以上言葉が続かなかった。動揺するルイズの体はパラパラと粒子状に砕け、始祖の方舟の中へと吸い込まれていった。
「嬢ちゃん!」
「ルイズ!」
グレンファイヤーとサイトの声が重なった。
サイトにはすぐに理解できた。始祖の方舟は、ルイズをその体内に取り込む形で捕らえてしまったのだ。
「相棒!」
デルフが叫び出した。
突然、銃弾のように放たれた鋭い風の針が、サイトを貫こうと迫ってきていた。
『!』
それに対するサイト…否、ゼロの反応は早かった。
咄嗟にデルフで一閃、その風の針を叩き落とした。
「っひゅう、さすがもう一人の相棒。今の不意打ちもものともしねぇってか」
デルフがカチャカチャと鳴らしながらゼロの反射神経を讃えた。だがこれに対し、サイトは不満を露にする。
「よ、余計なことすんなよ!あれくらい俺にだって…」
『けっ、亀みたいにのろまな癖に良く言うぜ!俺がいなかったら今頃串刺しだったぞ?』
「…!」
「なぁ、喧嘩するのはそこまでにしといた方がいいぜ。
見ろよ、奴さんがいる」
ゼロに減らず口を叩き返してやろうとしていたサイトだが、デルフがおちゃらけた口調から一転してガチの声色で二人に言う。
まさか、誰かが自分たちを狙って?サイトと、彼の目を通してゼロも風の針が飛んで来た方を見る。
人がいる。それも黒いマントを頭までかぶり、その顔も…仮面で覆われていた。いかにも怪しさ満点の相手だ。
フーケか?いや、確かに黒いマントを身に着けているが、よくよく考えると今さら顔を隠す意味がないから、彼女ではなさそうだ。
『どうやらお前を狙って撃ってきたみてぇだな。この状況から見て、ルイズを狙って邪魔なお前も始末しようって魂胆だろうな』
「野郎……あ!」
デルフを構えつつ、仮面の男に警戒する。
すると、仮面の男はさっと向こう側の森の方へと、フライの魔法で飛びながら移動し始めた。
「待ちやがれ!」
ルイズのことも気になるが、グレンに始祖の方舟の相手を任せ、サイトはその後を追って行った。
絶対に逃がさない。あの仮面野郎、あのタイミングで自分に不意打ちを仕掛けてきた以上、ルイズを攫った始祖の箱舟と何か関係があるかもしれない。
捕まえて吐かせてやる。もし奴をボコして情報を引き出せば、ルイズを助け出す足掛かりにできるかもしれない。それに…
(あのワルドさんだって、俺のことを少しは見直すはずだ!凡庸な人間なんて言わせねぇ!)
サイトも、ゼロとさして変わらない不安定さを抱えていた。自身が程度の知れた人間に過ぎないと、ワルドに辛辣な評価を下された彼は、自分の価値が確かなものであると、強い承認欲求に駆られていた。
追って、とにかく追い続けた。だが相手は魔法で飛行し続けているためか、中々追いつけずにいた。だが、そこはやはりウルトラマンと一体化し、加えてガンダールヴのルーンの加護もあってか、サイトが次第に追いついてきた。
今だ、一気に距離を詰めて勝負を決めてやる!
サイトは跳躍、仮面の男の頭上からデルフを振り下ろした。
「うおおおおおお!!」
サイトによって振り下ろされたデルフの刀身が、仮面の男が纏うマントを捉えた。しかし…
デルフの刀身が当たると同時に、仮面の男のマントはすぽっとすり抜けた。
「なに!?」
全く手ごたえがない。間違いなく当てられるはずだった一撃は空振りに終わった。残されたのは奴が纏っていた黒マントだけ。
俺が追っていたのは、只の幻だったのか?いや、そんなはずがない。もし奴がただの幻だとしたら、ゼロやデルフも気づいて一声かけていたはずだ。
だったら、奴は一体どこに?周囲を見渡しても奴らしき姿は見当たらない。
『サイト、耳を済ませろ!奴はメイジだから、呪文を唱えているはずだ。それを辿れば…』
「命令すんなよ…!」
サイトはゼロからのアドバイスに、不本意さを口にしながらも、言われた通り耳を澄ませた。
奴は身を隠しながらこちらに魔法を打ち込んでくるはず。草の陰に潜む蟲のさざめきすらも聞き逃すまいと、耳を澄ました。
人と言うのは目で追うのが当たり前の生き物。聴力のみに頼って相手を見つけるのは至難だ。
どこだ?一体どこに…
「………」
かすかだが聞こえた!サイトは聞こえた方に向き直り、すぐさま駆け出した。
進行先には思った通り、あの黒マントが木々に隠れて呪文を唱えていた。
何を唱えているかは知らないが、こっちはその魔法を打ち込む前にボコしてやる!サイトはデルフの峰の側を向けて、仮面の男の気絶を狙う。こっちはガンダールヴの、加えて不本意だがウルトラマンの力を授かっている。奴の詠唱よりも早く一撃を与えることができるはずだ。
…と、自分の力を過信していたのが、サイトのミスだった。
もう仮面の男は、詠唱を完了しきっていたのだ。
仮面の男が杖を頭上に向け、それを振り下ろした。
デルフが「いけねぇ!」と叫んだがもう遅い。
「〈ライトニングクラウド〉」
轟音より早く一瞬のうちに頭上から落ちてきた雷がサイトの体を直撃、やがて轟音が鳴り響くと同時に、
ズドオオォォォォン!!!
サイトの前身を激しい痛みと熱さと痺れが駆け巡った。
「…っが…!?」
全身を痙攣させながら、サイトはデルフを落として前のめりに崩れ落ちた。
仮面の男は、サイトの生死の確認のためか近づいてきた。
やばい、体が思うように動かない。今にも意識が飛びそうだ。
今倒れてしまってはルイズが…
サイトは歯を食いしばり、激痛と痺れでガチガチになった体に鞭打ちながら立ち上がった。
「何…!?まだ意識を保っているだと!?」
仮面の男は驚きの声を漏らした。彼にとってもサイトが今の魔法を受けてなお立ち上がったことが予想外だったらしい。
「ライトニングクラウドを受けてなお立てるとは…流石と言うべきか」
仮面の男は、マントの下からゴソゴソと何かを取り出す。三日月のように捻じ曲がった形状の赤く明滅する石…フーケがガボラを目覚めさせた時に使ったものと同じ石だ。
「お前、やっぱフーケの仲間か…!その石…まさかてめぇ…」
「だが、どのみち運がなかったな。ここで貴様を始末することは確定している。
この怪獣の力を持って、己の無力さを恥じながら灰になるがいい、ガンダールヴ!」
仮面の男が赤い石を頭上に掲げると同時に、その輝きに惹きつけられるように地面が隆起、そこから怪獣が出現した。
巨大な花のようなものが顔のように着いている醜い怪物だった。
怪獣は出現した途端、サイトに向けて鼻の中心部から真っ黄色の粉を吐き飛ばして来た。
「!」
一瞬にして辺り一面、チョークの粉のような花粉で森の木々や草は黄色に染まった。
その中にリスや鳥といった野生動物たちもいたが、その花粉を浴びた途端、苦しそうな鳴き声を漏らし、泡を吹いて地面に落ちていく。その身はやがて真っ黒な墨のように朽ち果てていった。
生物を炭化させる花粉…それがこの怪獣…
『ブルームタイプビースト・ラフレイア』の恐るべき武器であった。
『出して!ここから出しなさいよ!』
鋼鉄の巨人の姿となった始祖の箱舟の体の中で必死にもがき脱出しようとするルイズ。たまらずルイズは壁を殴って始祖の方舟に訴える。しかしやはり、始祖の箱舟は何も答えない。
『この…ファイヤーボール!エア・ハンマー!』
魔法で爆発を起こして内部から破壊しようと試みたが、教室一つめちゃくちゃにできる威力の爆発でも破壊することができなかった。
魔法が効かず、強固な牢の中に閉じ込められてるも同然の身で、華奢な体の彼女の力では到底脱出などできなかった。
『いや、やだ!サイト!助けてサイトおおお!!』
自分の力ではどうにもならないと本能で理解したルイズの心を、絶望や恐怖が支配した。何もできない自分への無力感、何者かの悪意によって好き放題されるだけの未来を創造したことによる絶望。
そんな彼女の頭に浮かんだのはワルドでもアンリエッタでも、旅に同行した魔法学院のクラスメイトたちでもない、自分が犬や使い魔だの言い、普段からなんだかんだこき使いながらも、誰よりも頼りにしていた、使い魔の少年だった。
だが、どれだけ叫ぼうともサイトが現れるような気配はない。頭では魔法も使えないサイトが来ることも、来たところでこんな大きなゴーレムを相手にルイズを救うことなど不可能と言える。それでもルイズはサイトに助けを求めていた。
そんな光景を、ある男が見ていた。
肉眼で直接見ていた、というわけではない。閉じている瞼の下に、その光景を映していた。
一種のテレパシーによる遠視だった。
このままあのロボットの逃亡を見過ごせば、ルイズがその先で何をされてしまうかわかったものではない。
変身し一気に詰めれば十分に追いつける。
その男…もう一人のウルトラマン、黒崎修はエボルトラスターを取り出し、鞘から引き抜く姿勢をとった。
しかし…
バン!
突如、シュウの足元の地面が爆ぜ飛んだ。
「!?」
常に平静さを保っているような無表情な彼でも、このタイミングでの奇襲に表情が焦りで崩れた。
すかさず彼を狙って、暗い紫色に染められた光弾が襲い来る。
シュウは駆け出していった。彼の立っていた場所は光弾の直撃で抉れて小さなクレーターを作り出す。
爆発の砂煙で周囲の景色が隠れていく。敵の姿を確認しようにも、これではまるでわからない。そうして周りを見ている間にもまた煙の中から光弾が飛んでくる。今度は正面からだった。
シュウは後ろへ後転しながら白い銃ブラストショットを取り出し、波動の弾丸を正面に撃った。
紫の光弾とブラストショットの波動弾がぶつかって共に消滅した。
―――――――フフフフフフフフ…
笑い声が、正面の煙の中から聞こえてきた。
武人のような無骨な男の声と、少女の声が入り混じった不気味な声だ。
(この声は…)
シュウの中で嫌な予感がした。
確か、『TLT(ティルト)』のデータベースにあった…
いやまさか、そんなはずはない!あのデータによると、『奴』は既に…
だが、悪い予感ほど的中するというのが、この世の認め難い因果。
シュウの悪い予感通り、その相手の正体が、風に消えた砂煙の中から姿を現した。
「馬鹿な…貴様は」
その姿は、一目見ればウルトラマンそのもの。
だがその黒く染まった目とカラータイマー、
身に刻まれた血のような赤と、漆黒の闇を思わせる黒い模様、
身に纏う邪悪な雰囲気が、光の戦士であるウルトラマンとは真逆の存在であることを露骨に表していた。
『そう、私は光を呑み込む 無限の闇…』
ファウスト…