M78星雲、光の国。
その世界は、地球人から見れば見るだけで感動を催す光景が星全体に広がっていた。一点の闇さえもないほどの光り輝いた都市の、人間の作るビルなんて比べ物にならない巨大な建物の群れは鏡のように反射している。
建物の根本の道には、数多くのM78星雲人たちが地球人たちと同様に、友人同士で喋りあったり、自分たちの腕の中にいる赤ん坊を抱きしめる夫婦がいたり、道上を走りながらはしゃぐ子供たちと様々だった。
この街は『クリスタルタウン』。歴代のウルトラ戦士たちの所属する宇宙警備隊の本部もこの街に存在している。
すると、その本部に向かって飛来する二人の戦士がいた。
一人は、M78星雲人の中で最初に地球に訪れたとされ、科学特捜隊の『ハヤタ・シン』と同化し地球を守った
怪獣退治の専門家『初代ウルトラマン』。
もう一人は、その次に地球を訪れ、『モロボシ・ダン』としてウルトラ警備隊に参加した、
地球を愛した真紅のヒーロー『ウルトラセブン』。
赤色の豪勢で立派なマント『ブラザーズマント』を靡かせ空を飛行しながら、彼ら二人は宇宙警備隊本部へ降り立った。
「大丈夫かウルトラマン、それにセブンよ」
彼らを出迎えてきたのは、宇宙警備隊の隊長にしてウルトラ兄弟No.1『ゾフィー』。
長く地球に留まった経験はないが、幾度か地球を訪れ、他の兄弟たちと共に守ったウルトラ戦士だ。
「しばらく連絡が取れなくなったから、心配しました」
そう言ってきたのは、凶悪な侵略者『異次元人ヤプール』と戦った
ウルトラ兄弟の5番目の戦士『ウルトラマンエース』。
ウルトラ兄弟の中で最も多くの光線技を保有し『技のエース』とも呼ばれている。現在の彼は、防衛チーム『TAC』に所属していた地球人『北斗星司』と完全に一体化しているため、彼の意識は地球人北斗星司でもありウルトラマンエースでもあると言う特殊な存在にもなった。
「まさか、『奴』自ら直接干渉があったとは…済まない。しばらく何もできずにいた」
済まない、と初代ウルトラマンは頭を下げた。
「私も、メビウスたちが破壊したはずのあの鎧を封じるのに手いっぱいだった。ある若者のおかげで、こうして戻ってくることができたのだが」
セブンも自身の無力さを嘆くように拳を握った。
「でも、無事で本当によかったです。ハヤタ兄さん、セブン兄さん」
次に現れたのは、若々しさを放つウルトラマンだった。
サイトが中学生だった頃、26年ぶりにウルトラマンの存在をその身で地球人全てに認知させた、
ウルトラ兄弟のNo.10の若きルーキー『ウルトラマンメビウス』である。
地球人の新生CREW GUYSの隊員『ヒビノ・ミライ』として行動する際、ウルトラマンで初めて防衛軍の仲間や世間にその正体を知られてなお、愛する仲間と地球人のために最後まで戦い抜いた戦士でもある。
ふと、セブンが兄弟たちに尋ねてきた。
「ところで、ゼロはどうしている?」
ゼロとは、間違いなくハルケギニアで戦っている若き戦士『テクターギア・ゼロ』のことだ。
「それが、レオとアストラの報告だと、二人がK76星に二人を狙ってやってきた星人と戦っている間に、隙を見て逃げ出したと」
「何!?」
エースが言いにくそうにしながらも報告すると、初代ウルトラマンは耳を疑った。
「K76星から一体どこへ?」
セブンがもう一度訪ねると、今度はゾフィーがその問いに答えた。
「アストラの報告だと、地球に向かってからの痕跡が途絶えてしまったとのことだ」
「まだ彼は、正義を持たない力の危険性を理解していません。早く見つけ、連れ戻さなくては」
メビウスもゼロ、そして彼の身を案じるセブンを心配してそう言った。
「ああ、まだ奴はレオに預けている身。すべての修行が終わらない限り、ウルトラ戦士としてもう一度戦う資格を与えてはならないのだ」
セブンもまた、遠くの空を見上げながら、どこかで生きているであろうゼロを思う。
「ゼロ、お前はまだ学ばなければならないのだ。真の強さとは、見かけの力などではない。もっと根源的で、どのような存在においても大切なものから起こるものでなければならないのだ」
遠い星を見つめゼロを案じるその目は、ただ同じウルトラマンの同胞を見るだけではない、特別な思いに溢れていた。
地球から何光年も離れた光の国の輝きは、さらに遠く離れた地球に似た星…後の『惑星エスメラルダ』のハルケギニア大陸へと向かっていく。
文字通り、光の速さで何年もの長い時をかけながら…