そのキバで僕を噛んでくれ!   作:松田ゐふ

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これから始まる大レース!!

 さぁ第十八回国立雄英高等学校予選第一レース*1まもなく出走です。

 

 パーパラパーパラパーパパラパー

 

 というわけで、今からレースに参加するハルくんだよ!

 前回の感想で、僕がリューキュウと浮気するみたいなこと言われてるけど、違うからね!

 この体育祭をきっかけに、リューキュウ事務所にスカウトしてもらいたいだけだからね!

 

 というか、これ以上彼女増やしたら、切奈とトガちゃんに殺されちゃうよ!

 

 あと、竜化したリューキュウに噛まれたい人とは是非ともお友達になりたいから、僕に連絡ちょうだいね!

 

『スターーート』

 

 なんてことを考えていたら、スタートの合図が聞こえる。

 僕はごった返すスタートライン付近を、バリアを使い皆の頭上を通って抜ける。

 僕がスタートラインを超えたあたりで、地面が一気に凍りついた、誰かなんて見なくてもわかる轟くんだ。

 

「さっそく妨害か……本気だね」

 

 轟くんのあとを追うように、僕も走り出す。

 氷結による妨害はA組はもちろん、B組や他の学科の人にも読まれていたようで、結構な数が前に出る。

 

「じゃあ僕もあんなこと言った手前、情けない姿は見せられないよね」

 

 僕の後方にバリアを展開し、爆豪や八百万さん等真っ先に前に出た人たちを妨害する。

 僕のバリアは強力だけど、範囲が狭いため数人妨害するのが限界だ。でも、機動力や応用力に長けた人たちの動きを止めれたから、結果オーライだ。

 

『さーて実況していくぜ!解説アーユーレディ!?イレイザー!』

 

『無理やり呼んだんだろが』

 

『早速、A組の轟が大胆に妨害をしかける!だが、流石は同じクラス!読まれてたみてぇだぜ!』

 

『流れるように、張理有も妨害して1位2位を独占!これには爆豪も怒りシントーだ!』

 

「待てやァ!半分野郎!変態野郎!」

 

 ……変態野郎って僕のことじゃないよね?

 僕は変態じゃない、仮に変態だとしても変態という名の紳士だよ。

 

 僕の妨害が癇に障ったのか、爆豪くんは目を釣り上げて追いかけてくる。

 僕はバリアを足場にし、得意のパルクールで轟くんと並び、第一関門に到着した。

 

「轟ぃ!ハルゥ!オメーらの裏をかいてやったぜ!くらえ!オイラの必さッ!?」

 

 その体格差で、僕や轟くんの妨害を避けた峰田くんが、モギモギを投げつけようとした瞬間……ロボットによって吹っ飛ばされた。

 

 ……峰田くん、君のことは忘れないよ。今度君のお墓にグラビアをお供えするね。*2

 

『さーてこれが第1の関門!!ロボ・インフェルノ!!』

 

 峰田くんに心の中で合掌していると、実況のプレゼント・マイク先生がコースを説明してくれた。

 

「クソ親父が見てるんだ……もっと骨のあるやつ連れてきて欲しかったよ」

 

 マジかよ……。

 入試で大暴れした0P敵を一瞬で氷漬けにしちゃったよ……。

 え?僕もあれとやり合ったんじゃないのかって?

 確かに僕も入試で、0P敵を壊したけど……それは《バリアブルスマッシュ》を使ったからだよ。

 それでも動きを止めるだけで、完全に破壊した訳じゃない。

 

「防御なら負けないんだけどな……。機動力や攻撃力となると……課題が多くなるよね」

 

 今後の課題について愚痴りながら、バリアで0Pの頭上を通り、第一関門を抜けていく。

 

『同じくA組、張理有もバリアとパルクールで、華麗に第一関門を突破!!』

 

 ロボット相手に結構な氷結を出したはずなのに、消耗している気配がない轟くんを追いかけ、僕たちは第二関門へと進む。

 

 ……なんというか……僕に有利なところだね!

 無数の足場の間に深い穴がある第二関門は、僕の独壇場だった。

 足場と足場の間にロープが張ってあるけど、僕の場合は無視できる。

 

『第二関門!落ちればアウト!それが嫌なら這いずりな!ザ・フォール!!』

 

「僕が一番乗り!!」

 

『張理有それありぃぃぃぃ!?』

 

『“個性”を使って、合理的に突破したんだ……有りだろ』

 

 ロープを氷結の推進力で滑っていく轟くんを、バリアの上を走って追い越す。

 カメラよ僕を撮れ!大画面で映せ!リューキュウに届けろ!!

 欲望が力になり、第二関門はあっという間に突破できた。

 

『さて、ここでトップの轟を抜かし1位に躍り出たのは、張理有ハル!』

 

 現在のレースの状況は、僕が最終関門の前まできて轟くんがそれを追っている。

 少し遅れて爆豪くんや機動力に長けたクラスメイトが第二関門を突破した辺りだ。

 ……緑谷くん“個性”の使い方を見直して、機動力も上がったはずなのにまだ第二関門の途中だ、何してるんだろう?

 

『最終関門は一面地雷原!!怒りのアフガンだ!!!地雷の位置はよく見りゃわかる!!目と足酷使しろ!ちなみに地雷!威力こそは大したことねえが、音と見た目は派手だから失禁必至だぜ!』

 

『人に依るだろ』

 

 いけないいけない、今は自分のことだけ気にしないと。

 ……というかここも僕の独壇場じゃね?

 地面に埋まっている地雷を踏まないように進むこのステージは、バリア持ちの僕なら余裕でクリア出来る。

 轟くんも凍らせれば地雷は防げるけど、後から来る人達に道を作っちゃうけど、僕にはそれがない。

 

「世界は今!僕に味方している!!」

 

 轟くんも最終関門に入ったけど、道を作るかどうかで少し躊躇したのか、僅かに速度が落ちた。

 僕は全速力で最終関門を走り、ゴールを目指す。

 

「させねぇ」

 

「俺を忘れてんじゃねェ!!」

 

 独走する僕を追いかけるために、轟くんは地面を凍らせて道を作り、爆豪くんは爆破を器用に使い空中移動で差を縮めようとする。

 “個性”を使った追い上げに、ただ走っている僕が首位をキープできるはずもなく、一瞬で三つ巴のレースが始まる。

 イケメンに挟まれる形で走る僕は、爆豪くんの爆破と轟くんの氷攻撃をバリアで防ぎながら、なんとかこの状況を抜け出せないか思考を巡らせる。

 

 

BOOOOOM

 

 

 特にいい案も思い浮かばず、最終関門もあと少しといったところで、後方からとんでもない爆風と爆音が僕たちの背中を押した。

 

『後方で大爆発!!?何だ……あの威力!?偶然か故意か…………A組……緑谷、爆風で猛追ィーーー!!!?』

 

 やっぱり君は凄い奴だよ。

 僕たちの頭上を通り過ぎ、トップに躍り出た緑谷くんに僕は最高だと笑う。

 

 レースの行方はまだわからない。

*1
適当

*2
峰田「まだ死んでねぇよ!!?」

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