そのキバで僕を噛んでくれ!   作:松田ゐふ

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リベンジマッチ!バリア対エンジン!

『さて、最終種目が始まってド派手なバトルが続く中、コイツらはどんな試合を魅せてくれるのか!』

 

『俺的に裏で女殴ってそうな男……第1位!A組張理有ハル!!』

 

「ちょっと待て!なんだその紹介ィ!まるで僕が女の子を殴ってるみたいなイメージ持たれるじゃん!!撤回を要求します!!」

 

『対するは、真面目街道一直線!委員長は止まらない!同じくA組飯田天哉!!』

 

「無視すんなァ!!」

 

『それじゃあ行くぜ!スタート!!』

 

「あぁもう!」

 

「よそ見してる暇はないぞ!」

 

 プレゼント・マイク先生の紹介に文句言いたかったけど、飯田くんがそれを許してくれるはずがない。

 案の定、スタートと同時に接近戦を仕掛けてくる。

 

「やっぱり速いね」

 

「そういう君こそ、俺の蹴りに対応してるじゃないか」

 

「前にも言ったでしょ、目が良いんだよ」

 

「あぁそうだったな!」

 

「今日はヤケに元気だね……何かいい事でもあった?」

 

「君にリベンジできるからな!張り切りもするさ!」

 

「嬉しいこと言ってくれんじゃん」

 

 初めての戦闘訓練と同じように、高速蹴りを放つ飯田くん。僕はバリアは展開せず、回避に徹する。

 戦闘訓練の時と違ってこのスタジアムは広く、飯田くんは存分に“個性”を使用できている。

 

「避けてばかりじゃないか!バリアはどうした!」

 

「使って欲しいの?」

 

「おちょくるのはやめてもらおう!」

 

『飯田の猛攻に張理有防戦一方!!このまま押し切れるか!!』

 

 プレゼント・マイク先生の実況が会場を盛り上げる。

 いい感じに注目が集まってきたかな。

 

「いいよ使ってあげる」

 

「ッ!!」

 

 僕の顔面を狙った鋭い蹴りは、目の前で展開されたバリアで防がれる。

 

「前もこんなことあったよね」

 

 あの時はテープだったけど今日は違う。

 

《バリアスマッシュ》

 

 蹴りを防がれたことで、隙ができた飯田くんに僕はバリアを纏った拳を放つ。

 

「ッ!?」

 

「あちゃー……避けられちゃった」

 

 体勢を崩しながらも、飯田くんは僕の攻撃を回避し、後方へと飛び距離を取った。

 

「やはり君が相手だと、どうにもペースを持っていかれてしまう」

 

「僕ってカップリング的に……受け側だと思うんだけどなぁ」

 

「何を言っているんだ!?」

 

「あれ?飯田くんわかるの?」

 

「いかん!また乗せられるところだった!」

 

「飯田くんおもしろーい」

 

「一気に決めるしかないか……レシプロバースト!

 

 瞬間、飯田くんの蹴りが僕の腹を打ち抜いた。

 目ではその動きを捉えていた、しかしその速さに体が対応できなかった。

 

『飯田!無敵と思われたバリアを突破して!重い一撃を当てることに成功したぞ!!』

 

 まさか、オートバリアが展開する僅かなラグを速度で突破したのか……こりゃ調子に乗りすぎたね。

 

「痛いねぇ……」

 

「躱さなくていいのかい?」

 

「躱す必要がないからね」

 

「なにッ!?」

 

 レシプロバーストの初撃は、初見だったこともありオートバリアの隙を突かれたけど、来ると分かってたらオートよりも先に、任意でバリアを展開できる。

 

「それにさ……そんな技があるなら、戦闘訓練でも使ったはずだよね?使わなかったってことは何かしらのデメリットがあるんだろ?」

 

《バリアブルスマッシュ》

 

 飯田くんの高速攻撃を、任意で展開したバリアで防ぎつつ、僕はその場でジャンプして足元に拳を放つ。

 バリア同士がぶつかり合い、圧縮されていたエネルギーがスタジアムに直撃する。

 僕を中心にスタジアムが波打ち飯田くんの機動力を奪う。

 

『なんだその超パワーは!!?顔に似合わないモノスゲーパンチでスタジアムが半壊したぞ!!?』

 

「なにッ!?」

 

「誇っていいよ!轟くんと爆豪くん相手に使おうと思ってた、《バリアブルスマッシュ》を使わせたんだ!僕の想像以上だったよ!」

 

 壊れてはないけど、痛む右腕を見て飯田くんを褒める。

 

「まだレシプロは切れていない!ここを逃せば勝機はない!」

 

「残念だけど、上取られた時点で君の負けだよ!」

 

「ッ!?」

 

 僕の着地を狙って強引に接近したのが運の尽きだね。

 壊れてボコボコになった足場は、飯田くんの動きを制限して、僕がマウントポジションを取りやすいようになった。

《バリアブルスマッシュ》の反動を利用して、飯田くんの上に乗った僕は彼の首を締める。

 

「どうする?このまま落ちるのを待つか……それともここで降参するか?」

 

「……ッ降参だ!」

 

「飯田くん降参!張理有くん……三回戦進出!!」

 

 僕のことを振り下ろそうと、全力で体を振る飯田くんだったけど、ふくらはぎのマフラーから煙が出てきたら動きが止まった。

 飯田くんは悔しそうに、ミッドナイト先生に降参を伝え僕が準決勝に駒を進めた。

 


 

「切奈、勝ったよ!頭撫でてぇ」

 

「はいはい見てたよ、よく頑張ったね」

 

「ついでに噛んで欲しいなぁ……なんて冗談で~す」

 

「かっこいいところ見せたと思ったらすぐこれだもん……でもまぁそういう所が良いんだけどね」

 

「切奈すきー」

 

「私もだよー」

 

 飯田くんとの試合が終わり、僕は切奈に膝枕してもらいながら、試合の疲れを癒してる。

 羨ましいでしょ?でも残念、代わってあーげない!これは僕だけの特権だからね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで君がここ(B組の席)にいるのかなぁ!!?」

 

「あ、いたんだ物間くん」

 

「最初からいましたけどぉ!?」

 

「物間うるさい」

 

「君はどっちの味方なんだい!?」

 

 物間くんは面白い人だ。まるで叩けば鳴るおもちゃみたいで、リアクションが面白いからついからかいたくなる。

 僕たち初対面なんだけどね!

 

「それにしても……ハル大丈夫?」

 

「平気!平気!」

 

「ちゃんと答えな、飯田の蹴り結構重いの貰ったよね?」

 

「あぁそういうこと?……そういやハイにならなかったね」

 

「やっぱりどっか悪いんじゃ」

 

「いや、痛かったよ……でもこの前食らったアレと比べるとそこまでかなって」

 

「アレって?」

 

「こっちの話……でも、ハイにならなかったってことは、僕の体も段々普通になってきてるんじゃないかな?」

 

「そうならいいけど……」

 

「きっとそうだよ……正直な話、ハイなるとさバトルジャンキーな感じて皆から評判悪いんだよね」

 

「だって怖いし」

 

「だよね~……だから気にしなくていいよ、むしろ常に面白くてかっこいい僕が見れるんだから、そっちの方がお得じゃない?」

 

「そういうことは自分で言っちゃいけないんだ」

 

「じゃあ切奈が言ってよ」

 

「また今度ね」

 

 僕の頭を撫でてくれる切奈の手を握り、安心してと微笑む。

 まるで映画のワンシーンみたいな状況だね!僕が見るのは、サメ映画が多いからこの後、サメに食い殺されると思うけど、なかなかロマンチックな絵じゃないかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「早くクラスの席に戻りなよ!?」

 

「まだいたんだ」

 

「いるよ!さっきからずっとここにいるよ!」

 

「まぁまぁ落ち着きなよ……というわけで次回、僕と轟くんの準決勝だよ!お楽しみに~♪」

 

「誰に話してるんだい!?」




オリ主の個性について補足

《バリアブルスマッシュ》の威力について、疑問を抱いた方がいるかもしれませんので、この場をお借りして先にお答えします。

ネタバレと感じる方もいるかもしれませんので、読む際はご注意ください。




















この作品のオリ主は、もう一つの作品のオリ主と違い、雄英入学前に個性訓練を行っていません。

やっていたのは、バリアを足場にしたパルクールくらいです。これでコントロールは鍛えられたかもしれませんが、個性の出力自体は変化してません。

オリ主の個性の出力が高い理由は、オリ主が緑谷達の世代より進んでいるからです。

とある人物の孫の孫であるオリ主の母は緑谷達と同じ“第5世代”であり、その息子のオリ主は“第6世代”となります。
おそらく、間瀬垣小学校の生徒たちやエリちゃんあたりと同じ世代になります。
それゆえ、オリ主の個性はより深く混ざりあっているので、訓練なしでも強力な攻撃を放てます。
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