そのキバで僕を噛んでくれ!   作:松田ゐふ

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メリークリスマス!

私は今年もシングルベルですが、この作品は違います。
この時間に間に合って良かったです。
それではお楽しみください。


この関係を終わらせに来た!!!

 雄英体育祭が終わった。

 明日と明後日は臨時休校みたいで、しっかり休むように相澤先生から言われた。

 

 帰りに騎馬戦のチームでサ〇ゼに行って、反省会兼親睦会をしたんだ。……それはまた今度話すよ。

 

 だって今はそれよりも大事な話があるからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日、僕は2人に告白する。

 


 

「ハルくんかっこいいですね!」

 

「トガ先輩もかっこいいですよ!」

 

「……」

 

 現在時刻午後8時50分。

 反省会兼親睦会から帰ってくると、切奈とトガちゃんが僕の部屋にいた。

 まぁ連絡は前もって来てたから驚くことでもない。

 切奈と僕は互いの部屋の合鍵を持ってるしね。

 

 それはそれとして、録画した僕の体育祭の映像を僕の部屋で見るのはやめて欲しいな……恥ずかしいから。

 

「……女殴ってるって……そこが良いのにさもマイナスみたいに言うじゃん」

 

「でもハルくんは、私たちのこと殴ったりしませんよ」

 

「例えじゃない?……まぁ実際は殴られてる側なんだけどね」

 

「噛んでますからね」

 

「……ただいま」

 

「あ!おかえりなさい!」

 

「おかえり、ハル」

 

「2人とも寛いでるね」

 

「はい!いいお湯でした!」

 

「もう風呂も済ませたの!?」

 

「だって今日泊まりますから」

 

「それは初耳だね!?嬉しいんだけどね!」

 

 僕が野郎達と戯れている間に話が進んでるみたいだ。

 ……まぁ好都合といえば好都合なんだけど。

 

「そうなんだ」

 

「ハル、ご飯楽しかった?」

 

「楽しかったよ。皆の性癖も聞けたしね!」

 

「仲良くなるの早くない?」

 

「秘密の共有こそ仲良くなる秘訣だよ」

 

「まぁいいや……今、ハルの活躍見てたんだ」

 

「私も頑張ったので見て欲しいです!」

 

「ちゃんと見るよ……結果だけ先に聞いてもいいかな?」

 

「最終種目3位でした」

 

「マジで!?」

 

「頑張りました!……でも準決勝で負けちゃいました」

 

「いや、凄いですって!トガ先輩“個性”殆ど使わずに頑張ってたじゃないですか……私なんて、ほら」

 

「自虐は笑えません……頑張ったんだから誇っていいんです」

 

「……ありがと」

 

 ……予定変更してこのまま壁と一体になって、百合を見届けてもいいですか?

 

 ……はい

 

 ……いいえ

 

 はっ!?いけない!目的を忘れるところだった!

 タイトルにも書いてあるように、今日この関係を終わらせるんだ!!

 

「……二人とも……」

 

「「はい?」」

 

「先にお風呂入ってくるね」

 

 ……

 …………

 ………………

 

ひよったァァァァ!!!

 

 ちょっと待ってくれ!告白ってこんなに緊張するもんなの!?小中で僕に告白してきた子皆こんな感じだったの!?

 ごめんね!!断っちゃって!!

 でも仕方ないじゃん!切奈がいたんだから!!あの頃は、性癖メインだったから、恋とか愛とかあんまり興味無かったんだよ!!

 

 僕はクズだ……クズなんだ……。

 

 湯船に沈みながら、自己嫌悪に陥っちゃった。

 

 ええい!しっかりしろ僕!この時のために頑張ってきたんだろ!

 今日を逃せば、またずるずると関係が続いていく!

 何のために騎馬戦をスキップしたと思ってんだ!

 

「やるぞ!僕はやるんだ!」

 

 数多のラブコメ主人公はしっかり思いを伝えたんだ!

 だったら僕にだってできるはず!

 今日僕は漢になる!

 

「……2人とも今、いいかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 心臓破裂しそう。

 

 


 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「……あいつ風呂入ったね」

 

「……入りましたね」

 

「……ひよったよね」

 

「……ひよったと思います」

 

「「はぁ~」」

 

 私とトガ先輩は大きくため息をついた。

 敵襲撃により、休校になったあの日、私たちは互いの思いを伝え合い、一線を越えようとした。

 結果は色々あって失敗したけど……。

 

 あの日から、ハルの態度がよそよそしく……ちょっと距離を感じるようになった。

 最初は浮気を疑ったけど*1、実際は違った。

 

 ハルは私たちに告白しようとしてた。

 だって、寝落ちした時にスマホを見てみたら……

 

 告白 タイミング

 

 告白 断られたら

 

 告白 二人同時に

 

 隠せよ!

 もっとちゃんとしろよ!

 

 って思ったけど、あいつなりに私たちのことを考えてくれたんだと思うと、胸が暖かくなった。

 

 だからこそ、今ひよったのがちょっと許せない。

 このまま、有耶無耶にするようならトガ先輩と一緒にグチャグチャに●す。

 一生私たち以外じゃ反応しないくらい、徹底的に●して身も心も全部、私たちで染め上げる。

 

 どっちがハルのハジメテを貰うかも、話がついたところだ。

 

「……2人とも今、いいかな?」

 

 ……だから、かっこいいところ見せてよね。

 惚れ直させるんでしょ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

「……2人とも今、いいかな?」

 

「なに?」

 

「はい?」

 

「……伝えたいことがある」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心臓やべェェェ!!!

 

 本当にマジでヤバい!フルマラソン走りきったくらいバクバクしてる!!

 このまま破裂すんじゃないかな!?

 いや!落ち着け!僕は出来る子なんだ!

 

 いやでも、童貞にはハードル高過ぎるよ!

 

 ……しっかりしろ!ここで諦めたら二度とチャンスはない!それくらいの気持ちでいけ!

 

「僕らの関係って……あやふやだったじゃん」

 

「たしかに」

 

「そうですね」

 

「互いに好きではいるけど……付き合ってるわけじゃない……そんな友達以上恋人未満の関係」

 

「……」

 

「……」

 

「でも、それも今日で終わりにしたい!」

 

 言え!言うんだ!

 トガちゃんと初めて会って、すぐに会えなくなった日のことを思い出せ!

 あの時、もっと喋りたかったこと!もっと遊びたかったこと沢山あっただろ!

 もう、あんな思いに二度としたくない!

 言えずに終わるなんて嫌だ!

 

「……2人のことが好きです」

 

「「ッ!」」

 

「どっちかじゃなくて、どっちも好きなんです!」

 

「こんな優柔不断なクズだけど……この想いは本物なんだ!……だから僕と付き合ってください」

 

 頭を下げ手を差し出す。

 言いたいことは全部言った、あとは2人の返事を待つだけだ。

 

「「……喜んで」」

 

「ほ、ホントに……?」

 

 僕の手を2人が握ってくれた。

 

「ホントにって……前にも言ったでしょ。私たちはハルが好きだし、3人で付き合ってもいいって」

 

「私もです。ハルくんが好き……切奈ちゃんも好きです」

 

「「だから、付き合お/いましょう」」

 

「……ありがとう」

 

 嬉しくて涙が出てきた。

 告白を受け入れて貰えるって、こんなに嬉しいことなんだ。

 僕たちは3人で抱き合って、その温もりを共有する。

 

 あぁ幸せだ。

 

 もうこれで終わってもいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もういいかな?」

 

「そうですね」

 

「え?」

 

「じゃあシよっか」

 

「は?」*2

 

 僕は一瞬で押し倒された。

 瞬く間に服を脱がされて、すっぽんぽんになる。

 

「えっと……説明してもらってもいいかな?」

 

「私たちもう恋人でしょ?」

 

「だから……いいですよね?」

 

「……僕の意見は?」

 

()()()()()買ってる時点でする気満々でしょ?」

 

「それはッ!?」

 

サガミー

 

「なんでそれ知ってんの!?」

 

「ハルくんのお部屋を掃除してるのは誰ですか?」

 

「そりゃあ2人だけ、ど……」

 

「正解です」

 

 僕が密かに購入していた、()()はとっくの昔にバレていたみたいだ。

 僕の隠し方がザルだったことが、判明している間に2人も服を脱ぎ終わったようだ。

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

 綺麗だ。

 ネットの写真で見たことはあったけど、本物は初めてだ。

 ……もうお気に入りフォルダはオカズにならないね、確信したよ。

 

「な、何か言ってよ///」

 

「まじまじと見られると恥ずかしいです///」

 

「ご、ごめん……見惚れてた……とっても綺麗だ」

 

「そ、そっか……ありがと///」

 

「……えへへ///」

 

 僕が褒めると2人は顔を赤くして照れた。

 その表情が僕の本能を刺激して、準備が整った。

 

「一応聞いてもいいかな?」

 

「なに?言っとくけどもう止めないからね」

 

「そうじゃなくて……どっちが先的なやつ」

 

「……どっちがいい?」

 

「それ僕に聞くの!?」

 

「ウソウソ……ハルってさファーストキスもまだだよね?」

 

「え、うん。身も心もまっさらな童貞ですけど……」

 

「良かった」

 

「え?なにがッむぐっ」

 

 僕が聞き返す前に、トガちゃんが唇を奪った。

 触れ合うだけの軽いキスだけど、全身が幸福に包まれる。

 

「……っぷは……ふふ、ハジメテ貰っちゃいました」

 

「あ、あぁ……あげちゃったね」

 

「じゃあ次は私の番だね」

 

 

 

「「今夜は寝かさない/せません」」

 

 

 

 …………その後のことは僕たちだけの大切な思い出だ。

 

 

 

 

 ……肌の温もり。

 

 ……汗で湿った身体(からだ)

 

 ……鼻腔をくすぐる甘い匂い。

 

 ……肉を刺す痛み。

 

 ……普段見せない淫靡な表情(かお)

 

 ……耳に残る心地好い嬌声(こえ)

 

 

 

 …………朝日が昇るまでの少しの間、僕らは世界で最も幸せな時間(とき)を過ごした。

*1
まだ付き合ってません

*2
某猫ミーム

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