そのキバで僕を噛んでくれ!   作:松田ゐふ

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皆様、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

今年も頑張って作品を投稿していきますので、応援よろしくお願いします。


Yの登場!明かされる真実!?

 というわけで、保須市に来たよ!!

 僕ってあんまり旅行とか行ったことないから、地元以外詳しくないんだけど、保須市って結構栄えてるんだね!

 

 今から、現地入りしてる他のヒーローと、持ち場の確認をするみたいだから失礼するね!

 こういう普通に生きていたら見ることの無い、ヒーローの裏側も体験できるなんて、職場体験って素晴らしいよね!

 

 ……それはそうと、この職場体験編は切奈とトガちゃんの出番がほとんどないから、大丈夫かな?

 ほら、この作品って僕たちのイチャイチャが売りじゃん?

 え?僕はいらない?……2人の百合を邪魔すんな?

 

僕がいなかったら、2人は出会ってませんけど!!!?

 

 むしろ、2人とイチャつけるのは、正当な報酬だと思うんですけど!?

 

 ……さて、心の中で荒れてるけど目の前では、ヒーローと顔合わせをしてます。

 いつもの事だけど、僕ってポーカーフェイスというか真面目な振りするの上手いよね!

 


 

 夕暮れ……ヒーロー殺しが出没する路地裏を警戒しつつ、パトロールしている。

 

 僕たちの他にも、沢山のヒーローがいる厳戒態勢なのに、コンビニ強盗やひったくりのような、軽めの事件を起こす奴はいるみたいだ。

 

「なんでやろうと思ったんでしょうね」

 

「こういう時こそ、ハジケちゃう人はいるのよ」

 

「不思議だよね!」

 

 いくつか事件を解決した後、仮拠点のホテルに戻っている時だった。

 

BOOOM

 

 保須市のあちこちから爆発が起き、炎が吹き荒れる。

 

「リューキュウ!」

 

「えぇ……ネジレチャン!ハル!行くわよ!」

 

 僕たちはすぐに爆発のあった場所まで急行する。

 

「あ、あれは!?」

 

「ハル知ってるの!迅速に情報の共有!」

 

「はい!あの敵は脳無、複数の“個性”を持っています!」

 

「複数の“個性”……わかったわ!ハル!“個性”使用の許可を出します!……無茶しないように!」

 

「はい!」

 

 現場に到着すると、市民を襲っている脳無がいた。

 リューキュウ達に僕の知る情報を共有し、人命救助を行う。

 

「久しぶりだね!筋肉ちゃん!」

 

「……」

 

「無視は酷いんじゃない?……まぁいいや」

 

《バリアブルスマッシュ・改》

 

 赤黒いヒビが走り、脳無の顎を打ち抜いた。

 ごめんね!僕ってば才能型だからさ、一回コツを覚えたら、すぐにできるようになるんだ!

 

 犀原との戦いで強化されたバリアブルスマッシュは、脳無を一撃で沈める。

 

「リューキュウ大丈夫ですか?」

 

 動かなくなった脳無をワイヤーで縛ると、リューキュウに声をかける。

 

「えぇ……でもこの先に向かったネジレチャンが戻ってこないの……あの子の実力ならこの程度すぐ片付くと思ったのだけれど」

 

「……なら僕が見てきます」

 

「……お願いするわ……私もこいつを倒したらすぐに向かうわ……くれぐれも無茶はしないで」

 

「わかりました」

 

 竜化したリューキュウが波動先輩を心配するので、応援に向かう。

 

 しばらく走っていると、波動先輩や逃げ遅れたであろう市民の方々が、道路に座っていた。

 

「皆さん!大丈夫ですか?今助けます!」

 

「チッ!!」

 

「へ?チ?」

 

「チンチン!」*1

 

「は?」

 

「チンチン!チンチン!」*2

 

「……え?」

 

「チンチン!チンチン!チンチーン!!」*3

 

「……何言ってるんですか?波動先輩……?」

 

 道路で座り込んでいる波動先輩が、口を開くと急にチンチンとか言って思考が止まる。

 

 ……これが無量空処か。

 

 他の人も何故か、口を押さえて喋らないようにしている。

 

 事件が起きているというのに、変なことになっているこの状況に頭が痛くなる。

 

 その時だった。

 

『強制Y談!』

 

「んッ!?」

 

 後ろから声をかけられた。

 その瞬間、口が勝手に動き喋ろうとするので、慌てて押さえる。

 今、何をされた?……強制Y談?意味がわからない。

 

『なかなか察しがいいですね』

 

「……」

 

『私が誰か気になりますか?』

 

「……」

 

『ならばお答えいたしましょう……私はMr.Y……以後お見知りおきを』

 

 振り返ると、赤いスーツを着た男が器用にステッキを回しながら近づいて来る。

 

「お前は噛まれたい派か?……ッ!?」*4

 

 目の前の男に質問するが、思っていることとは全く違うことが口から出る。

 

『驚いていますね?私の“個性”によって貴方々はY談しか話せなくなっています』

 

「……なんでこんなことをする。噛まれたいのか?」*5

 

 駄目だ、どれだけ意識しても、Y談しか話せない。

 

『ガガガガガガァー!……いやぁ……実に面白いですね!……貴方は私の“個性”に耐性を持ちながら!素晴らしいY談を聞かせてくれます!』

 

「甘噛み?」*6

 

『えぇそうですとも!……あぁ先に言っておきますが、“個性”の主である私は、貴方が何を言っているのか分かりますのでご安心を……さて、時間もありますしお話しましょうか……私の目的を』

 

 Mr.Yはそう言うと、ステッキを振りながらまるでダンスを踊るように昔話を始めた。

 


 

 私は“超常”によって多くを失った。

 

 ……平穏

 

 ……自由

 

 ……家族

 

 ……友人

 

 数えればキリが無いほどに私は多くを失った。

 その中でも特に“青春”を失った私の心は酷く傷つけた。

 

 友人と、好きな女性について語り合う時間。

 河川敷で、見つけた本に一喜一憂する時間。

 学校で、胸か尻かで喧嘩して互いを認める時間。

 

 全て尊い青春の日々。

 

 それらを“超常”は全て消し去った。

 

 だからこそ、あの時に目覚めたこの“個性”であの日、失くしたものを取り返す!!

 


 

『というわけで、“完全催眠”を使い皆様のY談を聞こうと思ったわけです』

 

 ……

 …………

 ………………

 

もったいねぇ!!!

 

 そんな強い“個性”持ってるならもっと良い使い道があっただろ!

 何してんだこいつ!?

 

『ここまで長かった……100年以上かけて世界中の人々の倫理観を低下させ、特殊性癖者を多く生み出し、ようやく私の理想の世界が誕生する』

 

「……ギザ歯ハムハム?」*7

 

『えぇそうです。貴方も感じたことはないですか?教職者の過激な発言、己の性癖を語っても気にしない人々、二股を推奨する大人……ね?覚えがあるでしょう』

 

「ッ!?」

 

 そうだ!

 これまでずっと違和感を感じていたんだ!なんで忘れていたんだ!

 

『それもこれも私の“個性”のせいです!倫理観デバフとでも名付けましょうか!これにより、世界中の人々は特殊性癖に目覚めやすくなりました!……しかし、凶悪犯や思想犯なども生まれやすくなってしまいましたが……私の目的のための犠牲です』

 

「最低なギザ歯野郎だな……噛んでくれ」*8

 

『嫌ですよ。……それにしても貴方はいい、私の“個性”に耐性を持っているのに、特殊性癖に目覚めているのですから!実に素晴らしい!!』

 

「それって……」

 

『まぁ、今は気にしなくて構いません……犀原くんの弟子が、どういう者なのか知れましたし……今日はここまでにいたします……それではまたお会いしましょう』

 

 Mr.Yはそう言うと“個性”を使ったのか姿がブレ消えてしまった。

 

「ネジレチャン!ハル!大丈夫!」

 

 男と入れ違いになる形で、リューキュウが来てくれた。

 僕は今の状況を伝えるために口を開いた。

 

 今思えば軽率な行動だった。

 

「リューキュウ噛んでください!痕が残るほど強く!!」*9

 

 ……

 …………

 ………………

 

あのクソ敵がよぉぉ!!

 

 これ(強制Y談)解除してからどっかいけや!!

 リューキュウが赤面してんじゃねぇか!!

 

 ……照れ顔もエッチで素敵ですね!

 

 じゃなくて!どうすんだよこの空気!!

 

「あ、あなたはこんな時に!な、何を言ってるの!///」

 

 保須市に現れた脳無が起こした騒ぎの中、謎の敵によって僕らは大変なことになってしまった。

 

 

 

 そしてこれが新年一発目の投稿でいいのだろうか!!

 

皆、今年もよろしくね!*10

*1
フランス語で乾杯という意味の言葉

*2
熱いを意味する方言

*3
路面電車の別名チンチン電車から

*4
「お前はなんなんだ?」

*5
「なんでこんなことをする。目的はなんだ?」

*6
「耐性?」

*7
「倫理観の低下?」

*8
「最低なクズ野郎だな……捕まってくれ」

*9
「リューキュウ気をつけてください!敵がまだ近くにいるかもしれません!!」

*10
ヤケクソ

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